第2005回 パリサンジェルマン、4年連続で準々決勝敗退(2) 2回目の対戦となるマンチェスター・シティ

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■グループリーグを首位で突破したマンチェスター・シティ

 近年のプレミアリーグで好成績を残しながら、チャンピオンズリーグでは上位に進出できなかったマンチェスター・シティ、今季はついにクラブ史上最高の準々決勝に進出した。簡単に今季のここまでの道のりを紹介するとグループリーグはグループDに入り、初戦はホームのユベントス(イタリア)戦、オウンゴールで先制したが、逆転負けを喫する黒星スタート。しかし、第2節以降はボルシア・メンヘングランドバッハに勝利し、第3節と第4節はセビリア(スペイン)に連勝する。第5節はユベントスにアウエーで敗れたが、最終節でボルシア・メンヘングランドバッハに勝利し、4勝2敗で勝ち点12、連敗を喫したユベントスをおさえてグループを首位で突破した。
 決勝トーナメント1回戦はウクライナのディナモ・キエフと対戦、アウエーでの第1戦で3-1と先勝し、ホームでの第2戦はスコアレスドローで乗り切り、8強入りした。

■フランス勢が最終ラインに3人いるマンチェスター・シティ

 パリサンジェルマンとマンチェスター・シティの第1戦は4月6日、満員のパルク・デ・プランスで行われた。両チームとも先発メンバーの中に自国の選手は非常に少なく、パリサンジェルマンはアドリアン・ラビオとブレーズ・マツイディのMFの2人、マンチェスター・シティはGKのジョー・ハートの1人だけであった。ところがマンチェスター・シティには3人のフランス人選手がいる。最終ライン4人のうちバカリ・サーニャ、エリアキム・マンガラ、ガエル・クリシーという3人はフランス人選手である。一方のパリサンジェルマンにはイングランドの選手はいないが、こちらの最終ラインもダビド・ルイス、チアゴ・シウバ、マルキーニョスの3人がブラジル人である。
 攻撃陣に目を転じるとマンチェスター・シティはセルヒオ・アグエロはリーグ戦では25得点をあげ、得点源となっているがチャンピオンズリーグではまだ2得点と元気がない。マンチェスター・シティのチャンピオンズリーグでの得点ランキングトップは3点をあげているラヒム・スターリングであるが、この試合は負傷により欠場である。
 迎え撃つパリサンジェルマン、エースのズラタン・イブラヒモビッチはリーグ戦では30得点、そしてチャンピオンズリーグでも4得点をあげている。

■8年前のUEFAカップのグループリーグで対戦した両チーム

 パリサンジェルマンとマンチェスター・シティは過去の1回だけ公式戦で対戦している。それは2008-09シーズンのUEFAカップのグループリーグである。この時のUEFAカップのグループリーグはホームアンドアウエー方式ではなく、どちらかの本拠地で1回対戦するだけであった。2008年12月3日にマンチェスター・シティ競技場で行われ、スコアレスドローとなっている。したがって、マンチェスター・シティにとっては初めてのパルク・デ・プランスである。2回も東京・国立競技場でマンチェスター・シティの試合を見た日本のファンにとっては意外な気がするであろう。この試合にマンチェスター・シティの現在の主将のハートも出場している。なお、グループリーグではマンチェスター・シティが首位、パリサンジェルマンは3位となり両チームともグループリーグを勝ち抜いたが、決勝トーナメント初戦でパリサンジェルマンはディナモ・キエフ、マンチェスター・シティはハンブルガーSV(ドイツ)に敗れている。

■マンチェスター・ユナイテッドに所属したローラン・ブラン監督

 今回のパリサンジェルマンの先発メンバーで8年前のUEFAカップの試合に出場していた選手はいないが、パリサンジェルマンにはマンチェスター・シティをよく知る男がいる。それが監督のローラン・ブランである。現役時代にはマンチェスター・ユナイテッドにも3年間在籍し、マンチェスター・シティの力をよく知っている。ファンの楽観論を戒めるように、今季リーグカップをすでに獲得しているマンチェスター・シティの力を認め、この2戦に向かうのである。(続く)

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