第2749回 2020-21チャンピオンズリーグ(4) マルセイユ完敗、11連敗を喫す

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■12年ぶりに第1節で勝利をあげることができなかったフランス勢

 前々回と前回の本連載で紹介したとおり、チャンピオンズリーグのグループリーグ第1節でフランス勢はレンヌが引き分けただけでパリサンジェルマン、マルセイユが敗れた。フランス勢がグループリーグの第1節で勝利をあげることができなかったのは2008-09シーズン(リヨンが引き分け、マルセイユとボルドーが敗戦)以来のことである。つい3か月前にはベスト4に2チームが進出したリーグとは思えない結果となった。

■新型コロナウイルス影響で試合間隔の変わったグループリーグ

 今年の欧州カップは例年であれば第3節を行う頃に開幕するが、最終節は例年通り12月上旬である。したがって第1節から第3節までの3試合は毎週行われ、3週間あけて再開する後半戦も第4節から第6節の3試合が毎週行われる。第3節と第4節で同じ相手と対戦するのはこれまでと同じであるが、昨年まではこの連戦が一気に大勢を決することがあったが、今年は一番試合間隔が空くため、昨年までとは異なるイメージで戦う必要があるかもしれない。そういう点では第1節から第3節までは毎週行われるため、第1節での不本意な結果を第2節で切り替えることができるかどうかが鍵となる。

■第2シードながら十分に第1シードの力のあるマンチェスター・シティ

 第2節は第1節と逆にマルセイユが先に登場、第1節の6日後の10月27日に本拠地でマンチェスター・シティ(イングランド)と対戦する。オリンピアコス(ギリシャ)戦の後にはリーグ戦でロリアンに勝利して第2節を迎える。マンチェスター・シティは第2シードとはいえ、UEFA指数では第1シードに相当する。第1節ではポルトガルチャンピオンとして第1シードとなったポルトに勝利している。
 ただし、8月にリスボンで行われた前年度のチャンピオンズリーグの準々決勝(1回戦制)ではリヨンがマンチェスター・シティに3-1と勝利している。欧州カップ出場記録がストップしたリヨンの活躍に刺激を受けてマルセイユも初顔合わせのイングランドの強豪に勝利したいところである。

■シュート数わずか2で完敗のマルセイユ、通算で11連敗

 週の半ばの試合ということで両チームともコンディションに応じて選手起用を行い、マルセイユはCF候補のディミトリ・パイエがベンチスタート、マンチェスター・シティはCFにラヒーム・スターリングではなくフェルナンド・トーレスを起用する。
 試合は一方的な展開となってしまった。前半の18分にフェルナンド・トーレスが先制点をあげ、1点のビハインドでマルセイユは後半を迎える。
 わずか1点差であるが、マルセイユに勝機はなかった。マルセイユのボール支配率は40%に満たず、紺のユニフォームのマンチェスター・シティがベロドロームを縦横無尽に走り回り、倍近くのパスをつないだ。無観客とは言えホームのマルセイユはシュート数がわずか2本にとどまる。これはマルセイユにはスタッツを取り始めた2003年以降で最低という不名誉数字となった。ちなみにこれまでの最少シュート数だったのは、2009年のレアル・マドリッド(スペイン)戦と2013年のアーセナル(イングランド)戦で記録した6本である。終盤にマンチェスター・シティに2点追加され、0-3で敗れた。
 マルセイユは第1節に続き、連敗となったが、実はこれでチャンピオンズリーグでは11連敗となった。2011-12シーズンの決勝トーナメント1回戦の第1戦でインテルミラノ(イタリア)に勝利したのを最後に、第2戦で敗れながらもアウエーゴールの差で準々決勝進出したが、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に連敗する。2013-14シーズンに出場した際は、グループリーグではボルシア・ドルトムント(ドイツ)、アーセナル、ナポリ(イタリア)相手に6戦全敗となる。そして今年は連敗し、11連敗という不名誉な記録となった。
 マルセイユはその1週間後にはポルトと対戦するが、週末のリーグ戦第9節のRCランス戦は来年初めに延期とし、ポルト戦に集中できるが、その結果はどうなるだろうか。(続く)

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