第3028回 思わぬ結果となったUEFAネーションズリーグ(4) クロアチアとは引き分け、2試合で勝ち点1

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■クロアチア-オーストリア戦も波乱、オーストリアが3-0と勝利

 UEFAネーションズリーグ、ディフェンディングチャンピオンのフランスがホームでデンマークに逆転負けするという波乱のスタートとなったが、同じグループA1のもう1試合も予想外の結果となった。前回のワールドカップ準優勝国にして第3シードのクロアチアが、第4シードのオーストリアに0-3と完敗した。オーストリアはレアル・マドリッド(スペイン)の一員として欧州チャンピオンになった主力のダビド・アラバが休養のためにメンバーから外れていたが、クロアチアはまさかの大敗となった。

■若手中心の4バックシステムでクロアチア戦に臨むフランス

 第1戦で足元をすくわれて黒星スタートとなったクロアチアとフランスが第2戦で対戦する。第1戦は父親の葬儀のためにチームも離れていたディディエ・デシャン監督も合流し、試合の前日にクロアチアのスプリト入りする。
 フランスは短期間に4試合を行うこのUEFAネーションズリーグの6月上旬の戦いを仮想ワールドカップとみなし、チームマネジメントしている。フランスはこのクロアチア戦では久しぶりに4バックを採用する。メンバーはGKはマイク・メニャン、DFは右からバンジャマン・パバール、ウィリアン・サリバ、プレスネル・キンペンベ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置に2人、右にマテオ・ゲンドウジ、左にオーレリアン・チュアメニ、高い位置に3人、右からムサ・ディアビ、クリストファー・ヌクンク、アドリアン・ラビオ、そしてFWは1トップのウィッサム・ベン・イェデルという陣容である。
 デンマーク戦に続いて先発したのはチュアメニ1人であり、主将はキンペンベが務めた。若い選手が中心となったが、この世代の選手の特徴としてパリならびにその近郊の出身が多いということになる。そしてメニャン、キンペンベ、ゲンドウジ、ラビオ、ヌクンク、ディアビの6人はパリサンジェルマンの下部組織育ちである。

■ベストメンバーを揃えたクロアチア

 一方のクロアチアは2試合続けてのホームゲームとなったが、第1戦のオーストリア戦はオジェックで行なわれ、スプリトに移動して気分を変えたい。また、ルカ・モドリッチは所属するレアル・マドリッド(スペイン)の一員として5回目の欧州チャンピオンに輝いたため、リカバリーのためデンマーク戦は欠場したが、フランス戦から戦線復帰となった。モドリッチ以外にGKのドミニク・リバコビッチ、DFのドマゴイ・ベダ、ボルナ・バリシッチなども加わり、若手中心のフランスに対し、ベストメンバーと言える陣容となった。

■パリサンジェルマン育ちが活躍したフランスが先制、終盤にクロアチアが追いつく

 試合はほぼ互角の展開で進行したが、フランスがやや積極的にゴールを狙う。デンマーク戦で負傷したキリアン・ムバッペに代わって出場したヌクンクはこの日も好調、かつてのパリサンジェルマンでのチームメイトのディアビからのパスを受け、31分のゴールはオフサイドで取り消されたが、39分にもディアビとのコンビでシュート、これはクロアチアGKの好セーブにあう。
 後半になって先制点を入れたのはフランスであった。若いチームにあって31歳と年長のCFベン・イェデルは170センチと小柄であり、トップに待っていて得点を入れるだけが存在意義ではない。中盤まで戻って他のプレーヤーにもボールを供給する。この時は前線に上がってきたラビオにラストパス、ラビオはGKと一対一になり、左足でニアポストにシュートを決めた。このゴールの直後、今シリーズで唯一の新人、ブバカル・カマラがチュアメニに代わってピッチに入ってフランス代表にデビューし、セネガルに別れを告げた。
 ホームで2連敗は許されないと、ここからクロアチアの反撃が始まる。70分にはモドリッチのミドルシュートがキンペンベに当たってコースが変わったがメニャンが好セーブを見せる。そして80分、クロアチアのアンドレイ・クラマリッチがジョナタン・クロースに倒されるが、直前のプレーがオフサイドではないかと、VARとなる。結局、主審はPKを指示、クラマリッチが冷静に決めて、クロアチアが追いついた。
 試合はこのまま終了、4年前にワールドカップ決勝を戦った両チームは2試合でまだ勝ち点を1しかあげることができないのである。(続く)

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