第2458回 欧州カップの決勝トーナメント始まる(2) パリサンジェルマン、アウエーでマンチェスター・ユナイテッドに先勝

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■初対戦となるパリサンジェルマンとマンチェスター・ユナイテッド

 2月中旬から始まる欧州アップの決勝トーナメント、フランス勢の先陣を切るのはチャンピオンズリーグに出場するパリサンジェルマンである。グループリーグを首位突破したパリサンジェルマンはマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)とアウエーで対戦する。パリサンジェルマンとマンチェスター・ユナイテッドは意外なことに初めての対戦となる。
 本連載でこれまで紹介してきたとおり、パリサンジェルマンは2014年から2016年までの3年間でイングランド勢と決勝トーナメントで4回対戦している。しかし、そのうち3回はチェルシー(2014年の準々決勝、2015年と2016年のベスト8決定戦)、残り1回がマンチェスター・シティ(2016年の準々決勝)である。この4回のイングランド勢との対戦結果は2回は勝ち抜き、2回は敗退しているが、ベスト8決定戦では勝ち抜いたが、準々決勝では敗れている。

■チェルシーの監督としてパリサンジェルマンと3回対戦しているジョゼ・モウリーニョ

 また、マンチェスター・ユナイテッドを率いるジョゼ・モウリーニョは今季で3年目を迎えるが、欧州のビッグクラブの監督を歴任してきた。チェスリーの監督としてパリサンジェルマンとはこれまでに3度対戦している。最初は2004-05シーズン、前年にポルトガルのポルトを率い、チャンピオンズリーグの決勝でモナコを倒して欧州の頂点に立ったモウリーニョは創立100周年を迎えるチェルシーに招聘される。チャンピオンズリーグのグループリーグでパリサンジェルマンと対戦し、1勝1分と勝ち越す。国内リーグではチェルシーを50年ぶりのリーグ優勝に導き、以後、チェルシーに愛されることになる。
 その後、インテルミラノ(イタリア)、レアル・マドリッドを経て2013年にチェルシーに復帰、そのシーズンのチャンピオンズリーグの準々決勝でパリサンジェルマンと対戦、1勝1敗で得失点差でも並び、アウエーゴールの差で準決勝に進出した。そしてその翌年の2015年も決勝トーナメント1回戦で顔を合わせ、2試合とも引き分けるが、第2戦は延長戦となり、アウエーゴールの差で今度はパリサンジェルマンが準々決勝進出を決める。名将モウリーニョのパリサンジェルマン戦の戦績は2勝3分1敗である。

■前半戦の低迷から立ち直ったマンチェスター・ユナイテッド

 しかし、昨季はリーグ2位だったマンチェスター・ユナイテッドは今季の前半戦は低迷し、1990年以来28年ぶりの悪い成績で前半戦を折り返したが、後半戦はFAカップを含め7勝1分と復調している。組み合わせ抽選時に喜んだパリサンジェルマンのファンも年が変わってからのマンチェスター・ユナイテッドの快進撃に警戒感を強めた。そしてマンチェスター・ユナイテッドの本拠地のオールドトラフォードではこれまでフランス勢は4分10敗と勝利したことがない。

■アンヘル・ディマリアが2得点を演出し、パリサンジェルマンが先勝

 パリサンジェルマンはネイマールとエディンソン・カバーニを欠く布陣であり、先発メンバーのうち、フランス人選手はパリサンジェルマンはキリアン・ムバッペの1人だけである。一方のマンチェスター・ユナイテッドにはポール・ポグバとアントニー・マルシャルの2人が名を連ねている。
 7万4000人のファンを飲み込んだオールドトラフォードにはパリサンジェルマンのファンが3700人が集まったが、この少数の遠来のファンを喜ばせる結果となった。前半はパリサンジェルマンがパスをつないで、優勢に試合を進めるが、両チームノーゴールで折り返す。パリサンジェルマンが一気にギアをあげたのは後半であった。53分にはCKのチャンスをつかみ、アンヘル・ディマリアがファーサイドを狙い、これをマンチェスター・ユナイテッドの選手がクリアするが、これをプレスネル・キンペンベが左足で先制点を決める。さらに60分にもディマリアが得点を演出する。左サイドから強いグラウンダーでクロス、これをムバッペが決める。パリサンジェルマンは2-0でマンチェスター・ユナイテッドを下し、幸先の良いスタートを切ったのである。(続く)

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