第2532回 2019-20 フランスリーグ開幕(1) ストラスブール、ヨーロッパリーグ予備戦2回戦を突破

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ戦開幕前に行われる試合

 21歳以下の欧州選手権、女子ワールドカップと来年の東京オリンピックの出場権をかけた国際大会がシーズンオフに行われたが、いよいよシーズンが開幕する。リーグ戦に関しては1部は2部から昇格してきたメッス、ブレストが加わり、8月9日のモナコーリヨン戦で開幕するが、カーンとギャンガンが降格してきた2部はナショナルリーグから昇格してきたロデス、シャンブリー(2部に初昇格)、ルマンを加えて7月26日から始まっている。
 また、リーグ戦の開幕前には前年のリーグチャンピオンとフランスカップ勝者の間で争われるチャンピオンズトロフィー、また欧州カップの予備戦も行われている。

■唯一予備戦から欧州カップ戦を戦うストラスブール

 今回からはリーグ開幕前に行われる試合について紹介しよう。今季の欧州カップに出場するフランス勢はチャンピオンズリーグにパリサンジェルマン、リール、リヨン、ヨーロッパリーグにサンテチエンヌ、レンヌ、ストラスブールとそれぞれ3チームが出場するが、リーグカップ優勝チームとして出場権を得たストラスブールだけが予備戦から戦わなくてはならない。ストラスブールは予備戦2回戦からの参戦となる。予備戦2回戦、同3回戦、さらにはプレーオフとホームアンドアウエーで3回相手を倒さないとグループリーグに出場できない。予備戦2回戦は7月25日と8月1日に行われる。予備戦、プレーオフに出場するチームは2パターンあり、まずは弱小リーグのリーグ優勝チーム、もう1つは中堅以上の国のリーグ上位、国内カップ優勝チームである。予備戦、プレーオフではこれらは峻別して組み分けされるため、ストラスブールは中堅以上の国のある程度の成績を残しているチームとの対戦が続くことになる。
 ストラスブールの初戦の相手はイスラエルのマッカビ・ハイファである。イスラエルリーグで2位、1998-99シーズンにはカップウィナーズカップでパリサンジェルマンを下し、準々決勝まで進出したこともある。

■長い低迷から2年前に1部に復帰したストラスブール

 一方のストラスブールであるがフランスの他のクラブと比較して2週間早くシーズンが始まることになる。したがって、チームは6月末にすでに練習をスタートし、7月の初めから親善試合を行っている。そしてチームの始動が早かったこともあり、補強をほとんどせずに新たなシーズンを迎えることになった。新加入はわずかに2人、カーンからのDFのアレクサンデル・ジクとRCランスからのMFのジャン・リネ・ベルガルドだけである。
 昨季はリーグカップで優勝したとはいえ、リーグ戦では11位である。前年は15位、その前年は2部であった。リーグ発足以来これまで58シーズンに渡り1部に在籍した常連チームであり、これは5番目の数字である。長い歴史の中でしばしば2部に降格することもあったが、すぐに1部に復帰するチームであった。2年以上連続して2部に在籍したのは2回だけであったが、2007年に2部に降格してからは長い低迷期に入り、財政問題もあって一時期は5部に相当するCFA2部にまで降格した。9シーズンに渡る下部リーグでの戦いを経てようやく2017年に1部に復帰した。日本の川島英嗣の獲得も1部での戦いを見据えてのことであろう。

■前半終了間際の相手のレッドカードで流れが変わり、ストラスブールが勝利した第1戦

 親善試合4戦全勝で迎えた今季最初の試合は7月25日、本拠地のラメイノ競技場に2万人以上の観客を集めて行われた。新加入の2人も先発メンバーに名を連ねる。しかし、ファンの期待とは裏腹にストラスブールは守勢となる。そして39分に先制点を奪われてしまう。ところが44分、マッカビ・ハイファの選手がペナルティエリア内で反則を犯し、レッドカードで退場となる。ここから試合のリズムが代わり、まずはPKで同点に追いついたストラスブールは後半に2点を追加し、3-1と勝利する。
 そして1週間後の8月1日に行われたアウエーの試合、今度はストラスブールが序盤の17分に先制する。前半のうちに2点を奪われ逆転されたが、このまま試合をコントロールしたストラスブールが2試合通算で4-3と上回り、予備戦3回戦に進出したのである。(続く)

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