第3496回 終盤戦のリーグフェーズ (2) マンチェスター・シティに逆転勝利したパリサンジェルマン
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■国内のリーグ戦、カップ戦では無敗を続けるパリサンジェルマン
マンチェスター・シティの2025年になって最初の国際試合の相手はマンチェスター・シティ同様に苦戦しているパリサンジェルマンである。新方式となったチャンピオンズリーグのリーグフェーズのトップシードの9チームの中で苦戦しているのがこの2チームとドイツのRBライプチヒである。
前回の本連載ではマンチェスター・シティの苦戦を紹介したが、パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグでは苦戦しているが、国内のリーグ戦では無敗を続け、首位をキープ、カップ戦も初戦でRCランスにPK勝利、マンチェスター・シティ戦の1週間前に行われたベスト16決定戦ではナショナル3部のエスパリに勝利している。すなわち、今シーズンはまだフランス国内の相手には敗れておらず、現在、国内外の試合で8連勝中である。
また、不本意な成績のチャンピンズリーグであるが、ホームでの戦績は2勝1敗、スペインのアトレチコ・マドリッドに敗れただけで、これが今季唯一のフランス国内での黒星である。しかし、国内で好調でもチャンピオンズリーグになると全く別のチームになったようになってしまうのが今季のパリサンジェルマンである。
■新調した第4ユニフォームで決戦に臨むパリサンジェルマン
今季のチームの将来を決めると言っても過言でない決戦にパリサンジェルマンは新調した第4ユニフォームで臨む。パリサンジェルマンは過去マンチェスター・シティと欧州カップで7戦して1勝2分4敗という成績である。過去にパリサンジェルマンが欧州カップで5試合以上戦ったチームの中では最も悪い勝率である。
パリサンジェルマンは負傷者、出場停止者はおらず、ほぼベストメンバー、攻撃陣は中央にデジレ・ドゥエ、左はブラッドリー・バルコラ、右は李康成となる。一方のマンチェスター・シティはロドリを膝の負傷で欠くが、トップにはアーリング・ハーランド、第二列にはサビーニョ、ケビン・デブライネ、フィル・フォーデンが支える。
戦前の予想はマンチェスター・シティ有利であったが、パリがボール保持で優位に立つ。ボール支配率もシュート数もパリサンジェルマンが優勢であったが、ゴールチャンスは互角という展開で前半は進む。前半は両チーム無得点かと思われたが、45分にパリサンジェルマンは左サイドでワンツーパス、最前線に走りこんだアクラフ・ハキミがパスを受け、そのままシュートしてゴールイン、先制点かと思われたが、VARの結果ノーゴールで後半に入る。
■立て続けに得点をあげたマンチェスター・シティ
後半は激しく得点が動いた。この状況を打開すべく、パリサンジェルマンはウスマン・デンベレ、マンチェスター・シティはジャック・グリーリッシュを後半開始から投入。50分にマンチェスター・シティは右からのクロスにまずシウバがシュート、ジャンルイジ・ドンナルンマとマルキーニョスがクリアしたが、グリーリッシュが待っていた。ゴール正面からグリーリッシュが先制ゴールを決める。さらに55分にはグリーリッシュが左からクロスを上げるが、パリサンジェルマンの選手にあたり、ゴール前に、今度そこに待っていたのはハーランドであった。ゴールへの嗅覚の冴えるハーランドが追加点。パリサンジェルマンはまさかの2点ビハインドとなった。
■瞬く間に追いつき、逆転、追加点を決めたパリサンジェルマン
しかし、ここから大逆転が始まった。56分にはバルコラが中央付近から左サイドをドリブルで独走、最後は中央にクロス、ノーマークのデンベレが1点差に迫る。そして60分、ペナルティエリアの外からドゥエがシュート、これがバーに当たり、跳ね返ったところにバルコラがいた。バルコラのシュートでパリサンジェルマンは追いつく。わずか10分間に4点が入ったが、ここでマンチェスター・シティの足が止まってしまう。パリサンジェルマンの勝ち越しは時間の問題であった。70分のデンベレのシュートはバーに当たったが、78分右サイドのFKのキッカーはビティーニャ、ファーサイドの奥に蹴りこみ、そこに飛び込んできたのがジョアン・ネベス、ヘディングシュートが勝ち越しゴールとなる。さらに終了間際の93分にもゴンサロ・ラモスが追加点、2点先行されたパリサンジェルマンは4点連取し、逆転勝利、順位をプレーオフ圏内の2位にあげたのである。(続く)