第926回 UEFAカップ、決勝トーナメントへの道(1) サンテエチエンヌ、連勝でスタート

■パリサンジェルマン、ナンシー、サンテエチエンヌがグループリーグに

 前回までの本連載ではフランスカップのベスト32決定戦について紹介し、その中でUEFAカップの決勝トーナメントに進出しているチームがマルセイユ、ボルドー、パリサンジェルマン、サンテエチエンヌの4チームであることを紹介した。この4チームのうち、マルセイユとボルドーはチャンピオンズリーグのグループリーグで3位にとどまり、UEFAカップに転戦してきたことを紹介したが、UEFAカップのグループリーグについては紹介しておらず、読者の方からも問い合わせがあったので、今回からUEFAカップのグループリーグについて紹介しよう。
 まず、今季のUEFAカップは最後の大会となることを、本連載第895回から第897回で紹介したが、フランスからはリーグ上位やタイトル獲得をしたパリサンジェルマン、ナンシー、サンテエチエンヌに加え、インタートトを勝ち抜いたレンヌの4チームが本戦に出場している。まずホームアンドアウエーの1回戦を戦い、パリサンジェルマンはカイセルスポル(トルコ)に1勝1分、ナンシーはマザーウェル(スコットランド)に連勝、サンテエチエンヌもハポエル・テルアビブ(イスラエル)に連勝して勝ち抜いたが、レンヌだけがトウェンテ(オランダ)に1勝1敗となったが、アウエーゴール2倍ルールで敗退した。

■フランス勢3チームの試合日程

 1回戦を勝ち抜いたチームは5チームずつの1回戦総当りのグループリーグを戦った。パリサンジェルマンはグループAに入り、第1節はアウエーでシャルケ04(ドイツ)、第2節は試合がなく、第3節はホームでラシン・サンタンドール(スペイン)、第4節はアウエーでマンチェスター・シティ(イングランド)、第5節はホームでトウェンテという組み合わせになった。
 サンテエチエンヌはグループGに入り、第1節はアウエーでFCコペンハーゲン(デンマーク)、第2節はホームでローゼンボリ(ノルウェー)、第3節はアウエーでFCブルージュ(ベルギー)、第4節は試合がなく、はアウエーでマンチェスター・シティ、第5節はホームでバレンシア(スペイン)と戦う。
 ナンシーはグループHに入り、第1節はホームでフェイエノールト(オランダ)、第2節はアウエーでレッチェ・ポズナム(ノルウェー)、第3節は試合がなく、第4節はホームでCSKAモスクワ(ロシア)、第5節はアウエーでデポルティーボ・コローニャ(スペイン)と戦う。

■26年ぶりの出場のサンテエチエンヌ、敵地で圧勝

 この中でもっとも順調だったのが緑の軍団サンテエチエンヌである。リーグ最多優勝記録を誇り、1970年代まではフランスを代表するクラブであったサンテエチエンヌは1980年代以降は低迷し、2部陥落と言う辛い時代も経験した。2004年に1部に復帰してからは1部に定着し、昨季はリーグ5位になり、今季は26年ぶりに欧州カップへの出場権を得た。この間、インタートトカップには2回出場しているが、いずれもUEFAカップ出場には至っていない。
 かつては欧州を席巻した緑の軍団の26年ぶりの欧州カップは、コペンハーゲンで始まった。相手のFCコペンハーゲンは昨年もUEFAカップに出場し、ランスを下している。開始早々の2分にバフェタンビ・ゴミがヘディングで先制点を奪う。そして37分には主将のロイック・ペランが追加点を上げて、2-0とリードして前半を折り返す。一方のFCコペンハーゲンはペナルティエリア内での反則で得たPKを59分に決めて、1点を返すが、サンテエチエンヌは65分にディミトリ・ペイエがゴールを上げて突き放す。サンテエチエンヌは敵地で貴重な勝ち点3を奪ったのである。

■ローゼンボリも倒し、UEFAカップ4連勝

 続く第2節は11月6日、急勾配で有名なジョフロワ・ギシャール競技場で行われた。サンテエチエンヌはリーグ戦では不振で、4連敗中であった。ローゼンボリも欧州カップの常連チームであるが、この日のサンテエチエンヌは違った。前半こそ無得点であったが、後半にブラジル人のイラン、ポルトガル人のパウロ・マチャド、ベルギー代表のケビン・ミララスがゴールを決め、3-0と勝利する。UEFAカップでは4連勝となる。
 第2節を終了した段階でグループHは、サンテエチエンヌが勝ち点6、それ以外の4チームは勝ち点1ずつで並んだ。サンテエチエンヌは圧倒的なリードを奪い、早々に決勝トーナメントをほぼ手中に収めたのである。

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