第2715回 リヨン、 決勝進出ならず(3) シーズン途中に就任した両監督

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■不動のメンバー、黒いユニフォームのリヨンのイレブン

 8月19日にリスボンのジョゼ・アルバラーデ競技場で優勝候補筆頭のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に臨むリヨン、アウエーチーム扱いとなることから黒いセカンドユニフォームを着用する。24年連続の欧州カップ出場まであと2勝となり、ファンの期待を背負って先発メンバーとしてピッチに立ったのは、GKはアントニー・ロペス、DFは3バックで右からジェイソン・デナイヤー、マルセロ、マルシャル、MFは5人、右からレオ・デュボワ、マクサンス・カケレ、ブルーノ・ギマラエス、ホッセム・アウア、マクスウェル・コルネ、2トップは右にカール・トコ・エカンビ、左にメンフィス・デパイである。
 これは4日前のマンチェスター・シティ(イングランド)との準々決勝と比較すると2トップのうちの1人のムーサ・ダンベレがトコ・エカンビに代わっただけである。再開以降、ルディ・ガルシア監督は2トップを少し入れ替えるだけで、ほぼ不動のメンバー、アップセットが必要な横綱相手でも奇策には走らない。

■昨年10月に就任したリヨンのルディ・ガルシア監督

 ガルシア監督は昨年10月にリーグ戦で低迷を続けていたリヨンの監督に就任し、それ以降のチャンピオンズリーグでの戦績は3勝1分3敗であるが、それ以前にイタリアのASローマの監督時代にもチャンピオンズリーグに出場したことがあり、通算成績は7勝9分15敗と大きく負け越している。

■昨年11月に就任し、驚異的な成績を残したハンス・ディーター・フリック監督

 対するバイエルン・ミュンヘンの指揮官はハンス・ディーター・フリックである。フリック監督はガルシア監督よりも1歳若い55歳である。現役時代は負傷により若くして現役を引退している。実はフリック監督も監督就任は昨年の11月である。バイエルン・ミュンヘンにはすでにアシスタントコーチとして首脳陣の一員であったが、開幕から調子の出なかったリーグ戦でアイントラハト・フランクフルト戦で1-5と大敗し、解任され、アシスタントコーチのフリックが監督に昇格する。フリックは代表のアシスタントコーチも務めていたが、監督には縁がなく、下部リーグに所属していた当時のホッフェンハイムの監督を2000年代初めに務めたことはあるが、初めてトップレベル、それも欧州を代表する強豪チームの監督となったのである。監督経験の少なさを危惧する声もあったが、なんと就任以降のリーグ戦での成績は28勝1分2敗という圧倒的な成績を残している。そしてチャンピオンズリーグでは6戦全勝という成績である。

■爆発的な得点力を誇るロベルト・レバンドフスキとトーマス・ミューラー

 そのフリック監督がピッチに送り込んだ赤いユニフォームのイレブンは次のとおりである。GKはマヌエル・ノイアー、DFは4バックで右からヨシュア・キミッヒ、ジェローム・ボアテンク、ダビド・アラバ、アルフォンソ・デービス、MFは低い位置に2人、右にレオン・ゴレツカ左にチアゴ、攻撃的なMFは3人、右にセルジ・ニャブリ、中央にトーマス・ミューラー、左にイバン・ペリシッチと並ぶ。そして1トップはロベルト・レバンドフスキが務める。
 特筆すべきはレバンドフスキがこれまでチャンピオンズリーグでは67得点をあげ、ミューラーも46得点を記録している。3番目のキミッヒは9得点である。一方のリヨンであるが、チャンピオンズリーグでの最多得点はデパイであるが、わずか8得点にとどまり、続いてダンベレが7得点、コルネが6得点である。いかにバイエルン・ミュンヘンのトップとトップ下が、この数年間のバイエルン・ミュンヘンのチャンピオンズリーグでの好成績を支えていることを表しているのである。
 バイエルン・ミュンヘンにはフランス人選手が代表メンバーではバンジャマン・パバール、コランタン・トリッソ、キングスレー・コマン、ルカ・エルナンデス、年代別代表ではミカエル・キザンスと合計5人がメンバー入りしているが、全員がベンチスタートとなっている。(続く)

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