第3590回 若きラグビーフランス代表、ニュージーランド遠征(4) ウェリントンでの第2テストは大敗

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■第1戦から10人を入れ替えたフランス

 ノンキャップ5人が先発し、フランスBと批判されたニュージーランド遠征初戦のフランスであるが、先制点と先制トライをあげ、ニュージーランドのトライキャンセルが3回あったこともあり、終わってみれば27-31という惜敗であった。スーパースター軍団のオールブラックスは終盤にはペナルティゴールを狙うなど、ようやく勝利をものにした。
 一方のフランスは手ごたえをつかんだ。第2戦は12日、舞台はウェリントンに移る。フランスの第2戦のメンバーもまた驚きであった。
 FW第一列はバティスト・エルドシオ、ガエタン・バルロー、ジョルジュ・アンリ・コロンブ、ロックはジョシュア・ブレナンとマティアス・アラガ、フランカーはピエール・ボシャトンとジャコブス・ファン・トンデール、ナンバーエイトはエステバン・アバディーが務める。BKについてはスクラムハーフがノーラン・ルギャレック、スタンドオフのジョリス・スゴン、スリークォーターバックスは左からエミリアン・ガイユトン、ピエール・ルイ・バラシ、ニコラ・デポルテール、テオ・アティソグベ、フルバックはレオ・バレというメンバーである。この試合からフランスはTOP14の決勝を戦ったトゥールーズとボルドー・ベグルの選手が加わり、先発メンバーの中ではブレナン、ボシャトン、バラシ、デポルテールの4人が遅れて合流している。
 なんと第1戦から10人が新しいメンバーになった。またバックス陣には第1戦とは異なるポジションの選手がいる。

■先発15人の平均キャップ数はわずか4.3のフランス

 その中でハーフ団はスクラムハーフのノーラン・ルギャレックとスタンドオフのジョリス・スゴンが第1戦に引き続き出場することは特筆すべきであろう。主将は第1戦に続いて先発するフッカーのバルローが務める。なんとフランスの先発メンバー15人の総キャップ数は65、平均キャップ数はわずかに4.3に過ぎず、リザーブ8人の平均キャップ数は13.8といういびつな数字になった。ちなみに、第1戦で主将を務めたガエル・フィクーのキャップ数は95で、この日はリザーブからも外れており、第1戦がフランスBであるならば、この日はフランスCである。
 一方のニュージーランドであるが、第1戦でセブ・リースだけではなく、主将を務めたスコット・バレットも負傷し、この第2テストではアーディ・サベアが主将を務める。 ウェリントンはニュージーランドの首都、人口ではオークランドに及ばないが、地理的には北島の最南端にあり、国土の中心となる。このウェリントンではフランスはまだニュージーランドに勝利したことがない。第1戦の惜敗から、新戦力を加えてフランスが勝利するか、ニュージーランドが本調子を回復して大勝するか、ボーデン・バレットのキックオフで試合は始まった。

■前半だけで4トライをあげたニュージーランド

 試合はオールブラックスが目を覚ます。8分にニュージーランドは攻め込み、フランスの反則を誘う。ここは手堅くペナルティゴールで3点を先取する。14分にはゴール前の好位置からのラインアウト、ここでサインプレーを見せ、ショートサイドをスクラムハーフのキャメロン・ロイガードが持ち込んでトライ、ゴールも決まって10-0、第1テストと逆の展開となる。
 19分にはボーデン・バレットがデリバレイトノックフォワードで10分間の退場となる。ゴール前からフランスはルギャレックがペナルティゴールで3点を返し、一気に同点に追いつきたいところであるが、23分にゴール直前左サイドでのラインアウト、今度はモールでそのまま押し込んでトライをあげる。前半のうちにニュージーランドはさらに2本のトライをあげ、29-3で折り返す。

■2トライだけに終わったフランス

 後半に入って先に得点をあげたのはフランスであった。47分、右サイドのラインアウトから攻め込み、ゴール前でもラックを制する。最後は左サイドに展開し、フルバックのバレがトライラインを越える。ルギャレックのゴールも決まり、追い上げたいところであるが、ここまでであった。ニュージーランドは54分にウィル・ジョーダン、62分にリーコ・イオアネがトライをあげる。フランスは終盤にブレナンがトライをあげたが、6トライを失い、17-43と大敗したのである。(続く)

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