第3766回 最大の難関、セネガルに勝利(3) キリアン・ムバッペ2ゴール、2つの単独トップとなる

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■後半に入って目の覚めたフランス

 ワールドカップの初戦の有力国同士の対戦とあって、前半は固い試合となったフランス-セネガル戦、前半のフランスのシュートはわずか1本、これは記録に残っている1966年以降のフランスのワールドカップの試合ではシュート数は最少となった。また、フランスがセネガルのペナルティエリアに入ったのもわずか3回、2002年のワールドカップの韓国での戦いが脳裏をよぎったファンも少なくなかったであろう。
 後半になってようやくフランスは目が覚めた。53分にはジュール・クンデがボールを奪い、直前の北アイルランド戦でハットトリックを決めたミカエル・オリーズが左足でシュート、セネガルのGKエドゥアール・マンディがスライディングし、この試合初めて生きたボールに接触する。一方、セネガルも前半は惜しいシュートが2本あったとはいえ、攻撃力を十分に発揮したとは言えない。セネガルもフランス同様に後半に入ってエンジンがかかる。55分にニコラス・ジャクソンがゴール前に迫る。

■オリビエ・ジルー、ジュスト・フォンテーヌと並んだキリアン・ムバッペ

 そしてフランスのエースがようやく初めてゴール前で攻撃に関わったのは57分のことであった。ペナルティエリア内に入ったムバッペに対してセネガルはサディオ・マネがタックルする。このプレーがVARの判定となる。VARの結果、PKは認められなかったが、このプレーでフランスは勢いづいた。66分に右サイドに回ったオリーズが縦パス、セネガルの守備陣の裏に出てボールを受けたのはムバッペであった。ムバッペは右足でシュート、マンディは止めることができず、フランスが先制する。なお、ムバッペはこの得点でフランス代表通算57点目となり、代表通算ゴール数でオリビエ・ジルーと並ぶ。また、ワールドカップ本大会で通算13得点となり、これもまたジュスト・フォンテーヌと並んだ。 そしてこれはフランスのセネガル戦での初めての得点となる。フランスは対戦歴のある国の中で唯一勝利のないのがセネガルであることはすでに紹介したが、得点のないのもセネガルだけだったのである。
 セネガルも負けていない。直後の68分にはジャクソンのハーフボレーがゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドで認められず、フランスが1点リードしている中で後半のハイドレーションブレイクに入る。

■ワールドカップデビュー直後に得点を決めたブラッドリー・バルコラ

 80分にはウスマン・デンベレに代わってブラッドリー・バルコラが出場、ワールドカップ初出場となったバルコラはいきなり大きな仕事をする。82分、センターサークル付近からアドリアン・ラビオがロングパス、これがうまくセネガルの守備陣の間を通り、抜け出したバルコラが収め、GKと一対一になる。バルコラは落ち着いて右足のロブでシュート、フランスは追加点をあげる。
 敗色濃厚となったセネガルであるが、後半アディショナルタイムに一矢を報いる。イブラヒム・エンバイエが右サイドをドリブルで駆け上がり、テオ・エルナンデスをかわしてシュート、これがゴールに突き刺さる。エンバイエはパリ近郊で生まれ、パリサンジェルマンの下部組織から2024年にトップチームに昇格、昨年の夏に米国で開催されたクラブワールドカップでも活躍している。この試合では75分にイスマイラ・サールに代わって出場、バルコラに続き、パリサンジェルマン勢が得点をあげた。代表13試合で5得点というハイペースでゴールを量産している。

■ロングシュートで単独トップに立ったエンバぺ、チームを勝利に導く

 試合はこれで終わらなかった。96分にはパリサンジェルマンに所属していたムバッペが素晴らしいゴールをあげる。オリーズから受けたパス、ゴールまでは40メートル以上あったが、ムバッペのロングシュートにマンディはセーブするが届かず、ゴールネットが揺れる。ムバッペは代表99試合出場で58得点目、フランス代表として通算得点で単独トップとなる。そしてワールドカップ本大会において14得点となり、これもフランス代表として単独トップとなったのである。(この項、終わり)

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