第3297回 ヨーロッパリーグ最終節(2) レンヌもマルセイユも直接対決に敗れ2位

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■2位以内を確定しているレンヌもマルセイユも最終節で首位争いの直接対決

 前回の本連載ではヨーロッパリーグのグループリーグ最終節でトゥールーズがアウエーでオーストリアのLASKに勝利して2位をキープ、来年2月に行われる決勝トーナメントのプレーオフに進出することを紹介した。
 今回紹介するレンヌもマルセイユもすでに2位以上を確定しているが、最終節で1位の座を直接対決で争う。チャンピオンズリーグとは異なり、決勝トーナメントに直接進出できる1位とプレーオフ経由となる2位とでは大きく条件が異なる。

■ビジャレアルに先制を許したレンヌ、再開のキックオフの9秒後に追いつく

 トゥールーズと同じ時間にキックオフを迎えたのがグループFのレンヌである。レンヌはここまで4勝1敗(勝ち点12)で首位、2位のビジャレアル(スペイン)とともに2位以上を確定している。レンヌはそのビジャレアルと最終節ではホームで対戦する。ビジャレアルは3勝1分1敗の勝ち点10、すなわち最終戦でレンヌは引き分け以上でないと首位をキープできない。
 レンヌの本拠地ロアゾン・パークには満員の観衆が詰めかけた。10月5日に行われたアウエーの試合ではビジャレアルに勝利を譲ったが、序盤から激しい試合となり、互角の展開となる。そして34分、ビジャレアルのアレックス・バエナに対し、ペナルティエリア内でレンヌの選手がファウル、ビジャレアルにPKが与えられ、ジェラール・モレナのシュートに対し、レンヌのGKスティーブ・マンダンダは逆に反応、ビジャレアルが先制する。 この失点後のキックオフからレンヌは右サイドを攻め上がり、エンゾ・ルフェからのパスをロレンツ・アシニョンが狭いサイドに決める。キックオフからわずか9秒後の出来事であった。負傷者が相次ぎ、アディショナルタイムが6分もあった前半は1-1で折り返す。

■後半アディショナルタイムの同点ゴールが取り消され、2位に陥落したレンヌ

 後半に入っても激しい試合が続く。バンジャマン・ブリジョーは負傷して試合を継続できなくなりルドビック・ブラが入る。先にスコアしたのはビジャレアルであった。63分にイリアス・アコマシュが左足でシュートを決める。リードを許したレンヌは79分にブラのゴールで勝ち越すが、ビジャレアルは80分にダニ・パレホが勝ち越し点を決める。 後半もアディショナルタイムは長くなり、101分にレンヌはアシニョンが同点ゴールを決めたかに見えたが、オフサイドで取り消され、2-3で敗れたのである。

■終盤にブライトンに決勝点を奪われたマルセイユも2位

 この日の21時にキックオフを迎えたのがマルセイユである。マルセイユもレンヌと似た状況で首位で勝ち点11、2位のブライトン(イングランド)とともに2位以内を確定し、最終戦はブライトンでの直接対決となる。両チームの勝ち点差は3であるため、マルセイユは引き分け以上で首位、負ければ2位となる。
 レンヌとは異なりアウエーでの戦いとなるマルセイユ、試合の序盤はそれでも積極的に攻めあがった。15分にはジョナタン・クロースのシュートがクロスバーをたたく。流れが変わったのは18分、ブライトンはこぼれ球を三笘薫がシュート、マルセイユのGKポー・ロペスにキャッチされたものの、ここから試合はブライトンペースとなる。ブライトンが地域を支配し、マルセイユのゴールにシュートを放つも、前半は両チームスコアレスとなる。
 劣勢のマルセイユは残り45分守り切れば、首位を守ることができる。初めての欧州カップ参戦となるブライトンのファンの声援のボリュームも上がる。守勢のマルセイユであったが、チャンスは59分に訪れた。ピエール・エメリク・オーバメヤンがポストプレーでアミン・アリ、ミッチェル・ムリージョにつなぎ、右足でシュート、狭いニアサイドを狙ったシュートはポストに嫌われた。
 その後も攻めるブライトン、守るマルセイユという図式は変わらなかったが、終了間際にブライトンは歓喜に包まれた。88分、ゴール前でパスをつないだブライトンは、最後はジョアン・ぺドロスが決勝点を決める。
 0-1で敗れたマルセイユも2位に陥落、プレーオフ経由で決勝トーナメントを目指すのである。(この項、終わり)

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