連覇を狙うフランス・サッカー 「8月のブルー、苦手デンマークに快勝」(1/4)

■夏の風物詩「8月のブルー」

 欧州の各国リーグの開幕時期はさまざまであるが、フランスの場合、ローラン・ギャロス、モナコ・グランプリ、フランス・グランプリ、ツール・ド・フランスといったフランスならではのスポーツイベントの「シーズンオフ」にサッカーのリーグ戦が行われることから、7月下旬にリーグは開幕しており、早くも熱戦が繰り広げられている。
 一方、欧州の代表チームは例年9月の初旬にシーズン最初の公式戦を行うことになっており、フランス代表はその準備のためにも8月15日の聖母被昇天祭の週の水曜日に親善試合を行っている。この8月のフランス代表の親善試合が定着したのは初めてフランスが欧州の王座に就いた1984年のことであり、8月31日にポーランドをパリに迎えて0-4と大敗している。翌85年は欧州王座として南米王座ウルグアイを迎え、インターコンチネンタルカップを争い、2-0と快勝している。ワールドカップを翌年に控えて6月から7月にフランストーナメントを行った97年を除いて、86年からはほぼ毎年8月中旬の水曜日にホームまたはアウエーで親善試合が行われ、「8月のブルー」は夏の風物詩として向こう1年間のフランス代表を占う重要な試合となっている。
 この8月15日が水曜日にあたる今年は、デンマークをナントで迎え撃つことになった。98年ワールドカップ・フランス大会、2000年欧州選手権・ベルギー・オランダ大会とフランスとデンマークは同じグループリーグに入り、両試合ともフランスが完勝したことから相性がいいと思われている読者の方も少なくないだろうが、実は逆でデンマークはフランスが苦手とするチームである。
 その前の対戦となる96年11月9日のコペンハーゲンでの親善試合は0-1と敗れ、エメ・ジャッケ監督が就任してから初めての敗戦となった。ジャッケが監督に就任したのは93年11月、初めて指揮を執ったのは94年2月のイタリア戦であり、アウエーで史上初めてイタリアに勝つという好スタートを切った。96年欧州選手権・イングランド大会準決勝のチェコ戦でのPK負けは引き分けとカウントされており、就任以来30試合連続で負けなしだったジャッケは初めての敗戦で更迭の大合唱にさらされることになる。(続く)

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