第1980回 ヨーロッパリーグ、フランス勢は初戦で敗退 (1) フランス勢のサンテチエンヌとマルセイユ

 5年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■毎週、トップレベルの戦いが続くチャンピオンズリーグ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに出場したパリサンジェルマンについて紹介した。16チームで決勝トーナメントが争われるチャンピオンズリーグは決勝トーナメント1回戦(ベスト8決定戦)はホームアンドアウエー方式の2試合を2週間のインターバルで行う。さらに、第1戦を2月16日に行い、第2戦を3月 9日に行うチーム、第1戦を2月17日に行い、第2戦を3月8日に行うチーム、第1戦を2月23日に行い、第2戦を3月16日に行うチーム、第1戦を2月24日に行い、第2戦を3月15日に行うチーム、それぞれ4チームずつある。すなわち、2月中旬から3月中旬にかけてサッカーファンは週の半ばにチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを楽しむことができる。そして同一リーグからの出場チームの試合はその国でのテレビ観戦者に配意し、同じ時間帯にキックオフしないようになっている。

■集中的に試合が行われるヨーロッパリーグ

 一方、今回から紹介するヨーロッパリーグは32チームによって決勝トーナメントが争われるが、決勝トーナメント1回戦(ベスト16決定戦)の第1戦は2月18日(16試合中1試合だけは2月16日)、第2戦は1週間後の2月25日(16試合中1試合だけは2月24日)に集中して行われ、第1戦と第2戦のインターバルは1週間しかない。
 また、キックオフ時間は単一ではないが、同一リーグから出場したチームの試合が同じ時間帯にキックオフされることもある。例えば、第1戦に関していえば、イングランド勢のマンチェスター・ユナイテッドとトットナム、イタリア勢のフィオレンチナとナポリ、ドイツ勢のアウクスブルク、シャルケ04、バイエル・レバークーゼンは同じ時刻にキックオフを迎え、それぞれの国のファンはどの試合を見るか迷うところである。
 チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の第2戦が行われるのと同じ週にヨーロッパリーグの決勝トーナメント2回戦(ベスト8決定戦)の第1戦と第2戦が行われ、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの8強がほぼ同時に出そろうことになる。

■フランスからはマルセイユとサンテチエンヌが出場

 前々回の本連載でフランスからチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出した3つのチームのうちでパリサンジェルマンが一番早く姿を現した、と紹介したが、このようなスケジュールになっているからである。このようにチャンピオンズリーグにはテレビの前のファンが贅沢に欧州最高峰のサッカーを楽しむことができるようなスケジュール調整がなされているが、テレビ中継の限られているヨーロッパリーグも地元ファンにとっては重要な関心事であり、さらに今年はフランスからはマルセイユ、サンテチエンヌという熱心なファンの多いチームが決勝トーナメントに残っている。
 2月24日の1回戦、フランス勢はサンテチエンヌが19時、マルセイユが21時5分にキックオフを迎える。

■バーゼルを迎えるサンテチエンヌ、アスレティック・ビルバオを迎えるマルセイユ

 現在リーグ戦4位のサンテチエンヌはスイスのバーゼルをホームに迎える。これまでサンテチエンヌは欧州カップでスイスのチームと3回対戦したことがあるが、1分2敗と相性が良くない。
  一方のマルセイユはスペインのアスレティック・ビルバオとホームで対戦する。このアスレティック・ビルバオはバスク人に限るという純血主義を貫いていることで有名である。現在スペインリーグで7位であるが、4年前にはヨーロッパリーグの決勝に進出し、アトレチコ・マドリッドとのスペイン対決で0-3と敗れたことは記憶に新しい。マルセイユもスペイン勢との欧州カップでの戦績は2勝2分7敗と相性は決してよくない。
 しかし、国内のタイトルをパリサンジェルマンが独占しようとする勢いの中で、両チームは欧州での戦いでフランス国内を驚かせようとしているのである。(続く)

このページのTOPへ