第3613回 ワールドカップ2026年大会の予選開幕(4) ポーランドでホームゲームを戦うウクライナ

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■前回のワールドカップ予選では2試合とも1-1のドロー

 ワールドカップ予選のフランスの初戦は、第2シードのウクライナとのアウエーゲームである。フランスにとって今回のワールドカップ予選は第1節から最終節までわずか72日、本大会は開幕戦から決勝戦まで39日ということを考えれば、これまでに例のない短期決戦である。毎月中3日で2試合を行うことから各月の初戦は落とせないところである。
 フランスとウクライナのこれまでの対戦成績はフランスの6勝4分2敗である。最新の対戦は前回の2020年ワールドカップ予選、前々回の本連載で紹介したとおり、ホーム、アウエーとも1-1のドロー、最終的にフランスはグループ首位となり本大会出場、ウクライナは2位となってプレーオフに回っている。

■ロシアの軍事侵攻前の最後のキーウでの試合となったフランス戦

 このグループリーグとプレーオフの間にロシアがウクライナに軍事侵攻した。ウクライナは2021年11月まで行われたグループリーグではキーウあるいはリビウでホームゲームを行ったが、2022年3月に予定されていたプレーオフ(準決勝と決勝、それぞれ1回戦制)は日程、開催地に影響があった。ウクライナに関しては準決勝、決勝とも6月に試合を行うことになった。ウクライナはシード順で下位のため、いずれもアウエーで戦ったが、決勝でウェールズに敗れている。
 ウクライナが首都キーウで最後に試合を行ったのが2021年9月4日のワールドカップ予選のフランス戦なのである。

■最多の4回目のホームゲーム開催となるブロツワフ市営競技場

 ウクライナは現時点でもロシアの軍事侵攻により国内でホームゲームを開催することができず、今予選もポーランドでホームゲームを行うことになる。第1節のフランス戦はブロツワフ、第4節のアゼルバイジャン戦はクラコフ、第6節のアイスランド戦はワルシャワで行われる予定である。安心してサッカーをすることのできる日々が1日でも早く戻ることを願うばかりである。
 ウクライナが2022年2月にロシアからの軍事侵攻を受けてから、ホームゲームをポーランドでは7試合戦っている。ブロツワフではその中で最多の3試合をこれまでに行っている。最初は2023年9月9日の欧州選手権予選のイングランド戦、本大会で準優勝することになるイングランド相手に先制、1-1の引き分けに持ち込んでいる。2試合目はその欧州選手権予選のプレーオフ、本大会出場をかけた試合でアイスランドに2-1で勝利し、戦火の下から本大会出場を決めた。3試合目は昨年10月のUEFAネーションズリーグのチェコ戦、この試合も1-1で引き分け、これまで無敗という縁起のいい場所である。また、このブロツワフ市立競技場では2012年には欧州選手権を開催したのに続き、秋には日本がブラジルと親善試合を行ったことから日本の皆様もよくご存じのスタジアムであろう。

■23歳で代表50試合目となるイリア・ザバルニー

 まずは、青いユニフォームのウクライナは各選手が国旗をもってフィールドに入ってきた。パリサンジェルマンに今季移籍したイリア・ザバルニーはストッパーとして出場、まだ23歳であるが、この試合が早くも代表50試合目となる。ウクライナ代表50試合目となる最年少記録を更新した。また主将を務めるのは、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)のDFのミコラ・マトビエンコである。
 一方のフランスは白いユニフォームを着用する。GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ダヨ・ウパメカノ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置にオーレリアン・チュアメニとコネ、高い位置に右からデジレ・ドゥエ、ミカエル・オリーズ、ブラッドリー・バルコラ、FWは1トップで主将のキリアン・ムバッペである。メンバー招集後にライアン・シェルキの負傷離脱によって追加メンバーとして代表初招集となったウーゴ・エキティケは同じく代表初招集のマグネス・アクリウシュとともにベンチスタートとなった。(続く)

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