第2714回 リヨン、決勝進出ならず (2) 優れた戦績を誇る過去10年間のバイエルン・ミュンヘン

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■リーグチャンピオンとして最後に出場した2008-09シーズン

 これまでリヨンはバイエルン・ミュンヘンとは欧州カップではチャンピオンズリーグのみで4回、8試合対戦しており、前回の本連載では2000-01シーズンと2003-04シーズンの対戦を紹介した。今回は直近2回の対戦を紹介しよう。3回目の対戦は2008-09シーズンのグループリーグでの対戦である。この前のシーズンでリヨンは7連覇を達成し、リーグチャンピオンとして出場する。これがリヨンにとって最後のリーグチャンピオンとしての参戦であり、第1シードとしてグループFに入る。

■最終戦で首位突破をかけた直接対決で敗れる

 このグループに第2シードとして入ったのがバイエルン・ミュンヘンである。このグループにはそれ以外にイタリアのフィオレンチナ、ルーマニアのステアウア・ブカレストが入ったが、二強二弱という構図となり、リヨンとバイエルン・ミュンヘンが大きくリードする。両者の対戦は第2節でミュンヘンで行われ、リヨンがオウンゴールで先制したが、バイエルン・ミュンヘンが追いつき、ドローとなっている。リヨンでの試合は最終節に行われた。最終節を迎える時点でリヨンとバイエルン・ミュンヘンが勝ち点11で並び、勝ち点3のフィオレンチナ、勝ち点1のステアウア・ブカレストを大きく引き離し、決勝トーナメント進出を決めている。最終節の対戦は首位をかけて順位決定戦となった。この時の大会規定は勝ち点で並んだ場合は直接対決の結果が総得失点差よりも優先されるため、勝った方が首位、引き分けた場合は1点以上の引き分けならばバイエルン・ミュンヘン、スコアレスドローの場合はリヨンが首位となる。試合は前半にアウエーのバイエルン・ミュンヘンが3点をリードする。リヨンは後半にシドニー・ゴブー、カリム・ベンゼマのゴールで追い上げたが、1点及ばず、2-3で敗れ、2位突破にとどまった。リヨンは決勝トーナメント1回戦でこの大会で優勝することになるバルセロナ(スペイン)に敗れ、バイエルン・ミュンヘンはそのバルセロナに準々決勝で敗れている。

■プレーオフから準決勝に進出し、準決勝で連敗

 最新の対戦は10年前の2009-10シーズンである。この前シーズンでリヨンはリーグ3位にとどまり、チャンピオンズリーグのプレーオフから参戦する。ベルギーのアンデルレヒトに連勝して本選出場を決めた。
 プレーオフからの参戦であったが、過去の蓄積のあるリヨンはイングランドのリバプールに次いで第2シード、グループリーグではフィオレンチナと首位争いを演じ、フィオレンチナに次ぐ2位で決勝トーナメントに進出した。
 リヨンは、決勝トーナメント1回戦でレアル・マドリッド、準々決勝でボルドーに勝利して準決勝に進出する。この準決勝で対戦することになったのがバイエルン・ミュンヘンである。第1戦はミュンヘンで行われ、バイエルン・ミュンヘンがアリエン・ロッベンのゴールにより最少得点で先勝した。
 第2戦はリヨンのジェルラン競技場での戦いとなる。複数得点を奪って勝利して初の決勝進出を狙ったリヨンであるが、バイエルン・ミュンヘンはイビツァ・オリッチが前半に1点、後半に2点をあげるハットトリックを達成する。リヨンはバイエルン・ミュンヘンとの4回目の対戦にして初めて連敗を喫し、準決勝で敗退する。
 これがリヨンとバイエルン・ミュンヘンの最後の対戦である。それ以降もリヨンは欧州カップには連続出場しているが、準決勝進出はそれ以来である。

■チャンピオンズリーグの上位の常連となったバイエルン・ミュンヘン

 リヨンに勝利したバイエルン・ミュンヘンは決勝で敗れて準優勝にとどまったが、その翌季はチャンピオンズリーグで5度目の優勝を果たす。昨季は決勝トーナメント1回戦で姿を消したが、バイエルン・ミュンヘンは2008-09シーズンから12季連続でチャンピオンズリーグに出場しており、すべての大会で決勝トーナメントに進出、昨季まで11シーズンの内訳は優勝1回、準優勝2回、ベスト4が4回、ベスト8が2回、そしてベスト16どまりは2回だけ、と優れた成績を残している。前回のリヨンとの対戦以降5回、準決勝に進んでいるのである。(続く)

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