第1067回 2009-10欧州カップ決勝トーナメント (1) 1回戦組み合わせ決定

■フランスから4チームが決勝トーナメントに進出

 フランスのサッカーファンにとって、1月はリーグ戦、フランスカップ、リーグカップと国内タイトルを争う1か月間であった。フランス国内で国際試合がないことから、前回まで紹介したアフリカ選手権に関心を持つと言うことも考えられるであろう。
 その国際試合から遠ざかったフランスのファンにめぐってきた国際試合が、欧州カップの決勝トーナメントである。16チームで争われるチャンピオンズリーグ、そして32チームで争われるヨーロッパリーグともに2月16日から熱戦の火蓋が切って落とされた。
 フランスからはチャンピオンズリーグにはボルドーとリヨン、UEFAカップにはリールとマルセイユが出場することはこれまでの本連載で紹介してきたとおりである。

■過密スケジュールのボルドーには福音となった日程変更

 今年はこのチャンピオンズリーグの決勝トーナメントの日程面で変更があった。昨年までは第1戦を行った翌週あるいは翌々週に第2戦が行われていたが、クラブによっては過密日程になるため、1回戦の期間を4週間にし、第1週あるいは第2週に第1戦、第3週あるいは第4週に第2戦を行うようになった。これはリーグ戦以外のカップ戦などの試合も行われるため、それらの試合と日程面で重なり合わないようにするためのものである。
 今回の変更はボルドーにとっては福音となった。ボルドーはリーグ戦を首位で走っているが、フランスカップ、リーグカップも順調に勝ち進んでいる。フランスカップは1月に行われたベスト32決定戦とベスト16決定戦を突破する。また、リーグカップも1月末のベスト8決定戦から参戦したが、ルマンとの初戦を突破し、2月2日に行われた準々決勝ではスダンを1-0と下している。この結果、ボルドーの2月中旬は過密スケジュールとなり、10日にフランスカップのベスト8決定戦(ホームでモナコ戦)、14日にフランスリーグ第24節(ホームのサンテエチエンヌ戦)、17日にリーグカップ準決勝(アウエーのロリアン戦)、20日にフランスリーグ第25節(ホームのオセール戦)と11日間に4試合を行うと言う過密スケジュールである。
 ボルドーは決勝トーナメント1回戦を第2週の2月23日に行うことになり、ギリシャのオリンピアコスと対戦する。

■レアル・マドリッドと対戦するリヨン

 フランス勢として最初に欧州カップの決勝トーナメントに臨むのはリヨンであり、2月16日に登場する。リヨンは本連載第1042回で紹介したとおり、グループリーグでは首位をフィオレンチーナ(イタリア)に譲り、2位に終わっている。グループ2位で決勝トーナメントに進出した場合、1回戦ではグループリーグを首位で突破したチームと対戦しなくてはならず、さらに第2戦をアウエーで戦わなくてはならない。昨年秋のワールドカップ予選のプレーオフのフランス-アイルランド戦でもフランスは第2戦をホームで戦ったが、この試合順が逆で第1戦をフランス、第2戦をアイルランドで行っていた場合、南アフリカ行きのチケットの行方は異なっていたかもしれない。
 抽選の結果、リヨンの1回戦の相手はスペインのレアル・マドリッドになった。近年はスペイン国内のライバルであるバルセロナに盟主の座を譲っているが、手ごわい相手であることに間違いはない。グループリーグではACミラン(イタリア)、マルセイユを押さえて主になっており、久々の欧州王者への意欲は高い。
 リヨンにとってはグループリーグの最終戦で思い通りのゴールラッシュを成功させながら、フィオレンチーナがロスタイムにリバプール(イングランド)であげた決勝点で、グループ1位を逃し、重い1回戦になった。

■マルセイユ-FCコペンハーゲン、リール-フェネルバフチェ

 そしてヨーロッパカップであるが、第1戦は2月18日、第2戦は25日に行われる。チャンピオンズリーグのような措置が取られなかったのは、決勝までの試合数が多いこと、チームの力がやや落ちることから過密スケジュールにならないと言う判断であろう。
 マルセイユはチャンピオンズリーグから転戦してきた8チームのうち、グループリーグでの成績がよい上位4チームに入ったためシード権を得る。そしてリールがグループリーグでは2位だったためシード権を得られなかった。マルセイユはFCコペンハーゲン(デンマーク)、リールはフェネルバフチェ(トルコ)とそれぞれ対戦するのである。(続く)

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