第3067回 チャンピオンズリーグ開幕(7) マルセイユ、初戦でトットナム・ホットスパーに敗れる

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■昨季はヨーロッパカンファレンスリーグに出場したトットナム・ホットスパー

 2010年代後半からチャンピオンズリーグに連続出場していたイングランドのトットナム・ホットスパーであるが、昨季はヨーロッパカンファレンスリーグに出場している。前年リーグ7位のトットナム・ホットスパーは、フランスリーグで前年6位だったレンヌと同様にプレーオフを勝ち抜いて、グループリーグに出場した。トットナム・ホットスパーはグループリーグに出場した32チームの中でUEFAランキングではイタリアのASローマに次ぐ2番手であり、初代チャンピオンの有力候補であった。しかし、グループリーグではレンヌ、フィテッセ(オランダ)に及ばず3位にとどまり、敗退してしまう。第1シードの8チームで唯一決勝トーナメントに進出することができなかった。
 一方、前回の本連載で紹介した通り、マルセイユはこのヨーロッパカンファレンスリーグで準決勝に進出したが、前年リーグ4位のマルセイユはまずヨーロッパリーグのグループリーグに参戦し、そこで3位となってヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメントに転戦してきた。両チームは昨季のヨーロッパカンファレンスリーグではすれ違った形であるが、今季はチャンピオンズリーグで直接対決することになったのである。

■国内リーグでは無敗でチャンピオンズリーグの開幕を迎えた両チーム

 フランスもイングランドもチャンピオンズリーグ開幕までに国内リーグを6節消化している。マルセイユは5勝1分で2位、トットナム・ホットスパーは4勝2分で3位、無敗同士の対戦となる。また、トットナム・ホットスパーは昨季から通算すると12戦無敗である。
 マルセイユが欧州カップでイングランド勢に最後に勝利したのは2010-11シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグ第6節のチェルシー戦、マルセイユはこの勝利で決勝トーナメントに進出したが、1回戦で対戦したマンチェスター・ユナイテッド戦で1分1敗と敗れてからイングランド勢にはここまで8試合連続して勝利を記録していない。

■両チーム無得点で折り返した前半

 白いユニフォームのトットナム・ホットスパーを率いるのはアントニオ・コンテ監督、水色のユニフォームのマルセイユで今季から指揮を執るのはイゴール・トゥドール監督、2人はかつてイタリアのユベントスではチームメイトであった。両チームとも3-4-3システムで臨み、トットナム・ホットスパーのCF、ハリー・ケインのキックオフで試合は始まった。  序盤からマルセイユは積極的に攻める。右のジョナタン・クロース、左のヌーノ・タバレスの2人のサイドプレーヤーが攻めあがるが、トップのルイス・スアレス、マテオ・ゲンドウジ、ジェルソンのペナルティエリア内でのシュートには結びつかない。
 一方のトットナム・ホットスパーは中央にケイン、右に新加入のリシャルリソン、左に孫興慜という攻撃陣である。この3人もマルセイユの守備陣に手こずり、前半は両チーム無得点でロッカールームに引き揚げる。

■後半開始早々に10人になったマルセイユ、終盤に2得点をあげたリシャルリソン

 後半開始早々、左サイドをドリブルしてきた孫をマルセイユの右DFのシャンセル・ムベンバが倒してしまう。ペナルティエリアの外側であったが、決定的得点機の阻止ということで主審はレッドカードを提示、マルセイユはほぼ試合の半分を10人で戦うことになった。
 ここから試合は攻めるトットナム・ホットスパー、守るマルセイユという構図になる。マルセイユの守備は固く、トットナム・ホットスパーは攻撃的な選手交代も行うが、なかなか得点をあげることができない。この停滞感を打ち破ったのがリシャルリソンである。ブラジル代表であり、昨年の東京オリンピックの得点王であるリシャルリソンは日本の読者の皆様もよくご存じであろう。76分にイバン・ペリシッチの左サイドからのクロスをヘディングでシュート、ようやく待望の先制点となる。さらにリシャルリソンは81分にもヘディングで2点目を決めている。
 対するマルセイユは試合終盤に1点を返すチャンスを得たが、得点ならず、初戦を0-2と落としたのである。(この項、終わり)

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