第3086回 3チームが参戦したヨーロッパリーグ(4) 最終節でプレーオフ出場を目指すモナコ

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■混戦となったグループH

 ヨーロッパリーグに参戦したフランス勢の中では欧州での実績があるモナコ、第1戦では第1シードのレッドスター・ベオグラード(セルビア)をアウエーで破ったが、ホーム初戦となる第2節ではハンガリーの古豪フェレンツェバローシュに敗れ、第3節ではトルコのトラブゾンスポルにホームで快勝、前半戦は2勝1敗となる。
 グループHは混戦となりフェレンツェバローシュとモナコが2勝1敗、レッドスター・ベオグラードとトラブゾンスポルが1勝2敗、首位チームは決勝トーナメントにそのまま進むことができるが、2位になった場合はチャンピオンズリーグのグループリーグで3位となったチームと対戦し、ここで勝利しなければ決勝トーナメントに進むことができない。また同勝ち点で並んだ場合は直接対決の成績で順位が決まり、残り3試合の1つ1つを大切に戦わなくてはならない。

■信じられないミスから先制を許したモナコ

 モナコの後半戦最初の試合はトラブゾンスポルとのアウエーでの試合、1週間前のモナコで快勝したイメージの残っているうちに連勝をしておきたいところである。第3節と第4節の間に行われたリーグ戦ではモンペリエをアウエーで2-0と破り、国内リーグ5連勝となる。トラブゾンで勝利すれば、決勝トーナメントへ大きく前進する。モナコは試合前の練習中にブノワ・バディアシルが負傷し、マラン・サールが代わって先発する。モナコは試合開始直後からウィッサム・ベンイェデルとブリール・エンボロの2トップが積極的にゴールに迫る。しかしながらモナコはなかなか先制点を決めることができない。30分を過ぎるとトラブゾンスポルが攻撃を見せるようになる。そして前半終了間際の44分、信じられないプレーが起きた。GKのアレクサンドル・ニューベルはバックパスを受け、それを左サイドにフィードした。このボールがサールに当たり、そのまま無人のゴールに吸い込まれていった。オウンゴールによる失点が後半のモナコを崩してしまった。

■次々と失点を重ね、トラブゾンスポルに大敗

 後半のモナコは前半の躍動ぶりは見る影もなく、38年ぶりにリーグ制覇を果たしたトラブゾンスポルの勢いに飲まれてしまった。後半が始まって間もない48分にはビトール・ウーゴがアナスタシオス・バカセタスのCKをヘディングで合わせる。モナコのGKニューベルは戦意を失ったのか、防ぐことができず、易々と追加点を許してしまう。トラブゾンスポルは57分にはFKの名手、北マケドニア代表のエニス・バルディがペナルティエリアのすぐ外側にボールをセット、モナコは壁を築く。しかしこの勝負はバルディが勝った。グラウンダーのシュートが壁の下を通り、ポストに当たってゴールイン、3点のリードとなる。モナコとしてはトラブゾンスポルと勝ち点で並んだ際に直接対決の成績で上回りたいところであり、3点差をつけられたのは痛い。点差を詰めたいモナコは次々とメンバーを交代させるが、得点をあげることができない。逆にトラブゾンスポルは途中交代のトレゼゲが追加点、モナコは0-4と大敗したのである。
 グループHのもう1試合はフェレンツェバローシュがレッドスター・ベオグラードを2-1で下し、勝ち点9で首位となる。モナコはトラブゾンスポルと並ぶ勝ち点6であるが、直接対決の結果で3位に落ちた。

■フェレンツェバローシュとドロー、直接対決の結果で首位を逃したモナコ

 第5節でモナコは首位のフェレンツェバローシュとアウエーで対戦する。ホームで敗れている相手だけに、アウエーとは言っても勝利、できれば2点以上得点を取って勝利したい。また、もしも敗れた場合、もう1試合の結果によっては敗退が決まってしまう。第4節で大敗してからモナコはリーグ戦でも1分1敗と調子を崩す。心配された。しかし、主将のベンイェデルがこの日も活躍した。積極的に攻撃を仕掛け、31分には先制点を奪う。モナコは追加点をあげるべく攻撃を続けたが、後半に入ると前半の勢いを失う。結局、81分に追いつかれ、試合は1-1のドローとなる。フェレンツェバローシュは勝ち点10、2位モナコは勝ち点7で、最終節でモナコは勝ち点で追いつくことはできるが、直接対決の結果で及ばず、フェレンツェバローシュが決勝トーナメント進出を決定する。モナコはプレーオフ出場権のある2位を守るために最終節を戦うのである。(続く)

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