第3614回 ワールドカップ2026年大会の予選開幕(5) 開幕戦はウクライナに勝利

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■51年ぶりにブロツワフに戻ってきたフランス

 フランスのワールドカップ予選の初戦はポーランドのブロツワフでスタートした。ウクライナはロシアによる軍事侵攻が始まってからホームゲームを国外、主にはポーランドで行い、その中でもブロツワフでの試合が多いが、フランスもこのブロツワフで試合を行ったことがある。それが1974年の9月7日のポーランドとの親善試合である。2-0で勝利した日からほぼ51年、フランスがブロツワフに戻ってきた。3万8000人を超える観衆のほとんどはウクライナを応援しているが、フランスのファンも400人が固まって三色旗を振りかざす。

■ミカエル・オリーズの先制点

 ディディエ・デシャン監督にとって2回目のワールドチャンピオンを目指す旅はキリアン・ムバッペのキックオフで始まった。立ち上がりから白いユニフォームのフランスはウクライナのゴール前に攻め込む。対するウクライナも6分にフランスのゴールに迫る。ここはダヨ・ウパメカノとイブラヒム・コナテのストッパー陣がクリアする。
 そして先制点をあげたのはフランスであった。左サイドからブラッドリー・バルコラが攻め上がる。ペナルティエリア内へクロスを入れ、そこに入り込んできたのがミカエル・オリーズであった。オリーズが左足で合わせて、フランスが1点リードする。オリーズは代表9試合目でこれが3ゴール目となった。
 ウクライナも反撃に移るが、マイク・メニャンを中心とするフランスの守備も固く、ウクライナのシュートを許さない。フランスはオリーズ、デジレ・ドゥエが追加点のチャンスをつかむ。さらにムバッペもゴールを狙うが、ウクライナもポルトガルのベンフィカに所属するGKのアナトリー・トルビンが好セーブを見せる。
 試合はフランスのペース、パスをつなぎ、ボール保持を高め、シュートを次々と放つ。前半のシュート数はフランスが9本に対し、ウクライナはわずか1本であるが、フランスのリードはわずかに1点、後半が始まる。

■ウスマン・デンベレ、復帰するも負傷で退場

 後半開始時、デシャン監督は選手交代をする。ドゥエを下げてウスマン・デンベレを投入する。チャンピオンズリーグの決勝で負傷して以来、代表チームだけではなく所属するパリサンジェルマンでも欠場が多く、途中交代出場する程度であった。またフランス代表がハーフタイムに選手を交代するのは3月20日のクロアチアとのUEFAネーションズリーグの準々決勝第1戦以来のことである。この時は前半に2点を奪われ、ストッパーをコナテからウパメカノに代えている。
 フランスのベンチは後半が始まって早々にウォーミングアップを始める。ピッチの外で控え選手が動き出した時、ピッチの中ではマヌ・コネが負傷のため倒れるが、治療を受けて立ち上がる。58分にはようやくデンベレがオーレリアン・チュアメニのクロスをボレーシュートでゴールを狙う。このシュートはトルビンがストップする。試合は次第にウクライナのペースとなる。65分にはアルテム・ドボビクのヘディングシュートをコナテがゴールライン上でクリア、難を逃れる。さらに66分、今度はFKから直接ウクライナがゴールを狙う。メニャンも届かず、同点ゴールかと思われたが、シュートはポストに当たり、ウクライナはまた同点のチャンスを逃してしまう。そして80分にはデンベレがピッチに倒れこむ。デンベレは出場22分でピッチを去り、追加招集されたウーゴ・エキティケが代わって入り、代表デビューを果たす。

■カウンターアタックから2点目をあげたキリアン・ムバッペ

 守勢となったフランスは82分にスピードのあるカウンターアタック、決めたのはエース、ムバッペである。パリサンジェルマン入りしたイリヤ・ザバルニーを交わして代表91試合目で51得点目、ついにティエリー・アンリと並んだ。
 先制点をあげたオリーズは後半アディショナルタイムにマグネス・アクリウシュに交代、2人目の代表デビューとなる。
 フランスは初戦を2-0と勝利したのである。(続く)

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