第3819回 今年も優勝を逃したデビスカップ(2) 予選1回戦でスロバキアを下す
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震、令和8年熊本地震、令和8年千葉豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■トップ選手不在が優勝から遠ざかっている理由
前回の本連載ではデビスカップにおいてフランスは大会方式が変更した2019年以降は優勝はおろか、上位進出もないことを紹介した。これはデビスカップになれば、ATPランキングや賞金とは無関係にトリコロールの旗の下で戦うというフランスのテニス選手の意識が変化したわけではない。四大大会やそれに準ずるマスターズで優勝できるような選手がいなくなったということがその理由としてあげられる。ただ、それでもATPランキングをベースにしたシード順では高く評価されながら、本選に入ってからグループリーグであっさりと敗れるケースが少なくなかった。
■グループステージのなくなった2025年は準々決勝でベルギーに敗れる
2025年からはフランスが苦手としていたグループステージがなくなり、すべてノックアウト方式となる。具体的には全豪オープンが終了した直後の1月末から2月初めに予選1回戦、全米オープンが終了した9月中旬に予選2回戦が行われ、これを勝ち抜いた7か国とファイナルズの開催国(2025年はイタリア)を加えた8チームが11月中旬に準々決勝以降を戦った。
第8シードとなったフランスは予選1回戦でブラジルを下し、2回戦もクロアチアを倒し、ファイナルズに進出する。予選は3日間にわたり、シングルス4試合、ダブルス1試合の3戦先勝方式で行われるが、ファイナルズはシングルス2試合、ダブルス1試合の順に行い、2戦先勝方式で行われる。
この年、フランスはシングルスで100位以内の選手が4人エントリーしていた。これはファイナルズに参加した8か国のうち最多である。この層の厚さは3日間でシングルスを4試合戦い、展開に応じて選手を起用する予選においては有利であるが、1回の対戦あたりのシングルスの試合数の少ない新方式においては必ずしもそうではない。
ファイナルズの初戦となる準々決勝でフランスはダブルスでコランタン・ムテとアルトゥール・リンデルクネッシュが連敗、第3試合のダブルスの試合は行われず、準々決勝敗退となった。
■アルトゥール・リンデルクネッシュがシングルスで2勝、スロバキアを下す
そして迎えた2026年、2月初旬に行われた予選1回戦でフランスはスロバキアと対戦する。5セットマッチが3セットマッチになり、3日間(金曜日にシングルス2試合、土曜日にダブルス1試合、日曜日にシングルス2試合)が2日間(初日にシングルス2試合、2日目にダブルス1試合とシングルス2試合)に変更されたが、デビスカップの伝統的な姿の骨組みを残している。
北フランスの港町ルポルテルのインドアのハードコートで試合は行われた。フランスは初めて代表に選ばれた29歳でATPランキング49位のアレクサンドル・ミュレールがシングルスの第1試合に登場、しかしながら、ランキング200位の選手にストレートで敗れてしまう。第2試合に登場したのはリンデルクネッシュである。ランキング300位台の選手に対して第1セットも第2セットもタイブレークを制し、初日は1勝1敗で2日目を迎えた。
2日目はフランスが得意とするダブルスで始まった。四大大会のダブルスで5回の優勝経験のあるピエール・ユーグ・エルベール、35歳にして健在である。バンジャマン・ボンジとペアを組み、スロバキアのペアに対して圧勝し、勝ち越す。残されたシングルス2試合で1勝すればフランスは1回戦突破となるが、第4ラバーのシングルスに登場したリンデルクネッシュが競り勝って3勝目、フランスが2回戦に進出した。
■2回戦以降に必要な新戦力
2回戦の相手はカナダである。カナダは1回戦ではブラジルを3-2と接戦の末下している。1回戦と2回戦の間はほぼ半年のインターバルがある。春から夏にかけては北半球でのトーナメントが多数行われ、全仏オープン、全英オープン、全米オープンと北半球で行われるグランドスラムもある。ダブルスのエルベールは勝利を計算できるが、シングルスプレーヤーはこれからの戦いでは心もとない。新戦力の発掘が望まれるのである。(続く)
