第3718回 米国遠征を行ったフランス(2) カルロ・アンチェロッティ監督率いるブラジル
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■本大会期間中に使用する合宿地で活動
ワールドカップのメンバーエントリー前最後の試合の機会となる米国遠征、フランスは本大会でも主な試合会場となる北東部でブラジル、コロンビアと連戦する。
3月23日の昼にメンバーはクレールフォンテーヌに集合、新ユニフォームでの撮影と軽い練習をこなし、翌日には米国に向けて出発した。8時間のフライトの末、ボストンに到着する。ボストンは前回の本連載で紹介した通り、ワールドカップ本大会中の合宿地であり、フランスの活動拠点である。今回の米国遠征はこの合宿地を起点として活動し、本大会の3か月前のリハーサルという意味合いもある。早速メジャーリーグサッカーのニューイングランド・レボリューションの練習場で練習を行う。ニューイングランド・レボリューションはかつて小林大悟が所属したことから日本の皆様もよくご存じのチームであろう。本拠地はフォックスボロにあるジレット競技場、アメリカンフットボールのニューイングランド・ペイトリオッツの本拠地でもあり、世界中に知られている。そしてフランスにとっては今回のブラジル戦とワールドカップ本大会のグループリーグ最終戦のノルウェー戦の会場である。このように3か月後の本大会を見据え、政治的には必ずしも良好な関係ではない米国に渡ったのである。
■初めての中立地での親善試合となるフランス-ブラジル戦
そして対戦相手のブラジルとコロンビアは決勝トーナメントの終盤で対戦する可能性のあるチームである。特に世界ランキング3位のフランスと5位のブラジルとの対戦は注目を集める。これまでにフランスとブラジルは15回対戦、戦績はフランスの5勝4分6敗である。最後の対戦は2015年、すなわち10年以上対戦がない。
両国がタイトルマッチで対戦したのは5回、ワールドカップでは1958年大会(スウェーデン)、1986年大会(メキシコ)、1998年大会(フランス)、2006年大会(ドイツ)、そして2001年のコンフェデレーションズカップ(韓国)であり、それ以外の10試合は親善試合である。これまでの10試合のうち、ブラジル国内で行われたのは2試合(1977年のリオデジャネイロと2013年のポルトアレグレ)だけ、残り8試合はフランス国内、しかもそのほとんどはパリ並びにその近郊で行われ、自国開催のワールドカップのプレ大会として1997年に行われたフランストーナメントでリヨンで対戦しただけである。選手のほとんどが欧州のクラブに所属するブラジル代表は、近年は親善試合を欧州で行うことが多いが、初めて中立国でフランスと親善試合で対戦することになったのである。
■ブラジル代表監督に就任したカルロ・アンチェロッティ
ブラジルも3月は米国遠征、26日にフランスと対戦し、31日にはオーランドでクロアチアと対戦する。南米予選では苦戦し、昨年5月にイタリア人のカルロ・アンチェロッティに監督を交代した。アンチェロッティは2011年にパリサンジェルマンがカタール資本になった際に監督として招聘され、就任2年目には19年ぶりの優勝を果たしている。名将と呼ばれるアンチェロッティ監督はこれまでに欧州のビッグクラブの監督は歴任してきたが、欧州以外での監督、そして代表チームの監督は初めての経験である。南米予選ではようやく5位に入って本大会出場を決めたが、ファンはそれでは満足できないであろう。
■注目のネイマールは招集されず
南米予選では不本意な成績であったブラジルにとってもメンバー発表前の最後の試合の機会である。ネイマールが2年半ぶりに復帰するのではないかとも言われていたが、アンチェロッティ監督は招集せず、4人の新人選手を招集した。この中で最も注目を集めたのはイングランドのブレントフォードで今季21ゴールをあげているイゴール・チアゴであろう。またフランスリーグに所属する選手としてはパリサンジェルマンのマルキーニョスとリヨンのエンドリッキ(スペインのレアル・マドリッドからレンタル中)が選出されているのである。(続く)
