第3495回 終盤戦のリーグフェーズ (1) パリサンジェルマン同様不振のマンチェスター・シティ
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■1月の終盤に2試合行われる欧州カップのリーグフェーズ
新たな年になり、本連載ではチャンピオンズトロフィー、前半戦が終了したフランスリーグ、フランスカップのベスト16決定戦と順に紹介してきた。そして今回から紹介するのがチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのリーグフェーズである。従来、1月には代表チームもクラブチームも試合がなく、国内のみの時期であったが、今回の欧州カップの大会方式の変更が大きな変化につながった。
チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグとも従来のグループリーグは各チーム6試合であったが、今季からのリーグフェーズとなって各チーム8試合となり、第7節を1月の21日から23日にかけて戦い、最終の第8節はその翌週の1月29日から31日にかけて行われる。グループリーグをホームアンドアウエーで行っていたチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグでは第1戦と第2戦の間が1週間ということがかつてあったが、新方式になってこれが復活した。
■第7節に勝利して勢いを最終節に持ち込みたいパリサンジェルマン
終盤の2試合が連続した週に行われることから第7節で勝利すればその勢いをそのまま第8節に持ち込むことができ、逆に第7節でつまずいてしまえば、第8節にそれを引きずってしまうことになりかねない。
フランスからチャンピオンズリーグに出場している4チーム、ヨーロッパリーグに出場している2チームのうち、最もこの終盤戦の重要性を認識している、認識せざるを得ないのがパリサンジェルマンであろう。フランス勢で唯一トップシードとなる第1シードになりながらも、低調な成績で年が変わる第6節終了時点の全体順位は25位、他のフランス勢の順位を見るとブレストが7位、リールが8位がいずれも本戦ストレートインとなる8位以内、モナコは上位シード付きのプレーオフ出場となる16位であり、フランス勢の中で最も悪い成績で越年した。さらに深刻なこととして、順位が25位のままではプレーオフにも出場できず、今季からはヨーロッパリーグへの転戦という道がなくなったので、欧州の戦いが1月末で終了してしまう危険性があるのである。
■イングランド勢で最下位のマンチェスター・シティ
そのパリサンジェルマン、終盤戦は第7節はホームでマンチェスター・シティ(イングランド)という強豪と対戦し、最終節はアウエーでシュツットガルト(ドイツ)と戦う。
マンチェスター・シティは一昨年の優勝チームであり、今季もシード分けの段階ではUEFAインデックスでトップであったが、パリサンジェルマン同様に苦戦を強いられており、第6節を終えた時点で2勝2分2敗で勝ち点8の22位、かろうじてプレーオフ圏内にいるが、イングランド勢では4チーム中最下位、残りのリバプール、アーセナル、アストンビラはそろって上位におり、フランスにおけるパリサンジェルマンと同じ位置づけである。
■秋に黒星が重なったが、年が明けてから無敗のマンチェスター・シティ
マンチェスター・シティがこのような順位になっている理由は11月から12月にかけて、国内外で黒星が積み重なったことである。シーズンが開幕し、国内リーグ、リーグカップ、チャンピオンズリーグでは10月末までは無敗だったが、10月30日のリーグカップでトットナム・ホットスパーに敗れてから、国内リーグでは4連敗、チャンピオンズリーグの第4節のスポルティング(ポルトガル)戦でも敗れる。ようやく連敗を止めたのは11月26日のチャンピオンズリーグのフェイエノールト(オランダ)戦の3-3のドロー、その後も黒星が目立ち、チャンピオンズリーグの第6節はユベントス(イタリア)に敗れている。チャンピオンズリーグは最初の3試合は2勝1分であったが、直近の3試合は逆に1分2敗という成績、対照的である。
ただし、年が明けてからはリーグ戦2勝1分、FAカップでは勝利で発進と負け知らずであり、パリサンジェルマン戦の直前の試合では、国内リーグでイプスウィッチにアウエーで6-0と大勝している。
パリサンジェルマンに敗れれば勝ち点で逆転される、という状況、マンチェスター・シティはパルク・デ・プランスでキックオフを迎えたのである。(続く)