第3051回 モナコ、延長でPSVアイントホーフェンに敗れ、ヨーロッパリーグへ

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■オランダのスーパーカップも制したPSVアイントホーフェン

 8月の最初の週末に開幕したフランスリーグは昨季の優勝チームのパリサンジェルマンと2位のマルセイユの強さが際立った。昨季リーグ3位のモナコもストラスブールに勝利している。そのモナコはリーグ開幕の前後にチャンピオンズリーグの予備戦3回戦をオランダのPSVアイントホーフェンと戦っている。
 8月2日に行われた第1戦については、本連載第3046回で紹介した通り、ホームでの対戦で1-1と引き分けている。第2戦は8月9日にアイントホーフェンで行われた。
 オランダリーグとフランスリーグは同時に開幕し、PSVアイントホーフェンは8月6日にホームで行われた第1節はエメンに4-1と快勝している。また、その前週に行われたオランダのスーパーカップではカップ戦勝者のPSVアイントホーフェンがリーグ優勝のアヤックス・アムステルダムを5-3と下している。

■第1戦と同じ先発メンバーで臨んだモナコ

 昨年は両チームはヨーロッパリーグのグループリーグで対戦したが、今年はチャンピオンズリーグの予備戦3回戦で戦うことになる。両チームともリーグ開幕戦を制して、第2戦を迎えた。勝利すればプレーオフに進むが、敗れた場合はヨーロッパリーグのグループリーグが待っている。
 モナコのフィリップ・クレマン監督は第1戦と同じメンバーで臨むことになった。左ウイングは当初予想されていたカイオ・アンリケではなく、第1戦では不調で、リーグ戦の開幕戦ではメンバーから外れた南野拓実が先発した。攻撃陣では南野に加え、ウィッサム・ベンイェデル、ケビン・フォランドがゴールを狙う。

■優位に試合を進めたモナコ、終了間際に追いつかれ、延長戦に

 試合開始早々、ベンイェデルや南野、アレクサンドル・ゴロビンがゴール前に攻め込み、モナコの得点への意識の高さがうかがわれる。アウエーでありながら、試合を支配したモナコであるが、先制点を奪えない。3万5000人のファンに支えられたホームのPSVアイントホーフェンも勝利しなくてはならないが、10分過ぎまではモナコのゴール前に攻め込むことができなかった。ところが21分、PSVアイントホーフェンは右サイドをイスマエル・サイバリが駆け上がり、グラウンダーのクロスをヨエイ・フェールマンが決めて先制する。フェールマンは第1戦に次ぐ得点である。その後もモナコが優勢に試合を進めたが、決定的なチャンスはアイントホーフェンに訪れる。モナコは前半終了間際にベンイェデルがゴール前の至近距離からシュートを放つが、かつてニースに在籍していたワルター・ベニテスに阻まれ、1点のビハインドで後半を迎える。
 後半に入ってモナコは次々と選手を交代させた。この選手交代が功を奏し、途中出場のカイオ・アンリケのCKのこぼれ球をギレルモ・マリパンがゴールに入れて同点に追いつく。さらに70分にベンイェデルが勝ち越し点を奪う。モナコはこのリードを守るべく、守備的な選手交代を重ねる。88分にはモナコはエリオット・マタゾからのパスを受けたブレール・エンボロがペナルティエリア内で倒される。ところが主審は全く反応せず、試合続行する。この直後にPSVアイントホーフェンはフリーキックを素早く始め、エリック・グティエレスがゴール前の混戦から同点ゴールを決め、2-2のタイスコアで90分を迎えた。かつてのルールであればアウエーゴールの多いモナコが勝ち抜きであったがアウエーゴール2倍ルールがなくなったため、延長戦となる。

■延長戦で主将が決勝点をあげたPSVアイントホーフェン

 延長戦に入って間もなく、エンボロのヘディングシュートがバーをたたくなど、延長でもモナコの優位な展開が続いた。そして延長も後半に突入した109分、PSVアイントホーフェンはは主将のルーク・デ・ヨングが決勝点を決める。モナコは追いつくことができず、昨年同様ヨーロッパリーグで戦うこととなった。
 なお、オランダ勢のPSVアイントホーフェンがフランス勢のモナコに勝利したことは、UEFAランキングに影響があった。オランダは7位から6位への順位を上げ、フランスは5位をキープしたものの、オランダとの差が縮まった。将来の欧州カップへの出場数に影響を及ぼすかもしれないのである。(この項、終わり)

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