第1949 回 2016年欧州選手権組み合わせ抽選決定

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■パレ・デ・コングレで開催された組み合わせ抽選会

 前回までの本連載で来年の欧州選手権に出場する24チームの顔ぶれを紹介してきたが、組み合わせ抽選が12月12日にパリのパレ・デ・コングレで行われた。パリで行われるスポーツ関連の国際イベントとしては11月13日のサッカーのドイツとの親善試合以来となる。すなわち同時多発テロが起こってから最初のビッグイベントということで250人の警官が出動し、厳重な警備体制の下で抽選会が行われた。
 今回は24チームが本大会に出場し、4チームずつ6つのグループリーグを戦い、各グループの上位2チームと3位チームの中で成績の良い4チームの合計16チームが決勝トーナメントに進出する。

■シード順は過去3大会の本予選の成績を加重して決定

 グループリーグの組み分けについてはまた6チームずつ4つのシード順に分けて抽選が行われた。このシード順であるが、2012年欧州選手権の本予選の成績が20%、2014年ワールドカップの本予選の成績が40%、そして2016年欧州選手権の予選(プレーオフは含まない)の成績が40%とウエイト付けをして決定する。なお、開催国のフランスと前回優勝のスペインは自動的に第1シードになる。
 この結果、第1シード6か国はフランス(開催国)、スペイン(前回優勝)、ドイツ、イングランド、ポルトガル、ベルギーとなる。第2シードはイタリア、ロシア、スイス、オーストリア、クロアチア、ウクライナ、第3シードはチェコ、スウェーデン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、第4シードはトルコ、アイルランド、アイスランド、ウェールズ、アルバニア、北アイルランドとなる。
 参考までにフランスは開催国でなければ第2シード、スペインは前回優勝でなくとも第1シード入りする。フランスが第1シードしたために第2シードに甘んじたのがイタリアである。

■フランスはスイス、ルーマニア、アルバニアと対戦

 抽選会に参加したのはかつてのフランス代表選手としてビシャンテ・リザラズ、ダビッド・トレゼゲ、オランダ代表として活躍したルート・フリット、1996年大会でドイツ代表として活躍したオリビエ・ビアホフ、2004年大会決勝で決勝ゴールをあげたアンゲロス・ハリステアスというレジェンドとUEFAのジャンニ・インファンティーノ事務局長が参加して行われた。
 フランスだけではなく、第1シードの国にとっては第2シードのイタリアとの対戦を避けたいところである。
 そして抽選結果はフランスは開催国としてグループAに入り、第2シードからはスイス、第3シードからはルーマニア、第4シードからアルバニアとなる。グループBはイングランド、ロシア、スロバキア、ウェールズ、グループCはドイツ、ウクライナ、ポーランド、北アイルランド、グループDはスペイン、クロアチア、チェコ、トルコ、グループEはベルギー、イタリア、スウェーデン、アイルランド、グループFはポルトガル、オーストリア、ハンガリー、アイスランドとなる。
 フランスはルーマニア、アルバニア、スイスの順に対戦する。FIFAランキングではスイスとルーマニアがフランスより上位に来ているが、いずれの国に対しても過去の対戦成績ではフランスが上回っている。また第2シードのスイスとの対戦が最終戦となっており、まずまずの抽選結果であると言えるであろう。

■最激戦区となったグループE、注目のアイルランド-スウェーデン戦

 一方、注目のイタリアが入ったグループEは大激戦区となった。FIFAランキングではトップのベルギー、そしてズラタン・イブラヒモビッチが最後の代表戦として臨むスウェーデン、さらには2010年ワールドカップ予選のプレーオフでフランスに敗れたアイルランドと強豪が並ぶ。このグループEの第1戦は6月13日にアイルランドとスウェーデンの間でスタッド・ド・フランスで行われる。パリの英雄イブラヒモビッチがスタッド・ド・フランスのファンの前でゴールを決めるか、ティエリー・アンリのハンドに泣いたそのスタジアムでアイルランドが雪辱を果たすのか、今からキックオフが楽しみである。(この項、終わり)

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