第2898回 UEFAネーションズリーグファイナルズ(3) 前半に2点をリードされたベルギー戦

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■トリノのユベントスの本拠地でベルギーと対戦

 前回の本連載では、ベルギーが過去3年間、FIFAランキングで1位をキープしていることを紹介したが、ベルギーは3年前にフランスから首位の座を奪っている。そのフランスの現在のFIFAランキングは4位である。
 10月7日、イタリアのトリノ、アリアンツ競技場でフランスはベルギーと決勝進出をかけて戦った。フランスがトリノで試合をするのは1934年のワールドカップのオーストリア戦以来のことである。アリアンツ競技場はユベントスの本拠地であり、両チームの中でフランスのアドリアン・ラビオが現在ユベントスに所属している。

■ほとんどのメンバーが3年前のワールドカップ準決勝で対戦

 収容人員を制限して行われたこの試合、赤いユニフォームのベルギーはGKはチボー・クルトワ、DFは3バックで右からトビー・アルデルバイレルト、ジェイソン・デナイヤー、ヤン・ベルトンゲン、MFは4人、右からチモシー・カスターニュ、アクセル・ビツェル、ユーリ・ティーレマンス、ヤニック・カラスコ、FWは3人で中央にロメル・ルカク、右にケビン・デブライネ、左にエデン・アザールとなる。
 白いユニフォームのフランスはGKはウーゴ・ロリス、DFは3人、右からジュール・クンデ、ラファエル・バラン、ルカ・エルナンデスが並ぶ。MFは5人、低い位置に2人、右にポール・ポグバ、左にラビオ、攻撃的な位置に3人、右からバンジャマン・パバール、トップ下にアントワン・グリエズマン、左にテオ・エルナンデス、FWは2トップの右がカリム・ベンゼマ、左にキリアン・ムバッペという布陣である。この大一番でディディエ・デシャン監督は3バックシステムを採用した。
 この中で3年前のワールドカップ準決勝に出場していたのはベルギーが8人、フランスが7人であり、大部分の選手が3年ぶりの対戦となる。

■カウンターアタックから先制点を奪ったベルギー

 雪辱に燃えるベルギーは立ち上がりからフランスのゴールを襲う。クンデのクリアが小さかったところをデブライネがボレーシュート、これをロリスが防ぐ。フランスがボールを支配し、ベルギーは逆襲するという構図となった。試合開始序盤はフランスのボール支配率が圧倒的であったが、次第にその差は縮まり、ベルギーのボール支配率がフランスを上回るようになる。そして先制点をあげたのはベルギーであった。37分にデブライネからのパスを左サイドで受けたカラスコはそのまま持ち込み、パバールをかわしてグラウンダーのシュート、ロリスのセーブは及ばず、ボールはゴールに吸い込まれていった。VARにはなったものの、主審はゴールを確認する。フランスは9月のワールドカップ予選では持ち直したものの、この試合でも先制点を許してしまった。

■追加点を許してハーフタイムを迎えたフランス

 さらに失点の余韻冷めやらぬ41分、今後もデブライネが起点となった。デブライネが右サイドのルカクにパス、ルカクはフェイントを使ってルカ・エルナンデスを抜き去って右足でシュート、ベルギーに追加点を決められた。欧州選手権以降のフランスは先制を許すことが多く、グループリーグ第2戦のハンガリー戦からポルトガル戦、スイス戦、そして9月のワールドカップ予選のボスニア・ヘルツェゴビナ戦、ウクライナ戦と5試合連続で相手が先にゴールネットを揺らしたが、追加点を許したことはない。そしてこの5試合はすべて引き分け以上の成績(スイス戦はPK戦で敗退)を残している。
 フランスが2点を先行されたのは昨年11月11日にスタッド・ド・フランスで行われたフィンランド戦以来のこととなる。もっともこの試合は親善試合ということであまり参考にならないかもしれない。タイトルマッチに限定すると2019年6月8日の欧州選手権予選のトルコ戦までさかのぼらなくてはならない。トルコのコンヤで行われた試合、勝ち点で首位に並ぶチーム同士の戦いであったが、フランスは前半に2点を奪われ、そのまま0-2で敗れたのである。
 フランスは2点リードされてハーフタイムを迎えたのである。(続く)

このページのTOPへ