第614回 2006-07チャンピオンズリーグ開幕(3) ボルドー、リール、アウエーで勝ち点1獲得

■2強2弱となったボルドーのグループC

 チャンピオンズリーグのグループリーグで欧州カップ獲得経験チームばかりのグループに入ってしまったフランス勢、最初に登場するのはグループCのボルドーである。9月12日に初戦を迎えるボルドーの相手はガラタサライ(トルコ)である。このグループCは第1シードのリバプール(イングランド)、第2シードのPSVアイントホーヘン(オランダ)と、近年のチャンピオンズリーグで実績を残しているチームが控えている。一方のガラタサライは3年ぶり、ボルドーは8年ぶりのチャンピオンズリーグ参戦である。久々のチャンピオンズリーグとなる両チームにとってはまず勝ち点3を取りたいとお互いに思っているであろう。

■スター選手の入団で本拠地以外で試合を行ったガラタサライ

 ボルドーは昨季リーグ2位、ガラタサライは昨季リーグ優勝という成績でこのチャンピオンズリーグに臨むが、今季の両チームの成績はリーグ上位に入るものの、首位争いに加わっているわけではなく、このチャンピオンズリーグで弾みをつけたいところである。特にガラタサライはプレミアリーグで活躍した稲本潤一を補強し、ワールドカップ出場選手としては欧州で有数の移籍劇となった。また、このスター選手の獲得をうけてガラタサラはチャンピオンズリーグを本来の本拠地であるアリ・サミ・イエン競技場ではなく、アタチュルク競技場に移して戦うことになった。アリ・サミ・イエン競技場は2万4000人しか収容できないが、アタチュルク競技場は8万人を収容することができるからである。近年、このようにチャンピオンズリーグで本来の本拠地以外でホームゲームを行うケースが散見される。これはチャンピオンズリーグが大きなビジネスチャンスであることを象徴しているが、現地での評判はどうなのであろうか。
 ガラタサライ有利と言う前評判であり、試合はその通りガラタサライが支配したものの、ゴールが遠く、試合はスコアレスドローに終わる。アウエーのボルドーにとっては悪くない結果になったが、移籍してきたスター選手の人気に対応するために、試合会場を変えてまでして戦ったガラタサライにとっては痛恨のスタートとなったのである。

■昨季はグループリーグで敗退したリールとアンデルレヒト

 フランス勢で第2シードになったリヨンとリールはいずれも9月13日に第1戦を迎えた。リールはグループHでアンデルレヒト(ベルギー)とアウエーで対戦する。両チームとも昨年に続くチャンピオンズリーグの本大会出場となるが、昨季のグループリーグの成績を振り返ると、アンデルレヒトは1勝5敗で最下位、リールは1勝3分2敗で3位と言う成績で敗退し、両チームとも6試合でわずかに1得点と言う結果であった。アンデルレヒトと言えば日本の皆様はベルギー、フランス、日本で活躍したピエール・イブ・カルパンティエを懐かしく思い出されることであろう。フランスとベルギーは国境を接しているが、これまでのチャンピオンズリーグでフランスのチームがベルギーの地で勝利したことがないばかりが、得点を挙げたこともない。このようにフランス勢が苦手としているベルギーでの試合であるが、リールはベルギー国境近くのチームでその歴史を変えてくれるかもしれないとフランスのファンは期待した。

■青年監督クロード・ピュエルの采配さえ、ドローに持ち込んだリール

 試合はリールが試合開始のキックオフからシュートを試みると言う積極的な姿勢を見せたが、先制したのはアンデルレヒトであり、前半終盤にリードを奪う。後半に入ってもゴールネットが揺れることはなく、このまま歴史は継続されるのかと思った83分、代表経験はないものの青年監督として評価の高いクロード・ピュエル監督の采配がさえる。交代出場したニコラ・フォーベルゲがリールのゴールを記録し、リールはアウエーで引き分けに持ち込んだのである。昨季は初戦のベンフィカ戦で勝ち点をあげることができず、決勝トーナメントに進出することができなかったリールであるが、今年は勝ち点1を獲得してスタートを切ることになったのである。(続く)

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