第1173回 決勝トーナメントを目指すフランス勢 (2) 前半3連勝のリヨン、決勝トーナメント進出は持越し

■リヨンの中盤戦の相手はベンフィカ

 国内リーグでは不調のリヨンであるが、チャンピオンズリーグではシャルケ04(ドイツ)、ハポエル・テルアビブ(イスラエル)に連勝し、グループBでトップに立ったリヨン、このハポエル・テルアビブ戦勝利が流れを変えたようで、国内リーグでは10月2日のナンシー戦(アウエー)、17日のリール戦(ホーム)と連勝し、リーグ順位を14位まで上げる。チャンピオンズリーグのグループリーグは第3節と第4節は同じ相手と戦い、その試合間隔も2週間と短い。この中盤戦がグループリーグの最終成績に大きく影響する。第1シードのリヨンの中盤戦での対戦相手は第2シードのベンフィカ(ポルトガル)である。
 リヨンとベンフィカの欧州カップでの対戦はこれが初めてであるが、リヨンはこれまでにFCポルトやスポルティング・リスボンというポルトガルのチームと対戦しているが、その対戦成績は芳しいものではない。一方、ベンフィカは本連載の第1077回から第1080回にかけて紹介したとおり、昨季のヨーロッパリーグの2回戦でマルセイユと対戦し、ベンフィカは1勝1分で準々決勝に進出しているようにフランス勢を得意とする。

■ベンフィカに先勝、前半戦3戦全勝したリヨン

 第3節はリヨンの本拠地ジェルラン競技場で10月20日に行われた。この日も活躍したのはミッシェル・バストスであった。いきなりポスト直撃のシュートを放つ。21分にはバストスのクロスをジミー・ブリアンがヘッドで先制点をあげる。ベンフィカは思うような試合ができず、前半終了間際に2枚目のイエローカードを受けた選手がピッチを去り、1人少ない状況で後半を迎える。後半に入っても状況は変わらず、51分の追加点はリヨンの攻撃力を象徴していた。ブリアンがシュートを放つも阻まれるが、ブリアンはそのこぼれ球を拾い、クロスをあげる。このブリアンからのクロスをアルゼンチン代表のリサンドロがシュート、ベンフィカのGKにセーブされたが、そのこぼれ球をリサンドロ自身がゴールに押し込む。2-0と勝利したリヨンはグループリーグ前半戦を3連勝で終えたのである。
 リヨン以外に前半戦を3連勝で終えたのは、グループEのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、グループFのチェルシー(イングランド)、グループGのレアル・マドリッド(スペイン)、グループHのアーセナル(イングランド)の4チームである。

■第4節で勝利すれば決勝トーナメント進出が決まるリヨン

 そして前半戦を終えた段階でグループBの順位を確認すると首位はリヨン(勝ち点9)、2位はシャルケ04(勝ち点6)であり、第1節でリヨンに敗れた後、ベンフィカとハポエル・テルアビブにホームで連勝している。3位はベンフィカで勝ち点3、そしてハポエル・テルアビブは3連敗で勝ち点いまだ0である。第4節でリヨンがベンフィカを下すとリヨンは2位以上を確定し、決勝トーナメント進出を決めることができる。

■猛追も及ばず、3-4で惜敗

 第4節はベンフィカの本拠地ルス競技場に舞台を移して行われる。2週間のインターバルの間にリヨンはリーグ戦2試合、リーグカップ1試合の合計3試合を戦っている。リーグカップではパリサンジェルマンと対戦し、試合を支配し、先制点をあげながら、後半終了3分前に追いつかれ、延長戦で敗れている。リーグ戦では今季2部から昇格してきたアルル・アビニョンとはクラブ史上初めて対戦している。ここまで1分9敗とまだ勝ち星のない最下位のアルル・アビニョンと引き分けてしまっている。ようやく10月30日のホームのソショー戦では勝利し、順位を10位まで上げたが、その3日後にリスボンで試合がある。
 これまでホームゲームでフランス勢相手に負けたことがないベンフィカはリヨンでの試合とは全く違うチームになった。ベンフィカは20分に先制し、前半だけで3ゴールをあげる。後半に入っても67分に追加点をあげ、リードは4点となる。しかしリヨンはここから逆襲する。75分にヨアン・グルクフ、85分にバフェタンビ・ゴミス、そしてロスタイムにデジャン・ロブレンとほぼ10分ごとにゴールをあげるが、サッカーの試合は90分である。グループ初黒星を喫したリヨンは依然首位であるが、決勝トーナメント進出は第5節以降に持ち越されたのである。(続く)

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