第3365回 ボルシア・ドルトムントが先勝(1) 準々決勝以降の国内の戦績が対照的な両チーム

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■グループリーグでも対戦したボルシア・ドルトムント

 準々決勝でバルセロナ(スペイン)に逆転勝利したパリサンジェルマン、3年ぶりの準決勝進出となった。準決勝の相手はドイツのボルシア・ドルトムント、グループリーグの再戦となる。
 グループリーグでの対戦は本連載で紹介しているが、最初の第1節と最後の第6節で対戦している。9月18日の第1節はパリで行い、パリサンジェルマンがキリアン・ムバッペの先制点などで2-0と勝利している。幸先よいスタートを切ったパリサンジェルマンであるが、第2節から第5節までの4試合は1勝1分2敗と苦しみ、第6節を迎える時点で2位であったが、2位以内を確定できていなかった。12月13日の第6節は首位のボルシア・ドルトムントとアウエーで対戦、この試合で敗れ、同時刻に行われるニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)とACミラン(イタリア)の試合が勝敗がつくと、パリサンジェルマンは3位に落ちてしまう。この試合はボルシア・ドルトムントも引き分け以上で首位突破ということもあり、ドローとなって両チームがチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出となった。
 準決勝の第1戦は5月1日、ドルトムントで行われるが、昨年12月のドローは上述のような事情があり、参考にはならないであろう。

■準々決勝は両チームとも第2戦で逆転を決める

 むしろ両チームの勢いを比較したい。チャンピオンズリーグの準々決勝の結果を見るならば、パリサンジェルマンは第1戦で敗れ、第2戦で勝利し、2試合通算スコアで勝ち進んできたが、ドルトムントも同様であり、アウエーの第1戦でアトレチコ・マドリッドに1-2と敗れながら、ホームの第2戦で4-2と逆転して勝ち進んできた。

■準々決勝以降、国内の強敵に対して勝ちのないボルシア・ドルトムント

 そして準決勝進出を決めた後の国内での戦いであるが、ドルトムントは骨のある相手と連戦した。まず、すでに優勝を決めているレバークーゼンとホームで対戦した。試合終盤の81分にニコラ・フリュクルクがゴールをあげ、開幕以来続いていたレバークーゼンの無敗記録をストップするとファンは期待した。しかしながら後半アディショナルタイムの96分、ヨシプ・スタシッチに同点ゴールを決められてしまい、レバークーゼンの勢いを止めることができなかった。続いての試合はアウエーでのRBライプチヒ戦である。この時点でドルトムントは勝ち点57でリーグ5位。3連勝でドルトムントをかわして4位に浮上したのがRBライプチヒである。来季のチャンピオンズリーグ出場権を争う試合、勝ち点2差で追うドルトムントはアウエーゲームであるが、勝利の欲しいところである。ドルトムントは累積警告や体調不良者を除いてベストメンバーで臨む。その目論見通り、ドルトムントは立ち上がりから攻め込んで20分にジェイドン・サンチョが先制点を奪う。しかし、ドルトムントはその直後に追いつかれ、逆転を許す。後半に入っても2点を追加され、1-4と敗れ、準々決勝と準決勝の間の2試合はいずれも勝つことができなかった。

■準々決勝以降、圧勝を続け、リーグ優勝も果たしたパリサンジェルマン

 一方のパリサンジェルマンは、延期となった準々決勝2試合の間の週末に予定されていたロリアン戦を含み、リーグ戦3試合を戦っている。また、リーグ優勝も目前に迫っており、準決勝の前に優勝を決めておきたいところである。
 バルセロナでの見事な逆転劇の5日後の21日、ホームにリヨンを迎えた。序盤はもたついたリヨンであるが、後半になって上り調子、来季の欧州カップ出場を狙う勢いがあるが、このリヨンを簡単に4-1と退ける。水曜日の24日は当初は試合予定はなかったが、バルセロナ戦の間に行われるはずのロリアン戦が入る。アウエーの試合であったが、これも難なく4-1と圧勝、アウエーのバルセロナ戦から3試合続けて4-1と勝利し、優勝に王手をかけた。
 ドルトムント戦前の最後の試合は27日のホームでのルアーブル戦、この試合で勝利すれば、パリサンジェルマンはリーグ優勝を果たす。パリサンジェルマンはキリアン・ムバッペ、ゴンサロ・ラモスをベンチスタートさせるが、ルアーブルに先制を許す。ブラッドリー・バルコラのゴールで追いつくが、再び勝ち越され、後半に入って追加点を許し、2点差となる。後半に入って投入したムバッペ、ゴンサロ・ラモスの活躍でドローに持ち込むが、優勝はならなかった。翌日に2位モナコが敗れたため、ドルトムント戦前の優勝を果たすことができた。
 準々決勝以降の両チームの国内での戦いは対照的なのである。(続く)

このページのTOPへ