第3357回 パリサンジェルマン、バルセロナに大逆転(1) 2人の監督、ルイス・エンリケとシャビ・エルナンデス

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■ファンを失望させたパリサンジェルマン

 4月10日にパルク・デ・プランスで行われたバルセロナとの準々決勝、パリサンジェルマンはいったんは逆転しながら、再度逆転され、2-3と第1戦を落とした。パリサンジェルマンの敗戦は2024年に入ってから初めてであり、昨年11月7日にチャンピオンズリーグのグループリーグ第4節でACミラン(イタリア)に敗れて以来、27試合無敗であったが、その記録も途絶えた。そして、直前のクレルモン戦でメンバーを入れ替えたパリサンジェルマンに対し、国内外から失望と批判の声が止まなかった。特に来季はレアル・マドリッド(スペイン)への移籍が噂されているキリアン・ムバッペはノーゴールに終わり、来季からのクラシコへの不安も高まり、厳しい評価となった。

■極めて難しいホーム第1戦黒星からの勝ち抜き

 ホームアンドアウエー方式のノックアウト方式であるチャンピオンズリーグの決勝トーナメントでホームの第1戦で敗れて、アウエーの第2戦で勝利し、2試合通算得点で上回って勝ち抜いたケースは極めて少ない。アウエーの第1戦で勝利した過去25チームはすべて勝ち抜いており、アウエーの第1戦で勝利しながら勝ち抜けなかったのは2018-19シーズンの準決勝でトットナム・ホットスパー(イングランド)に敗れたアヤックス(オランダ)までさかのぼらなくてはならない。
 パリを迎え撃つバルセロナは現在13戦無敗、特に直近の6試合は勝利しており、今季最もコンディションが良いと言えるであろう。

■チームメイトであり、師弟関係でもあったルイス・エンリケとシャビ・エルナンデス

 このように悲観的な数字が並ぶが、パリサンジェルマンの監督のルイス・エンリケは、第2戦に向けて確固たる自信をもっていることを表明した。他方、バルセロナの監督のシャビ・エルナンデスは今季いっぱいでの退任を表明している。この2人はかつてはバルセロナのチームメイトとしてプレーし、ルイス・エンリケが監督に就任した時はシャビ・エルナンデスは選手として師弟関係にあった。プレーヤーとして2人が対戦したことはなく、今回、2人が初めて監督として対戦する。
 監督としてのキャリアは年長のルイス・エンリケに一日の長があり、バルセロナで3シーズン監督を務めただけではなく、セルタビゴ(スペイン)、ローマ(イタリア)の監督も務め、スペイン代表監督を経てバルセロナの監督となった。また在任3シーズンの勝率もバルセロナの歴代監督の中では屈指の成績を残している。
 一方のシャビ・エルナンデスは選手としてバルセロナでプレーした後、選手として最後のキャリアをカタールのアルサッドで全うした。2019年にアルサッドで現役を引退し、そのままアルサッドの監督に就任した。カタールリーグの最優秀監督にも選出されたが、2021年にバルセロナの監督に戻ってきたのである。就任2年目の2022-23のリーグ戦優勝だけが獲得タイトルであり、ここまでの勝率もルイス・エンリケには及ばない。
 もし、ルイス・エンリケのパリサンジェルマンがバルセロナに勝ち抜けば、バルセロナの監督経験者が他のチームに移ってバルセロナに初めチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで勝利することになる。

■第1戦と第2戦の間に試合がなかったパリサンジェルマン

 さて、気になる第1戦と第2戦の間の週末であるが、スペインリーグは第31節が行われ、バルセロナは4月13日にアウエーでカディスに勝利した。この試合、バルセロナは一部選手を入れ替えたが、カディスをシュート数0本におさえて勝利した。
 他方、フランスリーグは13日と14日の週末に第29節が行われたが欧州カップの準々決勝を戦うパリサンジェルマン、マルセイユ、リールの3チームの試合は第30節と第31節の中間になる24日の水曜日に試合を行うよう、日程が調整された。この日程がどのような影響を与えるだろうか。(続く)

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