第3641回 折り返しを迎えるリーグフェーズ(4) ルイス・ディアス劇場の前に敗れたパリサンジェルマン
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■メンバーのほとんどは昨季も今夏も対戦した両チーム
大会形式が変わったのは昨季からとはいえ、リーグフェーズで初めて首位と2位の対戦となったパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の顔合わせは注目を集めた。クラブワールドカップではパリサンジェルマンが勝利しているが、それまでチャンピオンズリーグでは4連敗、昨年もリーグフェーズで対戦し、第5節の11月26日、ミュンヘンでの試合はバイエルン・ミュンヘンが1-0、スコアこそ最少失点であったが、内容的にはパリサンジェルマンは手も足も出ず、という完敗であった。
今年の対戦はパルク・デ・プランスでの対戦、欧州王者となったパリサンジェルマンの先発メンバーは、GKはルカ・シュバリエ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアム・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは中央にビティーニャ、右にウォーレン・ザイール・エメリ、左にファビアン・ルイス、FWは中央にウスマン・デンベレ、右にクビチャ・クバラツヘリア、左にブラッドリー・バルコラ、このメンバーのほとんどがマイアミでの勝利もミュンヘンでの敗戦も経験している。
■開始早々に新加入のルイス・ディアスが先制点
試合はバイエルン・ミュンヘンのルイス・ディアスのキックオフで始まった。4分、パリサンジェルマンは中盤でデンベレがボールを奪われる。バイエルン・ミュンヘンは素早い攻撃を仕掛け、セルジュ・ニャブリがミカエル・オリーズに縦パスを供給し、オリーズがシュート、これはシュバリエの真正面であり、シュバリエが防ぐが、ボールはルイス・ディアスの足元に跳ね返る。これをルイス・ディアスがシュート、シュバリエをカバーしてゴール前で守っていたマルキーニョスは倒れ込みながら防ごうとしたが、及ばず、バイエルン・ミュンヘンが先制した。
その後も組織的な攻撃をするバイエルン・ミュンヘンに対して守備に回り、攻撃を組み立てられない時間帯が続く。ようやく15分、パリサンジェルマンの攻撃陣が目を覚まし、ボールを保持するようになり、クバラツヘリアがシュートまでもっていくが、これはオフサイド。そして22分、パリサンジェルマンは右サイドからゆっくりとバルコラがペナルティエリア内に侵入、左サイドでフリーになっていたファビアン・ルイスにパスする。ファビアン・ルイスは折り返し、これをゴール前にいたデンベレがコースを変えてボールはゴールに吸い込まれた。主審もいったんはゴールを宣告したが、VARの末、オフサイドとなりゴールはキャンセルされる。そして負傷明けのデンベレはこの後、李康成にポジションを譲り、ベンチに下がる。
■追加点をあげたルイス・ディアス、前半アディショナルタイムに退場処分
30分にはパリサンジェルマンはバルコラへのパスがカットされ、バイエルンは攻め上がり、ニャブリがシュート、このシュートはまず左ポストに当たってから右ポストに当たり、結局ゴールにはならず、右サイドに流れる。パリサンジェルマンの緩慢なプレーが続く。32分にはマルキーニョスがハリー・ケインとの競り合いに勝ってボールを保持したが、すぐにルイス・ディアスに奪われ、そのまま持ち込まれて2点目を許す。
ところが、ルイス・ディアスは前半のアディショナルタイムにハキミにボールを奪われ、取り返そうとして後方からタックル、レッドカードが提示される。
■猛攻を仕掛けるが、反撃は1点どまりのパリサンジェルマン
後半は前半とは全く異なる試合展開となった。数的不利になったバイエルン・ミュンヘンはひたすら守り、ホームのパリサンジェルマンがボール保持率もテリトリーも優位な戦いを進める。ようやくパリサンジェルマンがネットを揺らしたのは74分、李康成が右サイドからゴール前にクロスをあげてジョアン・ネベスがハーフボレーでシュートを決める。しかし、ここからパリサンジェルマンはゴールが遠かった。後半はほとんどバイエルン・ミュンヘンの陣内で試合を行い、次々とシュートを放ったパリサンジェルマンであったが、1-2で敗れ、チャンピオンズリーグではバイエルン・ミュンヘン相手に5連敗となったのである。(続く)
