第3779回 モロッコの挑戦を退ける(2) アフリカ勢として史上初の2大会連続8強入り
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■FIFAランキングを8位まで上昇させたモロッコ
モロッコは前回大会ではアフリカ勢初の4強入りしたが、準決勝でフランスに0-2と敗れている。その後のモロッコの歩みを紹介すると、2024年1月に行われたアフリカネーションズカップ2023大会では決勝トーナメント1回戦で南アフリカに敗れたが、昨年12月から今年1月にかけて行われた2025年大会では優勝(決勝戦でセネガルに敗れたが、セネガルの試合中の長時間の抗議に対してアフリカサッカー連盟が裁定を下し、モロッコの勝利とした)している。そして2023年秋から2025年秋までほぼ2年間にわたって行われたワールドカップ予選では8戦全勝、22得点、2失点と言う圧倒的な成績で本大会出場を決めている。
親善試合でも2023年にブラジルに2-1と勝利、2022年以降はFIFAランキングでもアフリカで最上位をキープ、今大会の開幕時点では8位と黄金時代を迎えている。
■王国ブラジルとドローでスタート
今大会ではグループCに入り、初戦はいきなりブラジルと顔を合わせた。アクラフ・ハキミとマルキーニョスというパリサンジェルマンに所属する2人が主将として戦った試合、モロッコはブラジルを序盤から圧倒する。21分にはイスマエル・サイバリが先制点を入れる。前回の本連載で紹介しなかったが、サイバリはスペイン出身、モロッコ人の両親が仕事を求めてスペインに居住していた時にサイバリが生を受けた。サイバリの兄はバルセロナの下部組織に所属し、当然サイバリも兄に続いてビッグクラブの下部組織の一員を目指していたが、サイバリが6歳の時にスペインに経済危機が訪れ、一家はベルギーに移住する。アンデルレヒトなどのベルギーのクラブの下部組織を経て、オランダのPSVアイントホーフェンで活躍し、今夏ドイツのバイエルン・ミュンヘンに移籍することが決まっている。
ブラジルはこの一撃で目を覚まし、32分にはブラジルはビニシウスが同点ゴールを個人技で決める。ここからブラジルが盛り返し、後半はブラジルペースとなったが、モロッコはブラジルの勝ち越しを許さず、1-1のドロー。モロッコ強し、という印象を世界に与えた。
■グループ2位で決勝トーナメント進出
モロッコは第2戦も開始2分でサイバリが先制点、2点目を奪うことはできなかったが、確実に勝ち点3を積み上げた。一方、ブラジルは第2戦でハイチに3-0と勝利し、グループCは二強二弱という構図で最終戦は得失点差の争いとなった。モロッコはオウンゴールで先制を許し、ハキミのゴールで追いつくも、また勝ち越され、ようやく前半のアディショナルタイムに追いついた。後半2得点をあげて突き放したが、ブラジルはスコットランドにも3-0と勝利し、グループ首位を譲った。
■オランダにPK勝ち、カナダに快勝し、2大会連続で8強入り
決勝トーナメントの初戦はグループFを首位通過したオランダと対戦する。これまでにワールドカップでは1回対戦があり、それが1994年米国大会であった。オーランドでの戦いはオランダが2-1と勝利している。それ以降、親善試合では1勝1敗という成績でメキシコのモントレーでの対戦となった。モロッコは優勢に試合を進めながら、得点をあげることができない。72分にはオランダがカウンターアタックから最後はコーディ・ガクポが先制点を決める。モロッコは後半アディショナルタイムの91分にイッサ・ディオップがクロスをヘディングで決めて追いつく。延長戦を戦っても決着はつかず、PK戦となる。オランダのバルト・フェルブルッヘン、モロッコのヤシン・ブヌと好GKの競演となったが、ブヌに軍配が上がり、モロッコが2回戦に進む。
2回戦は開催国カナダとヒューストンで対戦、前半はカナダの勢いに押されたが、後半に入って50分、マルセイユに所属するアゼディン・ウナヒが均衡を破るゴール。モロッコはウナヒとパリ五輪の得点王のソフィアン・ラヒミが追加点をあげ、カナダを突き放し、8強入りした。
アフリカ勢の2大会連続8強入りは史上初の快挙となった。(続く)
