第2267回 チャンピオンズリーグ終盤戦 (2) 驚異的な得点力を誇るパリサンジェルマン

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■最下位が確定したモナコ、決勝トーナメントのかかるポルト

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグに出場しているモナコが第5節でRBライプチヒ(ドイツ)に1-4と完敗し、グループリーグで最下位が確定したことを紹介した。モナコはチャンピオンズリーグには今年で8回目の出場であるが、これまでにグループリーグで敗退したことは2000-01シーズンの1回しかない。
 グループGの最終戦は12月6日に行われた。モナコはアウエーでポルト(ポルトガル)と対戦する。最終戦を迎える段階でグループGの順位はベシクタシュ(トルコ)の首位とモナコの最下位が決定しており、勝ち点7でポルトとRBライプチヒが並んでいる。勝ち点が並んだ場合は当該チーム間の直接対決の結果が優先される。ポルトとライプチヒは1勝1敗であるが、得失点差に勝るポルトが優位であり、ポルトは最終戦でRBライプチヒと同等以上の成績を残せば2位になることができる。したがって、ポルトはモナコに勝利すれば2位が確定、ポルトのドラゴン競技場は4万2000人の観衆で膨れ上がった。

■またも大敗、未勝利で終えた今季のチャンピオンズリーグ

 対するモナコは、リーグ戦でも順位を落とし、リヨン、マルセイユと勝ち点で並ぶ。リーグ戦に重点を置きたいモナコはBチームがポルトとの試合に臨む。つらかったのはポルトガル人のレオナルド・ジャルディム監督である。試合は終始ポルトのペース、バンサン・アブバカルの連続ゴールで試合は始まり、モナコは前半だけで3失点する。後半にカリム・グリックのPKとラダメル・ファルカオのゴールで2点を返すが、失点を重ね、2-5と大敗する。昨季のグループリーグ首位突破、準決勝進出とは打って変わり、2分4敗で得点6失点16と惨敗したのである。

■セルチック・グラスゴー相手に7点あげて記録を更新したパリサンジェルマン

 このモナコと対照的だったのがパリサンジェルマンである。すでに第4節で決勝トーナメント進出を決めている。パリサンジェルマンの所属するグループBは第4節を終えた時点でパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)が2位以内を確定しており、普通であれば、残り2試合は消化試合となるが、ファンの関心はパリサンジェルマンの得点力に集まった。
 パリサンジェルマンは今季国内リーグ13試合で43ゴール、チャンピオンズリーグ4試合で17ゴール、合わせて17試合で60ゴールという驚異的な得点力を誇っている。11月21日の第5節、ホームでのセルチック・グラスゴー(スコットランド)戦でもこの60得点の6割をあげているエディンソン・カバーニ(19得点)、ネイマール(11得点)、キリアン・ムバッペ(6得点)がそろって出場した。
 なんとか3位をキープしたいセルチック・グラスゴーは1分に先制点をあげ、パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグ5試合目にして初失点する。しかし9分のネイマールの同点弾からゴールラッシュが始まった。22分にはマルコ・ベラッティのパスを受けて勝ち越し点をあげる。そして35分にはカバーニ、35分にはムバッペと3人がそろってゴールをあげて、4-1で折り返す。この時点でパリサンジェルマンのチャンピオンズリーグでの通算ゴールは21となりボルシア・ドルトムント(ドイツ)の持ってきた記録に並ぶ。
 そして、後半に入り、75分にはベラッティが得点をあげて、新記録を達成する。さらにカバーニ、ダニエウ・アウベスもゴールを追加し、7-1という大差で勝利した。

■最終戦でバイエルン・ミュンヘンに敗れるが首位突破を決める

 最終節はアウエーでのバイエルン・ミュンヘン戦である。バイエルン・ミュンヘンは4点差以上の大差で勝利すれば、首位突破となる。その目論見通り、前半にロベルト・レバンドフスキ、コランタン・トリッソが得点をあげて折り返す。後半に入ってパリサンジェルマンはカバーニがアシストしてムバッペが1点を返す。この1点が大きく、バイエルン・ミュンヘンはトリッソが追加点をあげるが、3-1の2点差の勝利となる。
 両チームが5勝1敗で並んだが、第2節のホームゲームで3-0と勝利しているパリサンジェルマンが首位通過を決めたのである。(この項、終わり)

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