第1772回 ヨーロッパリーグ、フランス勢の戦い (3) 中盤戦を終え、残り2試合の勝負

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■2戦連続ドローとなったリール

 第2節は10月2日に行われた。第3節と第4節は同じチームと対戦するため、この中盤戦で上位チームと対戦するチームは第2節までである程度勝ち点を稼いでおきたい。
 第2節でグループHのリールは第2シードのドイツのヴォルフスブルクとのアウエーゲームである。第1節でイングランドのエバートンに1-4と大敗したヴォルフスブルクはホームで勝利をあげたいところである。一方、第1節でロシアのクラスノダール相手に痛恨のドローとなったリールはヴォルフスブルクに圧倒されながらも前半を無失点でしのぐ。後半も両チーム無得点が続いたが、フォルクスワーゲンアリーナでの最初のゴールはリール、77分にベルギー代表のディボック・オリジが自らに対するファウルで得たPKを決める。連敗を避けたいヴォルフスブルクは攻め続け、82分に同点ゴール、リールは2戦連続してドローとなったのである。

■エバートンとはホームで引き分け、アウエーで大敗、3位のリール

 リールは中盤戦でエバートンと対戦する。プレミアリーグでは中位であるが、ここまで1勝1分。第3戦はリールでのゲームであったがスコアレスドロー、リールは前半戦を3引き分けで終える。そして11月6日の第4節はエバートンの本拠地グディソンパークでの試合、エバートンはキックオフ直後にリールのゴールを襲うが、ナイジェリア代表のビンセント・エニェアマが好守で防ぐ。しかし、27分にリールは先制点を許し、試合はエバートンペース。42分にも追加点を奪われる。さらに後半の61分には3点目を奪われ、リールは初黒星、3分1敗で勝ち点3の3位、2位のヴォルフスブルクとは勝ち点4差で終盤戦を迎える。

■フランス勢で初白星のギャンガン、2位で終盤戦を迎える

 グループKのギャンガンは第2節では第2シードのギリシャのPAOKとのホームゲームである。第1節でベラルーシのディナモ・ミンスクに6-1と大勝したPAOKはギリシャリーグでも好調である。序盤はPAOKのペースであったが、次第にギャンガンが試合を支配するようになり、後半立ち上がりの47分にゴール前の混戦からシルバン・マルボーが先制点、50分にはまたマルボーが左サイドから追加点、このままギャンガンは2-0と勝利し、フランス勢で初めてヨーロッパリーグで勝ち点3を獲得した。
 ギャンガンの中盤戦の相手はディナモ・ミンスク、序盤戦で連敗した第4シード相手にギャンガンは勝ち点を重ねたい。まずアウエーでの対戦、氷点下の試合となる。ディナモ・ミンスクも地元ファンの前で意地を見せたい。ディナモ・ミンスクが試合を支配するがリールはなんとかスコアレスドローに持ち込む。第4節はリールのホームゲームである。寒冷地から戻ってきたリールは生き返る。ギャンガンは前半終了間際の44分にクラウディオ・ボービュが得点をあげ、後半も終盤の86分にクリストフ・マンダンヌが追加点、2-0と2勝目を挙げる。2勝1分1敗の勝ち点7の2位、勝ち点10の首位フィオレンティーナ、勝ち点4で3位のPAOKとの対戦が残っている。

■4戦連続ドローのサンテチエンヌ、勝ち点4で3チームの並ぶ大混戦

 サンテチエンヌは第2節でウクライナのドニプロを本拠地ジェフロワ・ギシャールに迎える。サンテチエンヌの第3節と第4節の相手は第1シードのインテル・ミラノ(イタリア)、強豪相手の連戦の前のホームゲームでは勝ち点3をあげたいところである。サンテチエンヌは地元ファンの大声援を受けて試合を支配するものの、なかなか得点を奪うことができず、スコアレスドロー、2試合連続のスコアレスドローとなった。
 連勝スタートしているインテル・ミラノとの連戦は苦戦が予想されたが、ミラノでの第3節、どちらがイタリアのチームかわからないような試合運びをしたサンテチエンヌはスコアレスドローに持ち込む。さらにホームに戻っての第4節、前半の33分にインテル・ミラノに先制を許したサンテチエンヌであったが試合の主導権を握り、50分のムスタファ・バイヤール・サルのゴールで追いつき、4戦連続引き分け。グループFは首位がインテル・ミラノで勝ち点8、そして残りの3チームがいずれも勝ち点4で並ぶという大混戦となったのである。(この項、終わり)

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