第2057回 欧州の舞台を目指すフランス勢(2) 第2戦で逆転したモナコ、2年連続のプレーオフ進出

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■正GKの負傷により、39歳と18歳のGKが出場したモナコ

 クロアチア代表のGKのダニエル・スバシッチの負傷により、モナコのレオナルド・ジャルディム監督は新加入の39歳のモルガン・デサンクティスを起用するか、18歳のロイック・バディアシルを先発させるか悩んだが、かつてトルコのガラタサライに所属していた経験のあるデサンクティスを選んだ。しかし、デサンクティスは12分に負傷のためピッチを離れることになり、バディアシルが登場した。若年世代のタイトルであるガンバルデラカップで優勝したことはあるが、トップチームのチャンピオンズリーグのアウエー戦というのはこれまでに感じたことのないプレッシャーであっただろう。試合はトルコのフェネルバフチェが優勢に進め、しばしば決定機を作るが、18歳の若きGKが果敢にゴールを守る。

■ラダメル・ファルカオが復活のゴールを決めるが、惜敗

 しかし、先制点はフェネルバフチェが決める。2トップの一角のナイジェリア代表のエマニュエル・エメニケがモナコの主将のストッパーのアンドレア・ラッジのマークを外し、ゴールを奪う。これに対してモナコもその直後の42分、コロンビア代表のラダメル・ファルカオが同点ゴールを決める。ファルカオにとって2014年1月以来の久しぶりのゴールとなった。2014年春に手術をしてからは得点から遠ざかっていたファルカオであるが、この夏の親善試合ではゴールを量産し、復活ののろしを上げた。
 しかし、同点で迎えた後半、61分に、フェネルバフチェはかつてパリサンジェルマンに所属していたグレゴリー・ファンデルビールからのクロスをエメニケがシュート、ゴールを決めて、勝ち越す。結局イスタンブールでの第1戦は、フェネルバフチェが勝利し、舞台はモナコへと移ったのである。

■ファルカオと2トップを組むバレル・ジェルマン

 8月3日に行われた第2戦、モナコは2点差以上で勝利するか、1点差の場合は3点以上取って勝利しなくてはならない。第1戦では欠場したスバシッチとポーランド代表のカミル・グリックが復帰してくる見込みであり、ファンは本拠地での逆転勝利に期待を寄せた。第2戦の先発メンバーはGKがスバシッチになっただけで、フィールドプレーヤーはメンバーもシステムも変更なし、1-2と敗れたものの監督は手ごたえをつかんでいたのであろう。唯一の変更といえばキャプテンマークがストッパーのラッジからトップのファルカオに渡されただけである。

■第2戦はジェルマンとファルカオの活躍2点差の勝利、プレーオフ進出決定

 そのトップのファルカオがこの試合でも活躍した。開始早々の2分にモナコはインターセプトし、ファルカオが2トップを組むバレル・ジェルマンに右サイドからパスを供給、ジェルマンが幸先よく先制ゴールを決める。
 さらに18分にも相手のファイルによりモナコはPKを得る。これをファルカオが決めて2-0となり、通算得点で逆転した。前半はこのままモナコが2点リードして折り返したが、後半開始時にファルカオの姿が見えない。前半終了間際にファウルを受け、左足を痛めたため、ベンチに退いた。
 後半に入り、先にゴールネットを揺るがしたのはフェネルバフチェであった。53分にエースのエメニケが右からのクロスをオフサイドライン上で受けてシュート、これでスコアはモナコの2-1となり、第1戦と同じスコア、このままのスコアで90分が終われば延長戦である。にわかに緊張感の出てきたモナコのルイ二世競技場、次の1点が試合を左右する。
 そしてプレーオフ進出を決する次のゴールはモナコがあげた。65分位にバンジャマン・マンディからのクロスをナビル・ディアラがヘディングでつなぎ、最後はジェルマンが右足でシュート、ゴールネットに刺さったゴールにより、3-1となり、2試合通算スコアも4-3となす。フェネルバフチェが勝利するためには残された時間の中で2ゴールあげることが必要となる。
 試合はそのまま3-1で終了し、モナコは昨年に続き、予備戦3回戦を勝ち抜き、プレーオフに進出することが決まったのである。(続く)

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