第2580回 決勝トーナメント進出を決定したパリサンジェルマン(1) 勝利のリヨンは2位キープ、リールは逆転され大敗

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■フランスでは勝てないベンフィカ

 チャンピオンズリーグの後半戦の初戦となる第4節、リヨンとリールが11月5日、パリサンジェルマンが6日に試合を行った。
 前半戦を終えた時点でのグループGは2勝1敗で勝ち点6のRBライプチヒ(ドイツ)を1勝1分1敗のリヨンとゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)が追い、1勝2敗のベンフィカ(ポルトガル)にもまだチャンスがある。リヨンは第4節でベンフィカとホームで対戦、勝利すれば、もう1つの試合の結果にもよるが、決勝トーナメント進出に向けて優位に立つことができるが、リスボンでの試合に続いて連敗するようだとグループGは混戦模様となる。前回の本連載でリスボンではフランス勢はいまだに勝利をあげていないことを紹介したが、逆にベンフィカもこれまで欧州カップではフランスで4回試合を行っているが、2分2敗と勝利したことがない。リヨンとは2010-11シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグで対戦し、この時のリヨンではジェルラン競技場での試合、リヨンが2-0で勝利している。

■リヨンでは17年ぶりの4試合連続得点を決めたメンフィス・デパイ

 リヨンは2週間前にリスボンで敗れたが、その直後に行われたリーグ戦ではメッスに勝利、実に第2節以来7試合ぶり、2月半ぶりの白星、さらに続くトゥールーズ戦でも勝利し、順位を10位まで上げてきた。
 チャンピオンズリーグでのリヨンを支えているのがメンフィス・デパイである。前半戦の3試合でいずれも得点をあげている。デパイ以外に今季のチャンピオンズリーグではRBザルツブルク(オーストリア)のアーリング・ハオランド、トットナム・ホットスパー(イングランド)のハリー・ケイン、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のロベルト・レバンドフスキしか達成していない。
 立ち上がりからリヨンは攻め込むCKのチャンスからデパイがゴール前にクロスをあげる。リヨンの守備陣もゴール前に上がっており、まず主将で右サイドDFのレオ・デュボワが繋ぎ、ジョアキム・アンダーソンがヘディングで先制点をあげる。そして33分にはウセム・アウアからのロングボールをデパイが右足で追加点をあげる。これでデパイはチャンピオンズリーグで4試合連続得点となった。これはリヨンでは17年前の2002年のソニー・アンデルソン以来の快挙となったのである。

■勝利したリヨンは次節にも決勝トーナメント進出が決定

 後半に入り、ベンフィカは1点を返すが、試合終了間際の89分にベルトラン・トラオレがゴールをあげて3-1とリヨンが勝利したのである。  グループGのもう1試合は首位のRBライプチヒ(ドイツ)がアウエーでゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)に2-0と勝利する。
 第4節を終え、このグループはRBライプチヒが勝ち点9、リヨンは勝ち点7で、勝ち点4のゼニット・サンクトペテルブルクを引き離し、ベンフィカは勝ち点3のまま最下位である。この結果、リヨンは次節でゼニット・サンクトペテルブルクに勝利すれば決勝トーナメント進出が決まる。

■ハンドの判定から崩れたリール

 そしてチャンピオンズリーグではどうしてもいい結果が残せないリールはスペインのバレンシアとアウエーで対戦する。もしバレンシアに敗れ、もう1試合のチェルシー(イングランド)-アヤックス・アムステルダム(オランダ)戦でいずれかのチームが勝利すれば、3位以下が決定し、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントへの道が閉ざされる。
 劣勢と思われたリールであるが25分にビクター・オシメーンが相手のGKに競り勝って先制点をあげる。この先制点を守りたいリールであったが、後半にはいって66分、主将でストッパーのジョゼ・フォントの膝に当たったボールが跳ね返って右手に当たる。今季からのルール変更でこれはハンドの反則にならないはずであるが、主審はPKを命じる。ここでPKを決められ同点に追いつかれたリールは戦闘意欲を喪失、82分にはオウンゴールで逆転される。その後も2点を奪われ、1-4と大敗する。チェルシーとアヤックス・アムステルダムは3点リードされたチェルシーが追いついて引き分け、リールは首の皮一枚残ったのである。(続く)

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