第1227回 フランス勢、8強入りならず(2) リヨンは完敗、パリサンジェルマンはパリでドロー

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■6年連続で決勝トーナメント1回戦で敗退したレアル・マドリッド

 フランス勢の先鋒となったマルセイユは敵地オールドトラフォードでマンチェスター・ユナイテッドに敗れ、18季ぶりの準々決勝進出はならず、その翌日に、リヨンがレアル・マドリッド(スペイン)の本拠地、サンチャゴ・ベルナベウに乗り込む。過去の対戦成績で圧倒するリヨンはレアル・マドリッドにとって高い壁となっている。チャンピオンズリーグの前身のチャンピオンズカップの黎明期に欧州を席巻し、2000年前後には「銀河系軍団」と言われ、9回の優勝を誇るレアル・マドリッドが最後に準々決勝を戦ったのは今から7年前の2004年のことであり、6年連続で決勝トーナメント1回戦で姿を消している。
 一方のリヨンは地元で不覚にも1-1と引き分けてしまったが、十分に敵地での勝利あるいは2点以上得点しての引き分けに自信を持っている。これまで3回のマドリッドでの試合はいずれも引き分けである。

■レアル・マドリッドの苦手意識を払いのける2人のキーパーソン

 しかし、今年はレアル・マドリッドがこれまでのリヨンに対する苦手意識を払いのける戦いを見せた。キーパーソンは2人である。まず1人はレアル・マドリッドのジョゼ・モウリーニョ監督である。モウリーニョは今季からレアル・マドリッドの指揮を執っているが、2004年にはポルトガルのFCポルトを率い、チャンピオンズリーグで優勝している。この時はグループリーグでマルセイユを倒し、準々決勝でリヨンを下し、そして決勝でモナコを破り優勝している。同一大会で同国勢に3回勝ったケースはまれであろう。フランス勢に対して苦手意識を全く持っていない指揮官の存在は大きい。
 そしてフィールドの中の選手としてはカリム・ベンゼマの変化である。ベンゼマは本連載でもしばしば紹介している通り、フランス代表としては大活躍しているが、所属チームのレアル・マドリッドでは目立たない存在であった。しかし、古巣リヨンとの第1戦ではジェルラン競技場の満員の観衆の前で先制点をあげている。

■リヨンを圧倒したレアル・マドリッド

 試合開始直後から白いユニフォームがリヨンを圧倒した。リヨンは防戦一方であるが、代表GKのウーゴ・ロリスが獅子奮迅の活躍、得点を許さない。しかし、前半終盤の37分にブラジル代表のマルセロがクリスチャン・ロナウドとパス交換し、最後は見事なシュートを決める。
 この1点でレアル・マドリッドは十分だったが、後半に入ってベンゼマが66分にドリブルシュート、ロリスの股間を抜き2点目、さらにアンヘル・ディマリアがループシュートでダメ押し点、0-3と完敗したリヨンは決勝トーナメント1回戦で姿を消したのである。

■勝ち越し点が奪えなかったパリサンジェルマン

 その翌日はパリでアウエーゲームが行われた。パリに住むポルトガル人が大挙してパルク・デ・プランスに集結、故国のチャンピオンチーム、ベンフィカを応援する。パリサンジェルマンはベテランのクロード・マケレレを起用する。圧倒的な声援を受けた白いユニフォームのベンフィカが、27分にニコラス・ガイタンのゴールでリードする。パリサンジェルマンは3点が必要になり、2点でようやく延長戦となる。攻勢に出たパリサンジェルマンは35分にマチュー・ボドメールの豪快なボレーシュートで追いつき、反撃ののろしを上げる。
 その後もパリサンジェルマンはパリらしい素晴らしい内容の試合を展開する。しかしゴールを奪うことができず、前半をタイスコアで終える。後半はベンフィカがリズムを取り戻し、少なくとも延長戦に持ち込みたいパリサンジェルマンであったが、勝ち越し点はならず、1-1のドロー、2試合通算スコアは2-3で敗退が決まる。
 この瞬間、フランス勢は欧州の舞台からすべて去ってしまった。フランス勢が欧州カップで準々決勝に残ることができなかったのは2007-08シーズン以来3年ぶりのことである。(この項、終わり)

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