第496回 決勝トーナメント目指すUEFAカップ(1) 5チーム1回戦突破

■本戦1回戦から登場するフランス勢6チーム

 チャンピオンズリーグについて前回までの本連載では紹介してきたが、もう一つの欧州カップであるUEFAカップも決勝トーナメント目指した戦いが終盤を迎えている。UEFAカップについては昨季からUEFAカップの大会形式が大きく変わり、今季も昨季同様の大会形式を踏襲しているが、複雑を極めているといっても過言ではない。まず、7月14日と28日に予備戦1回戦25試合が行われ、8月11日と25日にはこれらの勝者25チームに新たに35チームが加わり予備戦2回戦30試合が行われる。なお、これらの予備戦に出場するのは中堅以下の国のチームであり、フランス勢は本戦の1回戦から出場することになる。本連載第471回と第472回でフランスから出場権を得たチームを紹介した。チャンピオンズリーグの予備戦で敗れたモナコ、フランスカップ勝者のオセール、リーグカップの勝者ストラスブール、リーグ4位のレンヌ、そしてインタートトカップを勝ち抜いたランスとマルセイユという6チームが出場することになった。

■1回戦の次はグループリーグ

 本戦は予備戦を勝ち抜いた30チームに加え、各国からはカップ戦、リーグカップ戦勝者、リーグ上位チームなど28チーム、そしてインタートトカップを勝ち抜いた3チーム、フェアプレー枠で選ばれた3チーム、さらにチャンピオンズリーグの予備戦3回戦で敗れた16チームを加え、80チームが出場する1回戦から始まる。
  9月15日と29日にホームアンドアウエー方式で1回戦40試合を行い、勝者40チームが5チームずつの8グループに分かれ、総当り方式のグループリーグを行う。このグループリーグはホームアンドアウエー方式ではなく、どちらかの本拠地で1試合のみ行う。このリーグ戦での上位3チーム、すなわち24チームが決勝トーナメントに進出する。また、同時期に行われてきたチャンピオンズリーグのグループリーグの3位チーム8チームもUEFAカップの決勝トーナメントに進出し、あわせて32チームが年明けからホームアンドアウエー方式のノックダウン方式の戦いに挑むことになる。

■過密日程の中で行われる決勝トーナメント

 決勝トーナメントはベスト16決定戦が2月15日と23日、ベスト8決定戦が3月9日と16日、準々決勝が3月30日と4月6日、準決勝が4月20日と27日にそれぞれホームアンドアウエー方式で行われる。そして、決勝戦は1回戦制で行われ、今季は5月10日にアイントホーヘンのフィリップス競技場で行われる。
  このようにホームアンドアウエーのノックダウン方式を中心としながら、変則的なグループリーグもある。さらに年明けの決勝トーナメントは準決勝までに中1週間の戦いが4回続き、国内のリーグ戦、カップ戦が佳境を迎える時期の過密スケジュールでの戦いとなる。
  また、チャンピオンズリーグの予備戦やグループリーグの敗者が転戦してくるなど、チャンピオンズリーグの下位のタイトルという色彩が強いが、チャンピオンズリーグ崩れのチームでモチベーションの下がったビッグクラブと、欧州で一旗上げようと士気高揚している国内では中堅クラスのチームが対戦する場面も少なくない。

■オセール以外の5チームはグループリーグへ

 フランス勢の1回戦であるが、順当な成績を収めて6チーム中5チームがグループリーグに進出した。モナコはオランダのビレムIIにホームで2-0、アウエーで3-1と軽く連勝、チャンピオンズリーグ組の実力を見せた。ストラスブールはオーストリアのグラッツアーにアウエーで2-0、ホームで5-0と連勝する。レンヌはスペインのオサスナ相手にホームで3-1と先勝し、アウエーでは相手に得点を許さずスコアレスドロー、手堅く1回戦を突破する。
  苦戦したのがランスとマルセイユというインタートト組である。ランスはポーランドのグロツリン・グロジスクを迎え、先制点を奪いながらその1分後に同点ゴールを許し、ホームで1-1というスコアで、アウエーの第2戦に臨む。第2戦では前半に2点を入れ、後半は点の取り合いとなったが4-2で勝利して駒を進めた。マルセイユはさらに苦戦し、ベルギーのGBアントワープとアウエーでスコアレスドロー、第2戦のベロドロームの試合は90分終わっても両チーム無得点、延長でも決着がつかず、PK戦でマルセイユは幸運を拾う。
  そして唯一フランス勢でこの段階で姿を消したのがフランスカップの勝者オセールであり、ブルガリアのレフスキ・ソフィア相手にホームの第1戦は2-1、アウエーの第2戦は0-1となり、アウエーゴール2倍ルールで姿を消してしまったのである。(続く)

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