第1329回 欧州選手権組み合わせ決定 (2) プレーオフを勝ち抜いたトルコ、ポルトガル、アイルランド、チェコ

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスのファンも注目するプレーオフ

 欧州選手権の本大会出場をかけたプレーオフは11月11日と15日に行われた。トルコ-クロアチア、エストニア-アイルランド、チェコ-モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ-ポルトガルというカードである。この中で注目のカードは前回の本大会で2008年大会の準々決勝の再現となるトルコ-クロアチア戦であろう。そしてフランスに勝ち点1及ばずプレーオフに回ったボスニア・ヘルツェゴビナはポルトガルとの対戦となるが、これは2010年ワールドカップのプレーオフと同じ組み合わせであり、その時はポルトガルが勝ち抜いている。この2010年ワールドカップの出場権をめぐってフランスがプレーオフで対戦したアイルランドは躍進著しいエストニアとの対戦となり、プレーオフはフランスのサッカーファンにとっても興味のあるところである。

■大量得点で勝ち抜いたクロアチアとポルトガル

 トルコとクロアチアは、前回大会の準々決勝では延長戦までもつれ込み、延長後半の119分にクロアチアが勝ち越し点をあげて、勝負あった、と思われたが、トルコが終了間際に追いつくという劇的な展開となった。PK戦に持ち込んだトルコが勝利し、準決勝に進出したが、クロアチアはその借りを返した。まずトルコのホームゲームとして11日にイスタンブールで行われた。5万人の地元ファンの前でクロアチアは2分に早くも先制点を奪う。さらに32分にも追加点を奪い、2-0とリードして前半を終える。後半に入ってもクロアチアはゲームの主導権をトルコに譲ることなく、3点目を入れてアウエーで3-0と圧勝したのである。その4日後、クロアチアはザグレブでトルコを迎える。大量得点での勝利が必要なトルコはメンバーを大幅に変えるが、無理に攻めに出ないクロアチア相手にゴールには近づくが、得点することはできず、スコアレスドローとなり、クロアチアが本大会出場を決める。クロアチアは今回が5回目の予選挑戦であるがそのうちで4回勝ち抜くという素晴らしい成績を残している。
 ボスニア・ヘルツェゴビナは第1戦をホームで戦う。ボスニア・ヘルツェゴビナは守備陣に負傷者が相次ぐという状況で強豪ポルトガルを迎える。前半はポルトガルが押し込んだが、後半になってようやくボスニア・ヘルツェゴビナも盛り返す。しかしながら、両チーム無得点で、本大会出場はリスボンでの戦いにゆだねられた。このリスボンでの試合は地元ポルトガルのゴールラッシュとなる。ポルトガルは開始早々に主将のクリスチャーノ・ロナウドが先制点、さらに追加点をあげ、序盤でリードを奪う。前半終盤にボスニア・ヘルツェゴビナも1点を返す。第1戦がスコアレスドローであることから追いつけば優位に立つボスニア・ヘルツェゴビナであったが、後半53分にボスニア・ヘルツェゴビナは2枚目のイエローカードで退場者を出す。1人減ったボスニア・ヘルツェゴビナに対し、ポルトガルはゴールの嵐、6-2という大量得点で、2010年ワールドカップに続き、本大会出場を決めたのである。

■24年ぶりの本大会出場となったアイルランド

 2010年のワールドカップはプレーオフでフランスの前に敗れたアイルランド。エストニアのタリンで行われた試合で前半13分に先制点をあげる。エストニアは前半と後半それぞれ1人ずつの退場者をだし、9人で戦うことになる。数的優位に立つアイルランドは主将ロビー・キーンの2得点を含む活躍でアウエーでの第1戦を4-0と勝利した。キーンは代表通算51得点、英国並びにアイルランドの5協会の代表チームで通算得点50ゴールは初めてのことである。そしてホームに戻っての第2戦、アイルランドは前半に先制、後半に追いつかれたものの、余裕のドローで、実に24年ぶりの本大会出場となったのである。

■連勝で5大会連続出場を決めたチェコ

 上位シード国の中で唯一、第1戦をホームで戦うチェコは、モンテネグロ相手になかなかゴールを奪うことができず、ようやく63分に先制点、そしてロスタイムの92分に追加点をあげて、2-0というスコアで第2戦に臨む。第2戦はホームのモンテネグロが攻めるが、チェコのGKペトル・チェフが大活躍をする。そして終盤の81分にペトル・イラチェクがゴールを奪い、1-0と勝利し、プレーオフを唯一連勝で勝ち抜き、5大会連続の本大会出場を決めたのである。
 このように上位シード4か国が本大会出場権を得たのである。(続く)

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