第498回 決勝トーナメント目指すUEFAカップ(3) 最終節にかけるモナコとランス

■三者三様となったモナコ、ランス、レンヌ

 前回の本連載では第3節で早々と決勝トーナメント進出を決めたストラスブールとマルセイユを紹介したが、今回はそれ以外のモナコ、ランス、レンヌの戦いを紹介しよう。実はこの3チームは、いずれもグループリーグの第1節では敗れているが、その後の足取りは三者三様である。

■首位で最終節を迎えたモナコ

 まず、グループAのモナコ、昨年5月のチャンピオンズリーグ決勝に進出したチームであるが、今季はチャンピオンズリーグ予備戦で敗れて失意のUEFAカップ出場である。そのせいか、10月20日のグループリーグ初戦ではアウエーの試合とはいえ、黒星スタートとなった。ノルウェーのバイキングFKに0-1と敗れてしまう。5チームによるリーグ戦のため第2節は試合がなく、第3節は11月24日にドイツのハンブルガーSVを迎え撃つ。ハンブルガーSVは第1節と第2節は連勝しており、日本の高原直泰をベンチスタートさせるという余裕を見せる。連敗は許されないモナコは意地を見せる。前半終了間際にワールドカップ出場を決めたトーゴ代表のエマニュエル・アデバヨルが先制点、さらに試合終了間際のロスタイムに入った92分には途中から交代出場したオリビエ・ベイニュオーが貴重な追加点、本拠地ルイ二世競技場で初勝利を上げたのである。
 6日後の11月30日に行われた第4節もモナコの勢いは止まらない。チェコのプラハで行われたスラビア・プラハ戦でトワフィル・マウリダが前後半1点ずつ得点を挙げ、2-0と連勝する。この結果、12月15日の最終節を控えた段階で、モナコは勝ち点6で首位に立ち、同勝ち点のハンブルガーSVを得失点差で上回っている。最終節でモナコはCSKAソフィアをホームに迎えるが、この試合で大敗し、ハンブルガーSVが本拠地でスラビア・プラハに負けるということがない限り、モナコは決勝トーナメントに進出する。

■大敗スタートから盛り返したランス

 グループCのランスは第1節で大敗を喫している。ランスの初戦の相手はルーマニアのステアウア・ブカレスト、チャンピオンズカップ時代に優勝経験もあり、日本の皆様はよくご存知のチームであろう。この強豪相手にランスは前半から失点を重ねる。前半3失点、後半1失点、さらにランスは無得点と、アウエーゲームではありながら0-4というスコアで初戦を落としてしまう。
 しかし、その2週間後の11月3日、ランスは地元フェリックス・ボラールで見違えるような戦いを展開する。スウェーデンのハルムスタッド相手にダニエル・クーザンが16分、23分、そして後半開始早々の46分に立て続けにゴールを決めてハットトリックを達成する。さらにパトリック・バルルとヨハン・ラショールが追加点を上げて、ランスは第1節の屈辱を晴らす5-0と言うスコアで勝利したのである。第3節はベルリンでヘルタ・ベルリンと対戦する。前節の殊勲者クーザンをベンチに置くランスは得点することができない。一方、ヘルタ・ベルリンも無得点が続く。試合終盤にランスはクーザンを投入するがすでに時遅し。結局料チーム無得点のまま、試合は終了する。第3節を終了した時点で、ランス、ステアウア・ブカレスト、ヘルタ・ベルリン、サンプドリア(イタリア)の4チームが勝ち点4で並び、ハルムスタッドは勝ち点0で4強1弱となった。第4節はランスは試合がなく、ステアウア・ブカレストがハルムスタッドに勝って勝ち点を7に伸ばし、サンプドリアとヘルタ・ベルリンは引き分けて勝ち点を1上積みする。ランスは4位になったが、最終節ではホームでサンプドリアと対戦する。この試合で勝てば3位以内を確定できる。

■無得点3連敗で夢破れたレンヌ

 最後に紹介するグループGのレンヌは不本意なグループリーグとなった。第1節はホームでシュツットガルトに0-2と敗れる。第2節はブカレストでラピッド・ブカレストに0-2と連敗する。第3節は試合がなく、第4節を迎える。第4節はウクライナのシャフタール・ドネツクとホームでの戦い。地元の試合でも元気なく0-1と敗れてしまい、3連敗したレンヌの夢はここで終わってしまう。レンヌはギリシャのPAOKとアウエーで0対戦するが、少なくとも初ゴールを見たいものである。(この項、終わり)

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