第3333回 プレーオフで苦戦したフランス勢 (1) アウエーで2点リードを守れなかったRCランス

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランス勢全6チームがノックアウトステージへ進出

 2月中旬になり、欧州カップの決勝トーナメントが始まった。フランス勢はチャンピオンズリーグにパリサンジェルマン、ヨーロッパリーグにRCランス、マルセイユ、トゥールーズ、レンヌ、ヨーロッパカンファレンスリーグにリールと全6チームがグループリーグを勝ち抜いて、ノックアウト形式の戦いに挑む。 このうち、パリサンジェルマンとリールはベスト8決定戦に相当する1回戦から参戦するが、ヨーロッパリーグに出場する4チームはベスト16決定戦に相当するプレーオフからに出場する。

■2月中に行われたヨーロッパリーグのプレーオフ

 フランス勢6チームの中で最初に登場したのは2月13日にホームにレアル・ソシエダ(スペイン)を迎えたチャンピオンズリーグのパリサンジェルマンであるが、第2戦は3月5日である。この間にホームアンドアウエーの2試合を終えたのがヨーロッパリーグのプレーオフである。第1戦は2月15日、第2戦は2月22日に行われた。今回と次回はプレーオフに臨んだ4チームの戦いを紹介しよう。
 プレーオフに出場した4チームのうち、マルセイユ、トゥールーズ、レンヌはヨーロッパリーグのグループリーグで2位、RCランスはチャンピオンズリーグのグループリーグの3位となってプレーオフにそれぞれ転戦してきた。プレーオフはヨーロッパリーグのグループ2位チームとチャンピオンズリーグのグループ3位チームが対戦する。プレーオフに出場する16チームにおいて、フランス勢の4チームは最大勢力である。続いてポルトガル勢の3チーム、イタリア勢の2チーム、残りは7か国から1チームずつプレーオフに臨む。
 ヨーロッパリーグのグループ2位チームがシード扱いとなり、アウエーで第1戦を迎える。まずはホームで第1戦を迎えたRCランスの戦いを紹介しよう。

■リーグ戦3連勝中のRCランス、リーグ戦3連敗中のフライブルクとホームでドロー

 グループリーグではアーセナル(イングランド)相手に勝利しながら、PSVアイントホーフェン(オランダ)に勝ち点で1及ばず3位となったRCランス、昨季は2位だった国内リーグでは調子が出なかったが、年が明けて初戦のパリサンジェルマン戦にも敗れた。しかし、アフリカネーションズカップで3人を欠く陣容でありながら、その後3試合連続で勝利し、6位に順位を上げ、来季の欧州カップ戦も見えてきた。
 RCランスの相手はドイツのフライブルクである。堂安律が所属しているので日本の読者の皆様の関心も高いであろう。ヨーロッパリーグのグループリーグでは最終節でウェストハム・ユナイテッド(イングランド)とアウエーで直接対決。勝ち点12同士の相星決戦であったが、ホームのウェストハム・ユナイテッドが2-0で勝利し、フライブルクは2位となった。RCランスと対照的に国内リーグでは現在3連敗中である。
 不調のフライブルクをホームに迎えて、先手を取りたいRCランス、試合の序盤は狙い通り優位に試合を進める。17分にはエリ・ワヒがペナルティエリア内で倒れるが笛は吹かれず、逆に19分にはフライブルクがワンツーで決定機を迎える。フライブルクは右サイドの堂安とローランド・サライが攻撃するも得点には至らない。前半は両チーム無得点で折り返す。
 後半に入り、70分にRCランスはマサディオ・アイダラのシュートが決まるが、ハンドがあったのではないかとVARになり、結局他の選手のオフサイドが認められ、ノーゴールとなり0-0のドローで第2戦を迎える。

■2点リードしたRCランス、後半アディショナルタイムに追いつかれ、延長で力尽きる

 フライブルクでの第2戦はめまぐるしい展開となった。先手を取ったのはアウエーのRCランス、28分にFKのロングフィードからダビッド・ペレイラ・ダ・コスタがゴール、さらにアディショナルタイムの47分にもワヒが追加点。これで勝負あったかに見えたが、後半に入って68分にフライブルクはサライが1点を返す。後半のアディショナルタイムの92分にもサライはゴールを決め、2-2となり、試合は延長戦に入る
 アウエーで延長を戦うRCランスに勝機はなくなった。延長後半の99分、フライブルクはオーストリア代表のミハエル・グレゴリッチュが決勝点をあげ、3-2で勝利、RCランスは欧州の舞台から降りたのである。(続く)

このページのTOPへ