第429回 トーナメント戦に突入した欧州カップ (3) リールとオセールがベスト8決定戦で対決

■ソショー、ホームでも敗れ、姿を消す

 UEFAカップのベスト16決定戦でのフランス勢の成績は1分2敗、いずれもアウエーの試合であり、敗れた2試合もそのスコアは0-1という僅差であり、3チーム全てがベスト16入りすることも十分可能である。フランス国内での3試合はまず、19時からソショー-オリンピアコス戦、20時45分からオセール-アヤックス戦、21時からリール-バーゼル戦の順に行われた。
 まず先陣を切ったのはソショーであり、オリンピアコスを迎えた。第1戦は0-1の敗戦であり、2点差以上の勝利が必要である。しかし、ゴールは遠く、逆に66分に失点を喫する。残り24分間に3得点する力は残っておらず、あえなく敗退する。

■フランス勢同士の対戦の可能性もある組み合わせ

 そして残りの2試合はソショーの試合のタイムアップと前後してキックオフされたが、注目を集めた。それはUEFAカップの決勝トーナメントの過密日程により、ベスト16決定戦の組み合わせの段階でベスト8決定戦の組み合わせまで決められており、オセール-アヤックス戦の勝者とリール-バーゼル戦の勝者がベスト8決定戦で対戦することになる。つまり、ベスト8決定戦でフランス勢同士の対戦が実現する可能性もあり、15分差でキックオフされたオセールとリールでの試合にフランスのサッカーファンの期待は膨らんだ。

■オセール、終了4分前の劇的ゴールでベスト16入り

 ソショーが敗色濃厚となったころ、オセールでの試合がキックオフされた。オセールもソショー同様、第1戦を0-1で落としているが、この試合はホームアンドアウエーの戦いにふさわしいスリリングな展開となった。ホームのオセールは通常よりもさらに攻撃的な布陣を敷く。一方のオセールは負傷者、病人に加え、悪天候で陸路でのオセール入りと悪い条件が重なる。そして試合はオセールの攻撃的布陣がずばり的中、開始早々からアヤックスゴールを襲う。そして31分にボナバンチュール・カルーが先制点を決める。これでタイスコア、オセールにとっては2点目の欲しいところである。しかし、そのファンを5分後に失望させたのはアヤックスの若武者、弱冠18歳のライアン・バベルの同点ゴールであった。これでアヤックスが優位に立ち、オセールが勝ち抜くには2点が必要になってしまう。前半のうちに勝ち越したかったオセールであるが、1-1のままハーフタイムを迎える。
 後半に入り、オセールは55分にブノワ・シェイルーが勝ち越し点を決める。これで2試合の合計スコアで並んだオセールであるが、これでは足りない。このままではアウエーゴール2倍ルールでアヤックスに軍配が上がってしまう。オセールは攻勢を強めるが、なかなかアヤックスのゴールネットを揺らすことができない。アベ・デシャン競技場に敗色が濃厚となった86分、オセールに待望の3点目が生まれた。途中出場したばかりのリオネル・マチスがCKをヘッドでたたきこむ。これでオセールの2試合合計のスコアは3-2となる。オセールはアヤックスとの2試合180分間の戦いでリードしていた時間はわずか4分間であったが、ベスト8決定戦に駒を進めたのである。

■リール、ホームで順当勝ちし、オセールと対戦

 そして、インタートトカップからの勝ち抜き組であり、国内のリーグでも首位リヨンを追う好調なリールはバーゼルを迎えた。雪のバーゼルでの試合をスコアレスドローで乗り切ったリールはホームで勝てばクラブ史上初の欧州ベスト16入りとなる。前週末のリーグ戦でメッスと引き分け、マルセイユに抜かれて3位に落ちたリールにとってバーゼル戦で勝って調子を取り戻したいところである。バーゼルの試合同様厳しい寒さの中で行われた試合であったが、競技場に集まった地元ファンに、その寒さを忘れさせるような試合展開となった。前半37分にマット・ムシルーが先制点、そして後半に入り78分にミレンコ・アシモビッチがPKで追加点をあげ、リールは2試合合計スコア2-0でベスト8決定戦に進出する。
 UEFAカップのベスト16決定戦に進出したフランス勢3チームのうち、ソショーは脱落したが、勝ち残ったオセールとリールはベスト8決定戦で対戦することになったのである。(続く)

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