第3370回 ボルシア・ドルトムントに連敗、決勝進出ならず(3) 第1戦に続き、完封負け

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■後半開始早々にウォーレン・ザイール・エメリのシュートがポストに当たる

 チャンピオンズリーグの準決勝、パリでの第2戦、前半は両チーム無得点、残り45分間で決勝進出チームが決定する。選手交代をせずに両チームはピッチに戻ってきた。
 後半のキックオフはボルシア・ドルトムント(ドイツ)、マルセル・サビツァーのキックで開始された。最初にチャンスをつかんだのはパリサンジェルマンであった。47分、アクラフ・ハキミのクロスをニコ・シュロッターベックがクリアし、ボルシア・ドルトムントはCKに逃げる。左サイドのCK、キッカーのキリアン・ムバッペは事態を打開するべく、ショートコーナーを選択、ムバッペはボールを戻してもらい、ゴール前にクロスを上げる。ゴール前では合わせることができず、ファーポストのウォーレン・ザイール・エメリが右足で合わせるが、ポストに当たってゴールはならなかった。

■ベテランのマッツ・フンメルスがヘディングで先制点

 そしてその3分後の50分、パリサンジェルマンはマルキーニョスがGKのジャンルイジ・ドンナルンマへのバックパスをミスし、ボルシア・ドルトムントにCKが与えられる。左サイドからのCKのキッカーはユリアン・ブラント、ボールはゴール前のルーカス・ベラウドの頭上を越える。ファーポストでヘディングで合わせたのはマッツ・フンメルスであった。ジャンルイジ・ドンナルンマのセーブも及ばず、ボルシア・ドルトムントが先制、2試合通算スコアでパリサンジェルマンは2点を追うことになった。

■一方的に攻めるパリサンジェルマン、シュートがバー、ポストをたたき続ける

 この1点で試合は攻めるパリサンジェルマン、守るボルシア・ドルトムントと両チームのゲーム運びが対照的になった。
 56分にドルトムントはここまでパリサンジェルマンの守備陣を悩ませてきたFWのカディム・アデイェミをベンチに下げ、ベテランMFのマルコ・ロイスを投入する。この試合の直前にボルシア・ドルトムントとの来季の契約は結ばないことを発表しており、レジェンドにとってはホームでの最後の国際試合とあって万雷の拍手で迎えられる。
 なんとか同点に追いつきたいパリサンジェルマンであるが、不運が付きまとった。61分にはペナルティエリアのすぐ外からヌーノ・メンデスが左足でミドルシュートを放つが、これもまたポストに当たる。
 試合も終盤にかかるとまだ警告を受けていないボルシア・ドルトムントはイエローカード覚悟での厳しい守備を展開し、サビツァー、フンメルスが立て続けに警告を受ける。ボルシア・ドルトムントはFWのジェイドン・サンチェをベンチに下げ、DFのニクラス・ズーレを投入し、守備偏重の戦術を徹底する。少ないチャンスをスピードのある攻撃につなげ、77分にはCKのチャンスにズーレがヘディングで落としたところをフンメルスがゴールに蹴りこんだが、これはオフサイドの判定で取り消される。
 2点を追うパリサンジェルマンは80分がハキミがムバッペにスルーパスを通し、ムバッペはシュートするが、ボルシア・ドルトムントのGKグレゴール・コベルに阻まれた。80分を過ぎてパリサンジェルマンは連続攻撃を仕掛け、83分のマルキーニョスのシュートはわずかに外れ、86分のムバッペのシュートはバーに嫌われる。88分にはビティーニャのシュートがバーをたたく。91分にはボルシア・ドルトムントのペナルティエリア内でシュロッターベックの腕に当たってムバッペが倒れるが、主審はペナルティを取らない。5分間のアディショナルタイムもパリサンジェルマンはゴールネットを揺らすことができず、前週のドルトムントの試合に続いて0-1で連敗し、準決勝敗退が決定した。

■圧倒的に試合を支配するも得点をあげられなかったパリサンジェルマン

 7割近いボール支配率で、相手の4倍以上の30本のシュートを放ったパリサンジェルマンは無得点に終わる。チャンピオンズリーグのホームゲームでゴールをあげることができなかったのはこれまで2回、そのいずれも相手はバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)であり、今回もドイツのクラブの堅守を崩せなかったのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ