第3642回 折り返しを迎えるリーグフェーズ(5) モナコは初勝利、マルセイユは3敗目

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■前半戦をリードして折り返したモナコ

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのリーグフェーズの第4節でパリサンジェルマンが初黒星を喫したことを紹介したが、今回は残る2チームを紹介しよう。
 パリサンジェルマンと同じ11月4日に試合があったのがモナコである。モナコはアウエーでノルウェーのボデ・グリムトと対戦した。ボデ・グリムトはスカンジナビア3か国から唯一チャンピオンズリーグのリーグフェーズに出場している。第3シードであり、ここまでの戦績はモナコと同じ2分1敗である。
 第4シードのモナコにとっては対戦するチームがみな同等以上のであるが、第1節で第2シードのクラブ・ブルージュに敗れたが、その後はイングランドの強豪と対戦、第1シードのマンチェスター・シティ、第3シードのトットナム・ホットスパーと引き分けている。モナコにとっては欧州カップでノルウェーのチームと試合をするのはこれが2回目、2005-06シーズンのUEFAカップのバイキングス戦以来のことである。すでに気温が3度まで下がっているボデ・グリムトの本拠地には8000人の観衆が集まった。
 モナコはボール保持率では劣勢であったが、中央にフォラリン・バロガン、左に南野拓実、右にマグネス・アクリウシュというモナコの攻撃陣が人工芝のグラウンドの上を走り回る。43分にはアクリウシュとバロガンがワンツーパスをつないでバロガンが角度のないところから強烈なシュートを決めた。
 その直後にボデ・グリムトのシュートがポストをたたくが、モナコは1-0とリードして折り返す。

■ボデ・グリムトの攻撃をしのいだモナコ、初勝利

 後半に入るとボデ・グリムトが波状攻撃を重ねる。モナコは南野とアクリウシュという攻撃陣の両翼を下げ、19歳以下のフランス代表のパプ・カブラル、デンマーク代表のミカ・ビエルスを投入する。ビエルスはウィットギフト校出身であるから日本の皆様もよくご存じであろう。ホームのボデ・グリムトは攻勢を強め、初勝利を目指す両チームの戦いは終盤に入る。ところが、81分、ビエルスに対し、ボデ・グリムトのDFが後方からタックル、VARの末、レッドカードが提示され、ボデ・グリムトは10人での戦いとなる。モナコはアウエーで1-0と今季かつ勝利をあげたのである。

■劣勢のマルセイユ、前半はスコアレスで乗り切る

 パリサンジェルマンとモナコが試合を行った翌日、マルセイユはベロドロームにアタランタ(イタリア)を迎える。第2シードのアタランタは第1節でパリサンジェルマンと対戦し、0-4で敗れたことは本連載第3621回で紹介した通りであるが、その後は1勝1分、勝ち点4である。マルセイユはチャンピオンズリーグでは1勝2敗であるが、国内リーグでは勝ち点2差で首位パリサンジェルマンを追う2位である。
 マルセイユはアタランタとは2シーズン前のヨーロッパリーグの準決勝で対戦している。ベロドロームでの第1戦は1-1のドローであったが、ベルガモでの第2戦は0-3と敗れている。
 試合はアタランタが優勢に展開する。14分、マルセイユのGKジェロニモ・ルリの処理ミスからファウルを犯し、アタランタにPKが与えられる。アタランタのキッカーはシャルル・ド・ケテラエール、しかし、ルリはPKをはじき返し、先制点を許さない。ピンチを脱したマルセイユであるが、パスがつながらない。23分にピエール・エメリク・オーバメヤンが作ったチャンスが前半唯一の得点機であった。

■90分に決勝点を奪われたマルセイユ、1勝3敗で折り返し

 後半に入り、69分、アタランタはアデモラ・ルックマンがクロスのこぼれ球をシュートしてゴールインするが、VARの結果、アタランタの他の選手がオフサイドポジションにいたことが確認され、アタランタはまた先制点を記録することができなかった。
 このままスコアレスドローかと思われた90分、入ってきたばかりのラザール・サマルジッチがカウンターアタックから得点をあげ、これが決勝点となる。
 マルセイユは1勝3敗で前半戦を折り返すことになったのである。(続く)

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