第2006回 パリサンジェルマン、4年連続で準々決勝敗退(3) パリでの第1戦は追いつかれてドロー

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■立ち上がりのピンチをしのいだズラタン・イブラヒモビッチのクリア

 パリサンジェルマンが3年連続で敗れているチャンピオンズリーグ準々決勝、マンチェスター・シティ(イングランド)相手に本拠地パルク・デ・プランスで先勝したいところである。ズラタン・イブラヒモビッチを中心に右にアンヘル・ディマリア、左にエディンソン・カバーニというFW陣、負傷しているハビエル・パストーレとマルコ・ベラッティを欠くものの、中盤はブレーズ・マツイディ、アドリアン・ラビオが支える。これらの攻撃陣のゴールラッシュをファンを期待している。
 試合の開始後16秒にパリサンジェルマンの守備の中心のダビド・ルイスがマンチェスター・シティのエースのセルヒオ・アレグロにタックル、セルビア人の主審のミロラド・マジッチ氏はイエローカードを提示、ダビド・ルイスはマンチェスターでの第2戦は出場停止となった。ペナルティエリアのすぐ外でのFKのチャンスを得たマンチェスター・シティはケビン・デブルイネが直接ゴールを狙うが、壁の中に入ったイブラヒモビッチがヘディングでクリアする。その後はファンの期待通りにパリサンジェルマンがパスを縦横無尽につなぎ、一方的に試合を支配する。

■イブラヒモビッチがPK失敗、先制点はマンチェスター・シティ

 そして12分、今度はダビド・ルイスが相手のペナルティエリアの中でパスを受け、ここにバカリ・サーニャがファウルを犯してしまう。今度はパリサンジェルマンにPKが与えられた。先制のチャンスにペナルティスポットにボールを置いたのはイブラヒモビッチ、しかしイブラヒモビッチのシュートはマンチェスター・シティの主将、ジョー・ハートの右手に阻まれてしまう。
 マンチェスター・シティは今季のチャンピオンズリーグのアウエーでの戦いの戦績はよい。これまでのアウエーゲームは4試合、そのうちホームでも敗れたユベントス(イタリア)戦以外の3試合は勝利している。アウエーでの試合が得意なマンチェスター・シティは押されながらも先制点をあげる。38分、マツイディがボールをフェルナンジーニョに奪われ、パスを受けたデブルイネがシュートを決める。チャンピオンズリーグのホームゲームでは強さを誇るパリサンジェルマンのファンは動揺を隠せない。

■イブラヒモビッチ、アドリアン・ラビオのゴールで逆転

 しかし、そのファンの不安を払拭したのはPKを失敗したイブラヒモビッチであった。41分にマンチェスターのGKハートからフェルナンドへのパスをカットしたイブラヒモビッチは今度は確実に決めて、同点ゴール。イブラヒモビッチは今季のチャンピオンズリーグで5試合連続の5得点目である。
 パリサンジェルマンは押し気味ながら、相手のミスに乗じた1点のみでタイスコアで折り返す。しかし、後半開始早々マツイディがイエローカード、ダビド・ルイス同様第2戦は出場停止となった。第2戦は翌週に行われるため、パストーレやベラッティの復帰は難しい。したがって、残りの時間で勝ち越すだけではなく、得点差をつけたいところである。
 そして59分に待望の勝ち越し点をパリサンジェルマンは奪うことになる。左サイドからのディマリアのCK、これをカバーニがヘディングシュート、GKのハートがはじいたところを走りこんできたラビオがシュートし、ゴールネットが揺れる。チェルシー戦に続くゴールでこのチャンピオンズリーグで3得点目となったドリブルの名手である若き21歳にパルク・デ・プランスは拍手喝采を送る。

■セルジュ・オーリエ、痛恨のミスでマンチェスター・シティと引き分け

 しかし71分、マンチェスター・シティは右サイドから攻撃を仕掛け、グラウンダーのクロスをあげる。このボールの処理をサプライズで先発出場したセルジュ・オーリエが誤り、フェルナンジーニョが最後はゴールを決め、パリサンジェルマンは同点に追いつかれてしまう。
 残り20分間弱、パリサンジェルマンはメンバー交代により事態を打開しようとしたが、勝ち越し点をあげることができず、ホームで2-2の引き分けに終わってしまったのである。(続く)

 
このページのTOPへ