第389回 チャンピオンズリーグ秋の戦い (2) 息を吹き返したパリサンジェルマン

■フランスで唯一欧州カップを獲得したパリサンジェルマン

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグの第2節と第3節で連勝してグループリーグを首位で折り返したモナコとリヨンを紹介したが、もう一つフランスから参戦しているパリサンジェルマンを忘れてはならない。昨季リーグ2位に入り、ファンの期待も高まるパリサンジェルマンはフランスのクラブで唯一欧州カップを獲得したチームである。パリサンジェルマンは1996年のカップウィナーズカップを獲得、1993年の欧州チャンピオンズリーグの決勝を制したマルセイユは八百長疑惑によりタイトルを剥奪されている。

■大幅なメンバー入れ替えが裏目、初勝利は第8節

 リーグ2位、リーグカップ優勝と言う成績で迎えた今シーズンのパリサンジェルマンは戦力を大幅に入れ替えた。昨年度主将フレデリック・デウー(マルセイユ)、アルゼンチン代表のガブリエル・ハインツ(マンチェスター・ユナイテッド)とパアブロ・ソラン(クルゼイロ)のコンビなどのメンバーを放出した。そして新たにモナコからジェローム・ロタンを、ナントからシルバン・アルマン、マリオ・イエプスを迎えて、新生パリサンジェルマンとしての期待は高まった。しかしながら、8月7日の開幕戦でレンヌにアウエーで1-2と敗れてから全くいいところがなく最初の2月が経ってしまった。第2節のホームでのカーン戦は2-2のドロー、第3節はアウエーでトゥールーズに敗れ、第4節はサンテエチエンヌとホームで引き分け、初勝利は遠い。第5節はアウエーゲームではあるが1部に初昇格したイストルが相手でも引き分けてしまう。ようやく初勝利をあげたのは9月25日の第8節のストラスブール戦という有様であった。

■チャンピオンズリーグでも連敗スタート、強敵ポルトを迎える

 チャンピオンズカップでは不振の国内リーグからは想像もつかない大活躍、と言いたいところであるが、リーグ同様に不振の2か月を送ってしまった。9月14日の第1節、この段階でパリサンジェルマンは国内リーグでも未勝利で、今季公式戦初勝利をチェルシー相手にあげるかと期待されたが、パルク・デ・プランスで0-3と言う歴史的大敗。パリジャンを失望させる。そして国内リーグで初勝利をあげた直後には第2節でCSKAモスクワと対戦するため、ロシアへと遠征する。ところが完全に力負けし、0-2とチャンピオンズリーグでは連敗スタートとなってしまい、リヨン、モナコに遅れを取る。
 そして、モスクワでの敗戦の直後にはコルス島への遠征、バスティアと対戦し、2-1と逆転勝ちしてようやくアウエーでの初勝利となる。リーグで2勝しても、順位表の下位をさまよっているパリサンジェルマンの第3節と第4節の相手はポルトガルのポルトである。ポルトは初戦をホームでCSKAモスクワとスコアレスドロー、そして第2節ではアウエーでチェルシーに完敗と2試合消化した時点で勝ち点わずかに1と不本意な立ち上がりである。しかし、ポルトは第1シードで昨季の欧州チャンピオンである。また、直前の17日にはリーグ戦で首位のベンフィカを破り、好調そのもの。さらにパルク・デ・プランスにはパリ在住のポルトガル人が多くつめかけ、パリサンジェルマンに勝機はないと思われた。

■ポルトガル代表パウレタが活躍、初勝利をあげる

 立て直しを狙うパリサンジェルマンはこの試合でポルトガル代表のパウレタを久々に復帰させる。10月のポルトガル代表の試合で活躍したパウレタはポルトの選手に大きな圧力を与える。パウレタにポルト守備陣の神経が集中したところ間隙をぬって、パリサンジェルマンが先制点をあげる。シャルル・エドゥアール・コリドンが見事なゴールをあげる。3試合目にして初ゴールを上げたパリサンジェルマンはその1分後にも本命のパウレタが追加点をあげる。パウレタはワールドカップ予選でも9日のリヒテンシュタイン戦で1ゴール、13日のロシア戦でも先制点をあげる活躍で、10月の国際試合3試合で3得点をあげている。それまでリーグ戦ではわずか1ゴールだったことを考えれば、国際試合男であると言えよう。
 このパウレタの活躍でパリサンジェルマンは息を吹き返した。一方、一昨年はUEFAカップ、昨年はチャンピオンズカップを制し、3季連続で欧州の頂点を狙うポルトは追い込まれてしまったのである。(続く)

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