第3157回 ヨーロッパリーグのフランス勢の戦い (4) モナコもレンヌもPK戦で敗れ、フランス勢全滅

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■好調な成績のモナコ、苦しい戦いの続くバイエル・レバークーゼン

 前回の本連載ではアウエーの第1戦でユベントス(イタリア)と引き分けたナントが2月23日のホームの第2戦で0-3と敗れたことを紹介した。そのナントと同時刻の18時45分にキックオフを迎えたのがモナコである。モナコはバイエル・レバークーゼン(ドイツ)とのアウエーの第1戦ではオウンゴールで先制した後、いったんは逆転されたが、74分に追いつき、後半のアディショナルタイムにアクセル・ディザジのミドルシュートによる決勝点で3-2と勝利し、優位な立場でホームの第2戦を迎えることになった。
 モナコは今年最初の試合のフランスカップで2部のロデスに敗れたが、その後のリーグ戦では6勝2分と負けなし、リーグ戦の順位も3位まで上昇させてきた。プレーオフ2試合の間に行われた週末のリーグ戦でもブレストにアウエーで勝利している。
 バイエル・レバークーゼンは国内リーグでは中位の10位、プレーオフ2試合の間に行われたリーグ戦ではホームでマインツに敗れ、過去5試合のうち4試合は黒星となった。モナコの方にチームの勢いがあることは明らかであった。

■バイエル・レバークーゼンが先手を取り、追う展開となったモナコはPK戦で敗れる

 しかし、バイエル・レバークーゼンのキックオフで始まった試合、開始からモナコはゴールを狙うが、バイエル・レバークーゼンの組織的な守備に阻まれる。逆に12分にバイエル・レバークーゼンがCKを得る。このCKから始まった攻撃、なかなかモナコは自陣ゴール前からクリアすることができない。最後は第1戦でも得点を決めたフロリアン・ビルツが無人のゴールにシュート、これで通算スコアはタイとなった。
 先制点を奪ったバイエル・レバークーゼンは試合の主導権を握るが、18分にモナコはウィッサム・ベンイェデルがペナルティエリアにボールを持ちこみ、エリス・ベンセギルにパス、ところがベンセギルが倒され、モナコにPKが与えられる。ベンイェデルがPKを決めて、1-1に追いつき、通算スコアでモナコが1点リードとなる。
 ところがその直後にバイエル・レバークーゼンはCKからエセキエル・パラシオスがゴールを決める。2試合通算スコアはタイであるが、試合はバイエル・レバークーゼンのペースで進み、後半に入る。
 58分にはバイエル・レバークーゼンはフランス人のアミン・アドリが得点をあげ、2試合通算成績でもリードする。劣勢のモナコは選手交代を試み、84分にブレール・エンボロが1点を返し、通算スコアは5-5となり、90分の笛が吹かれた。
 延長戦に入ってモナコが交代選手の活躍で試合を支配するが、得点には至らず、PK戦となる。PK戦では後蹴のモナコは1人失敗、先蹴のバイエル・レバークーゼンは5人全員が成功、モナコは敗退した。

■延長後半でリードを奪いながら、終了間際のオウンゴールで追いつかれたレンヌ

 フランス勢の中で最も悲劇的な敗退だったのはレンヌであろう。ウクライナのシャフタール・ドネツク相手にポーランドのワルシャワでの第1戦を1-2で落としたレンヌはホームのロアゾンパークでキックオフ直後からギアをあげ、積極的な試合を進める。押し気味の前半は得点を奪うことができなかったが、後半に入ったばかりの52分、カール・トコエカンビがカウンターから得点をあげる。これでレンヌは追いついた。アウエーゴール2倍ルールが残っていれば、90分を終えたところでレンヌの勝ち抜きであったが、90分終了した時点で通算スコアは2-2のため、延長に入る。
 延長戦に入りホームで30分間長く戦えるレンヌはそのアドバンテージをいかし、延長後半が始まったばかりの106分にイブラヒム・サラがロングパスからの攻撃で得点をあげる。これで勝利かと思われたが119分、ここまで攻守を続けてきたジャンヌエル・ベロシアンがクロスの処理を誤ってオウンゴール、通算スコアが3-3となり、PK戦となる。

■7人目までもつれたPK戦で敗れたレンヌ

 PK戦もレンヌは2人目と3人目が連続して失敗、土俵際に追い詰められたが、逆にシャフタール・ドネツクは4人目と5人目が失敗し、6人目以降の戦いとなる。7人目でレンヌは枠を外し、シャフタール・ドネツクは決める。レンヌもPK戦で敗れ、フランス勢は3チームともプレーオフ敗退となったのである。(この項、終わり)

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