第2716回 リヨン、 決勝進出ならず(4) バイエルン・ミュンヘンに完敗、欧州の夢が消える

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■序盤の2回の得点機を逃したリヨン

 チャンピオンズリーグ準決勝第2戦、8月19日にリスボンのジョゼ・アルバラーデ競技場でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のトーマス・ミューラーのキックオフで始まった。
 立ち上がりから両チームはサイドからの攻撃で活路をつかもうとする。そして最初にチャンスをつかんだのは挑戦者のリヨンであった。4分にマクサンス・カケレが相手から奪ったボールをメンフィス・デパイにつなぐ。これをデパイが右足でシュートしたが、枠から外れた。その後も両チームはCKのチャンスをつかむが、守備陣が集中し、ゴールを許さない。しかし、試合は次第にバイエルン・ミュンヘンのペースになっていく。リヨンはフィジカルで勝り、1対1の競り合いでは優勢であったが、ボール支配率はパスをつなぐバイエルン・ミュンヘンが圧倒している。
 しかし、17分にはリヨンのカール・トコ・エカンビのシュートは完全にGKのマヌエル・ノイアーを交わしてボールはゴールに吸い込まれるかと思われたが、ポストに当たって得点はならなかった。結果的には4分と17分のチャンスで無得点だったことが勝負を決めた。

■先制点と追加点を決めたバイエルン・ミュンヘンのセルジ・ニャブリ

 その直後の18分、バイエルン・ミュンヘンはヨシュア・キミッヒが右サイドのセルジ・ニャブリにフィードする。このパスを受けたニャブリはドリブルで突進し、ペナルティアリア内でジェイソン・デナイヤーをかわしてシュート、アントニー・ロペスも及ばず、バイエルン・ミュンヘンが先制点を奪う。
 この先制点でバイエルン・ミュンヘンが勢いづき、リヨンは元気を失うボール支配だけではなく、陣地もリヨン陣内で主に試合が行われ、リヨンのイレブンは自陣ペナルティエリア内にくぎ付けとなる。
 33分にはバイエルン・ミュンヘンはイバン・ペリシッチが中央のロベルト・レバンドフスキにクロスを供給、レバンドフスキはシュートするが、ゴールにはならず、こぼれ球をニャブリが押し込んで2点目を記録する。ニャブリは今季のチャンピオンズリーグ出場9試合目で9得点となる。チャンピオンズリーグで1シーズンに9点をあげたドイツ人選手は2011-12シーズンに12得点をあげたマリオ・ゴメスまでさかのぼらなくてはならない。そのニャブリは38分にも左足であわやハットトリックというチャンスをつかむほど、良い動きであった。ところがリヨンはフラストレーションがたまっているのか、この前半の終盤に複数のイエローカードを突き付けられてしまう。

■リヨンの得点を阻止したマヌエル・ノイアー、リヨン完封負け

 バイエルン・ミュンヘンが2点リードで折り返し、後半開始時点で両チームとも最初の選手交代を行い、リヨンのキックオフで試合は再開する。
 リヨンは後半は56分にマルセロがシュートを放ち、ノイアーに阻まれる。この直後に主将のデパイを下げて、ムーサ・ダンベレを投入する。この交代に刺激を受けたのか、58分にはカウンターアタックから、トコ・エカンビがノイアーと1対1になる。これをノイアーが勇気を出して前に出てストップする。リヨンは数少ない決定機で得点をあげることができなかった。リヨンのガルシア監督は73分には5人の交代枠全部を使い切るなど、積極的な采配を振るったものの、ゴールは遠かった。
 そしてバイエルン・ミュンヘンは80分にコウチーニョがゴールネットを揺らすが、これはオフサイドでノーゴール。しかし、88分にはレバンドフスキがキミッヒのFKをゴール前でヘディングで合わせて、3-0として試合終了。リヨンは準決勝で敗れ、来季の欧州への道を断たれ、長きにわたったリヨンの欧州挑戦は23年連続でストップしたのである。

■卓越した得点力を誇るバイエルン・ミュンヘン

 ただ、相手のバイエルン・ミュンヘンの力を認めないわけにはいかないであろう。今季のチャンピオンズリーグでエースのレバンドフスキは15得点、ニャブリも9得点をあげ、チーム全体では42点を10試合であげている。このチーム全体の得点を上回ったチームは銀河系軍団と言われた1999-2000シーズンのレアル・マドリッド(スペイン)の45得点、しかし、これは16試合での数字であり、今季のバイエルン・ミュンヘンの数値は卓越しているのである。(この項、終わり)

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