第1493回 欧州カップ、グループリーグ終盤戦(7) 後半戦3連勝したボルドーも決勝トーナメントへ

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■最終節を待たずして決勝トーナメント進出の可否が決まったフランス勢

 これまでの本連載ではチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマン、モンペリエ、リール、ヨーロッパリーグに出場したリヨン、マルセイユについて紹介してきた。これら5チームに共通して言えることは最終節を前に決勝トーナメント進出の可否が決まったことである。そして今回紹介するボルドーもまた最終節を待たずして年明けからの決勝トーナメント進出が決まっているがその足取りを紹介しよう。

■格下相手に辛勝したボルドー、決勝トーナメントへ王手

 ヨーロッパリーグのグループリーグDのボルドーは第1節でベルギーのクラブ・ブルージュと対戦、4-0と再際の良いスタートを切ったかに見えた。第2節は苦手イングランドでのニューカッスル・ユナイテッド戦、0-3と大敗し、1勝1敗の五分の成績に戻ってしまった。そして第3節はこのグループ内では格下と目されるポルトガルのマリティモと対戦した。アウエーゲームであったとはいえボルドーは先制しながら追いつかれ、結局勝ち点1しか上積みできず、前半戦を2位で折り返している。前回の本連載ではこの段階の国内リーグはパリサンジェルマンが首位で、試合数が1つ少ないマルセイユとリヨンが追走していると紹介したが、ボルドーも7位とはいえ、首位パリサンジェルマンとは勝ち点4の差であり、十分に国内タイトルも射程距離にある。
 ボルドーは、第5節のクラブ・ブルージュ戦、第6節のニューカッスル・ユナイテッド戦が控えており、第4節のホームでのマリティモ戦は快勝して残り2試合を戦いたいところである。本拠地シャバンデルマスはわずか1万3000人の観衆とさびしいスタンド風景である。試合そのものも低調であり、シュート数は両チームとも3本ずつ、見せ場の少ない試合となったが、この試合唯一の得点をあげたのはボルドーのダビッド・ベリオン、なんと公式戦では2年ぶりのゴールとなった。このベリオンが16分にあげたゴールが決勝点となり、ボルドーは勝ち点3を加える。もう1試合のクラブ・ブルージュとニューカッスル・ユナイテッドの試合が引き分けに終わったため、ボルドーは順位は2位のままであるが、首位のニューカッスル・ユナイテッドとは勝ち点1差、3位のクラブ・ブルージュとは勝ち点3差となり、第5節のクラブ・ブルージュ戦で引き分ければ決勝トーナメント出場が確定する。

■ジュシエの2ゴールでクラブ・ブルージュに勝利

 そのボルドーの第5節は11月22日、ベルギーの水の都ブルージュで行われた。ボルドーは辛勝とはいえマリティモ戦の勝利はチームを勢いづけ、その後リーグ戦ではロリアン、マルセイユに連勝、国内リーグではマルセイユ、パリサンジェルマンを抜き、首位リヨンに勝ち点1差の2位である。
 ボルドーは試合開始早々の3分に右からのクロスでつかんだチャンス、ブラジル人のジュシエが先制ゴールをたたき込む。さらに40分にもロングボールから得たチャンスをジュシエがこの日2点目を決める。いずれもクラブ・ブルージュの守備陣がボール処理をもたつくミスに付け込んだもので、試合巧者ぶりを発揮する。
 後半に入ってもボルドーは安定した試合展開で時計の針は刻一刻と過ぎていく。86分にクラブ・ブルージュが1点返し、ロスタイムは4分、しかしながらボルドーはリードを守りきり、2-1で勝利する。

■欧州カップのグループリーグで安定した成績を残すボルドー

 ボルドーは最終節を前にヨーロッパリーグの決勝トーナメント進出を決める。ボルドーは欧州カップのグループリーグでは滅法強く、グループリーグが導入された大会にはこれまで5回(チャンピオンズリーグ4回、UEFAカップ1回)出場しているが、グループリーグ敗退は1度もなく(チャンピオンズリーグのグループリーグ3位でUEFAカップに転戦したことが2回)、今回で6回連続決勝トーナメント進出となった。
 ボルドーはこの勢いを保ち、12月6日に行われたニューカッスル・ユナイテッドとの最終戦でもシェイク・ディアバテが前後半に1点ずつあげて、2-0で勝利、グループDを首位通過したのである。
 この結果、フランスからチャンピオンズリーグの決勝トーナメントにパリサンジェルマン、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントにリヨンとボルドーが進出することになったのである。(この項、終わり)

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