第2795回 パリサンジェルマン、バルセロナを退ける(2) バルセロナの猛攻に耐えたパリサンジェルマン

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■バルセロナでの大勝の直後にホームでモナコに敗れたパリサンジェルマン

 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦でバルセロナ(スペイン)と対戦するパリサンジェルマン、2月16日にアウエーで4-1と大勝、第2戦は3月10日にパルク・デ・プランスで行われる。バルセロナは地元での大敗後はリーグ戦、カップ戦で無敗、特にカップ戦は準決勝の第2戦を戦い、見事に逆転勝利したことは前回の本連載で紹介した。
 迎え撃つパリサンジェルマンであるが、リーグ戦ではリールを追う立場にあり、チャンピオンズリーグでの先勝で余裕ができたところで、首位奪回を狙いたいところであるが、バルセロナでの対象の直後のリーグ戦、ホームでモナコと対戦する。モナコはリーグ4位、3位パリサンジェルマンとの勝ち点差は5である。チャンピオンズリーグ出場圏内の3位を狙うモナコは、この直接対決で前後半に1点ずつ決めて、2-0で勝利した。パリサンジェルマンのその後はリーグ戦2勝、カップ戦1勝、リーグ2位でバルセロナとの第2戦を迎える。

■ネイマールが復帰しなかったパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンはこの試合でネイマールが復帰するかと期待されたが、メンバーに入らず、第1戦でゴールを決めたモイス・キーンは新型コロナウイルスに感染し、同じくメンバー外である。
 少なくとも4点が必要なバルセロナの攻撃陣はリオネル・メッシとアントワン・グリエズマン、ウスマン・ダンベレというフランス人コンビである。
 パリサンジェルマンの攻撃陣はマウロ・イカルディ、キリアン・ムバッペ、ユルゲン・ドラクスラーの3人である。

■先制点はキリアン・ムバッペのPK

 試合は開始早々にパリサンジェルマンがCKのチャンスを得たが、パリサンジェルマンが攻め込んだのは開始直後のみ、予想通りバルセロナが攻める。バルセロナがパスを回し、パリサンジェルマンはバルセロナにボールを持たせて守るという図式になった。 この試合最初の枠内シュートは11分にダンベレ、これはパリサンジェルマンのGKケイロス・ナバスが難なくさばく。その後もバルセロナは積極的にパリサンジェルマンのゴールめがけてシュートを浴びせる。
 しかし、先制点はパリサンジェルマンであった。27分にパリサンジェルマンはCKのチャンスを得る。この日のプレースキックの担当はドラクスラーである。ドラクスラーのCKはニアポストでバルセロナの守備陣にクリアされる。このクリアボールを拾ったのがレイバン・クルザワである。クルザワは再びゴール前にクロスをあげる。このボールはバルセロナのGKマルク・アンドレ・テア・シュティーゲンがキャッチした。しかし、直前のプレーでイカルディがバルセロナのクレマン・ラングレに押されているのではないかということでVARとなった。判定の結果、パリサンジェルマンにPKが与えられ、これをムバッペが右足で強いシュートを放って決める。

■リオネル・メッシは同点ゴールを決めるも、勝ち越しのPKを失敗

 ムバッペはこれがチャンピオンズリーグで通算25得点目となる。わずか22歳80日での記録達成である。そしてこれまでの記録は22歳286日、その保有者はバルセロナの主将メッシが2010年に達成している。そのメッシが負けじとゴールを決める。37分、25メートルの位置からのロングシュート、パリサンジェルマンのGKのナバスも反応したが、届かずに、ネットが揺れる。
 そして前半の終了間際にクルザワがペナルティエリア内でグリエズマンと競り合った際に足を高く上げ、VARの末、危険なプレーでバルセロナにPKが与えられる。1点ずつ積み重ねていきたいバルセロナであったが、メッシのシュートはナバスが残した左膝に当たり、失敗する。このナバスのプレーもVARとなったが、正当な反応であり、バルセロナは勝ち越すことができない。
 後半もバルセロナがボールを支配し、次々とパリサンジェルマンのゴールを襲うシーンが繰り返されたが、ナバスが落ち着いてパリサンジェルマンのゴールを守る。結局、1-1のドロー、2試合通算スコアは5-2、パリサンジェルマンが昨年に続き8強入りしたのである。(この項、終わり)

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