第1047回 生まれ変わったヨーロッパリーグ (2) 最終戦で明暗、笑顔のリール、涙のトゥールーズ

■グループリーグがホームアンドアウエーに

 今年から始まったヨーロッパカップには、シーズン開幕の段階で3つのフランス勢が出場し、トゥールーズとリールがプレーオフを勝ち抜いてグループリーグに進出した。昨年までのUEFAカップはこのグループリーグがホームアンドアウエー方式ではなく、いずれかのチームのホームゲームしか行われていなかった。不完全なリーグ戦方式であり、くじ運の当たり外れが存在した。したがって、ホームアンドアウエー方式になったことは大きな進歩であろう。

■元欧州王者が目白押しのグループリーグ

 4チームずつの12のグループに分かれてグループリーグが行われるが、強敵と目されるのはチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れてヨーロッパリーグに転戦してきた10チームである。この中にはリヨンに敗れたアンデルレヒト(ベルギー)も含まれているが、ギリシャのパナシナイコス、ポルトガルのスポルティング・リスボンなどが含まれている。
 それ以外にはアヤックス・アムステルダム(オランダ)、ハンブルガーSV(ドイツ)、ベルダー・ブレーメン(ドイツ)、ベンフィカ(ポルトガル)、ステアウア・ブカレスト(ルーマニア)、PSVアイントホーヘン(オランダ)、ASローマ(イタリア)、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)、セルチック・グラスゴー(スコットランド)などこれまでに欧州カップを制覇したチームも名を連ねている。
 48チームはUEFAの定めたポイントで4つのシードに分けられ、リールは第2シード、トゥールーズは第4シードに振り分けられた。組み合わせ抽選の結果、リールはバレンシア(スペイン)、ジェノバ(イタリア)、スラビア・プラハ(チェコ)とともにグループB、トゥールーズはシャフタール・ドネツク、クラブ・ブルージュ(ベルギー)、パルチザン・ベオグラード(セルビア)とともにグループJに入った。

■最終戦の勝利でリールは決勝トーナメントへ

 まず、リールは第1節で強豪のバレンシア(スペイン)をホームに迎える。78分に先制されたリールであるが残り4分というところでジェルビーニョが同点ゴール、国内リーグでのもたつきとは逆に欧州では今季無敗を守る。第2節ではスラビア・プラハにアウエーで5-1、第3節もジェノバにホームで3-0と連続して大勝し、首位で折り返す。第4節は敵地でジェノバに2点のリードを許しながら追いついたものの、ロスタイムに決勝点を奪われ、今季初めて欧州での黒星となる。そして第5節ではバレンシアに敗れ、首位を明け渡す。
 グループBは最終節を迎える段階でスラビア・プラハの脱落が決まっただけで、どこのチームも決勝トーナメントのチケットを手にしていなかった。最終節は勝ち点9で首位のバレンシアと勝ち点7のジェノバが直接対決、そして勝ち点7のリールは敗退の決まったスラビア・プラハ戦である。リールはホームで常に先手を取り、3-1と勝利し、決勝トーナメント進出を決める。勝った方が決勝トーナメントというジェノバの試合でロスタイムの95分に決勝点をあげたバレンシアに次いでグループ2位となったのである。

■最終節の直接対決で敗れたトゥールーズ

 かたやトゥールーズは第1節のパルチザン・ベオグラード戦にアウエーで勝利した。ところが、この試合の前日に主将のマウロ・セットが負傷し、長期離脱する。第2節はホームでクラブ・ブルージュとドロー、第3節と第4節はシャフタール・ドネツクに連続して完敗。4連勝となったシャフタール・ドネツクは決勝トーナメント進出を決め、トゥールーズは2位のブルージュと勝ち点3差の3位につける。第5節でトゥールーズはそれまで4連敗のパルチザン・ベオグラードに勝利し、ライバルのクラブ・ブルージュはシャフタール・ドネツクとスコアレスドロー、最終戦はこのライバル同士の直接対決となった。
 12月16日、水の都ブルージュでの対戦、勝ち点で1上回るクラブ・ブルージュは引き分け以上で決勝トーナメント進出となり、トゥールーズは勝利しかない。トゥールーズは立ち上がりから試合を支配するが、得点を奪うことができず、ハーフタイム。後半はクラブ・ブルージュが優勢となり、時計の針は90分を回る。トゥールーズは欧州の夢を3分間と表示されたロスタイムにかける。しかし無情にもクラブ・ブルージュが92分にゴールを決め、トゥールーズの欧州の旅は終わったのである。(この項、終わり)

 本年もご愛読ありがとうございました。年内の連載はこれが最終回です。来年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

このページのTOPへ